前回の本四海峡エルガからの繋がりとして、同社開業の頃の車両を挙げてみたい。今回の記事でここに上げる車は全て移籍車(ユーロツアー除く)であるが、既に本四海峡バスからは全車退役しているので、元ユーザーも併せてアップしておきたい。 

 1998年初春明石海峡大橋の完成と共に神戸・他と淡路島を結ぶ高速バス路線が次々開業したが、既存のバス会社以外に廃止や休止されるフェリー会社関係者の転籍先も兼ねた(だったと記憶…)同社もこのタイミングで登場している。

 当時、各バス会社は新車導入でこの高速路線に備えたが、本四海峡は新車の他に移籍車をかき集め、教習用として走り始めたが、営業開始後もそのまま暫く営業車として使っていた。

 なお、本四の社番は「メーカー名頭文字のアルファベット+年式(西暦置き換え)+年式ごとの追番」と分かりやすい。

 

神戸22か65-85(M8602)   

 いきなりのキワモノ…というわけでは無いが、神戸では珍しい富士重工を積んだS61年式P-MS725SA。前扉折戸の特徴から元ネタは分かりやすいかと思うが、元西日本JRバス。ライトベゼル周りまで真っ白なので、一寸異様に見える。ここをブラックアウトしておれば印象も変わったであろう。

 

神戸22か65-86(M8801)

 こちらも前扉折戸仕様が特徴の元西日本JRバスでS63年式P-MS725SA、こちらは三菱純正(標準)車体。ライト・バンパー周りはブラックアウトして欲しかった(笑)というのが個人的感想。

 

神戸22か65-87(M8802)

 これも年式・型式は上の車と全く同じで同期の車両。製造番号も1番違いの個体であった。

 

神戸22か66-01(M8803)

 同じく同期同ロットの個体。もっと形式写真になるようサイドが綺麗見えるアングルで撮れよ!って言われそうな写真で申し訳ない。

 

神戸22か66-02(M8601)

 同じ西日本JRバスからの移籍だが、年式・型式が異なりS61年式P-MS713N。西日本JRバスでこの型式だとヘッドライト丸目4灯のイメージがあるが、この個体は標準の角目。

 

神戸22か66-03(M8701)

 これも同じく西日本JRバスからでS62年式P-MS715N。同じように見えて、全長は兎も角、懸架方式やらエンジンの違いは外見からではパット見で分からないのがつらい処…。

 

神戸22か66-04(M8301)

 年式表記を見てお分かりの通りこれだけ更に旧くS58年式。この車はP-MS725Sで今は消滅してしまった元姫路市営バス。再登録時既に15年落ちで何処で寝ていたのだろう…という個体であった。

 

 以上が初期投入用の移籍車であるが、私は見ることが出来ていないが教習時はもしかして自家用白ナンバーだったかも知れない。ご存知の方は情報を頂きたい。

 また、上記の車両の内M8301~M8701は翌'99年の新車と置き換わったハズである。

 

参考:当時の新車

 今ではすっかり見なくなった、当時最新でかなり話題になった日産ディーゼル(ヨンケーレ)・ユーロツアー。'98年式(外車ベース?なので西暦表記)のJA530型(車検証上では型式不明のハズであるが、KC-JA530RAN)でN9819。輸入車ゆえに詳しく無いが、当時西日本JRバスでも導入されていた。

 本四の車両は社番N9811~N9820と10両導入されていたと記憶する。

 

 明石海峡大橋開通から既に24年。当時の新車も全て姿を消し、日産ディーゼル/富士重工がバス部門から撤退したこともあり、現在の新車は三菱ふそうとJバス系と様変わりしている。更に旧型のエアロバスも残すところあと僅かである。

 涼しげな青いラインのみ、変わらずに今の車両にも引き継がれている。