なんと!



なんとなんと!



魂のボーカリストBlaze Bayleyまたの名をメタルキングが昨年11月18日、早くも新譜をリリースしていました。2018年は既に「The Redemption Of William Black (Infinite Entanglement Part III)」が出ていたため、完全に不意打ちでした。1年に2作もアルバム出すなんて、ノリに乗ってます!

実際は過去「The King Of Metal」時に組んだギタリストThomas Zwijsen氏(以下トーマス氏)との共作らしいですが、細かいことは気にせずブレイズの新譜扱いとします。

トーマス氏のギタープレイは典型的なメタルギタリストとは少し違うなと感じてはいたんですが、元々はアコースティック、フラメンコ、フュージョン畑の方だそうです。アイアンメイデンのカバーとかリリースしているとか。そういった畏敬の念からか頻繁にブレイズの作品に参加しているのも頷けます。

さて、メタルキングの名を欲しいままにしてきた(?)ブレイズは、前作で3部作Infinite Entanglementを完結させました。

その反動か今回はまさかのアコースティックに挑戦しています。いつもアルバムに1曲毛色の違うバラードを収録しているので、そこに焦点を当てた構成だと思われます。

たまにはブレイズも重金属音楽の柵から解放されて別のことをやりたくなったと推測されます。長いメタルキング歴に置いて、こんな瞬間があっても良いはず。


肝心の中身は、ボートラを除くと本編が8曲と少な目。ボートラはカバーです。主にセルフカバー。てかボートラは5年前にリリースしたEPでした。知らなかった。


【感想】
01. Eye of the Storm
しっとりと始まるものの、直ぐに情熱的なプレーが炸裂します。なかなかのアップテンポナンバー。そこにブレイズの声が入った瞬間気が緩むというか、相変わらず過ぎて安心します。伝家の宝刀「ヲーヲーヲー」もバッチリ出てきます。ギターソロが秀逸な佳曲。


02. Love Will Conquer All
英語に乏しい私の脳ミソに『Conquer』の単語はありません!調べると"征服する"とのこと。「愛は全てを征服するだろう」ですって⁉︎こんな小っ恥ずかしくもベタなことをあのブレイズが歌っていたなんて...。そういえば、歌詞を読まない私はブレイズ曲の歌詞を読んだことありません。

もしかしたら日本のポップスみたく、ラブソング塗れなのかもしれません。ブレイズがラブソング...。ギャップがチャーミング(?)


03. 2am
アイアンメイデンの10th「X Factor」より。なぜこれを本編に混ぜたんですか⁉︎それならComo Estais Amigosを選曲してほしかったです。本来の歌詞である「NO MORE TEARS」を独自の解釈により「ノモーチ〜」と全国の「のもちさん」に何かを訴える一風変わったバラードに仕上げてしまっています。

ちなみに全国にノモチさんがどれくらい居るのか、このサイトこのサイトで確認してみると、なんとノモチさん、日本に0名!

そんなぁ...。
ブレイズは一体誰に訴えかけているんですか...?相手は日本人じゃないんですね?残念です。


04. Miracle on the Hudson
ハドソンて、あのHUDSON?2013年に完全にコナミに吸収合併されてしまいました。高橋名人でかつては一世を風靡しましたね〜。大分前に『しくじり先生』に出演していて、ゲームが下手だと暴露しやがりました。あの16連打は見せ掛けか!

バラード調から突如勇ましい展開になる辺りで16連打を表現している...わけではありません。


05. December Wind
初めタイトル読み間違えて『December Wild』だとばかり...。12月の野生⁉︎凄いタイトル付けるねブレイズ!

...覚悟して聴いてみたらバラードでした。しんみりしたブレイズの歌が聴けます。世の中の大半のバンドは歌のメロディはシンガーが作っています。ブレイズ関連の作品は当然本人が作っているとして、彼は歌メロメーカーとして確かな力を持っていると思います。タイトルトラックにして、この路線にとてもマッチした良曲。


06. We Fell from the Sky
ここでリードヴァイオリンが演奏に加わります。ソロもヴァイオリンで、ギターは基本リズムのみ。

ブレイズのハイトーンと呼べるかもしれない歌声が印象的。最後の方なんか声が枯れかかってるじゃないですか。やっぱ無理するもんじゃないな。ある意味、魂の絶唱!


07. The Crimson Tide
「ネバァーサレェンダァァ!!」

私には、このフレーズを聴くと脳内で勝手にリピートされてしまう曲があります。インギーのDeath DealerのサビロメとDivine FireのNever Surrenderの2つ。

○インギーの曲より


○Divine Fireの曲より


前者はまだしも、後者はアルバムのキラータイトル的名曲(あくまでメタル的な見地での名曲に過ぎませんが)


08. The Love of Your Life
最後になんか明るいノリを持ってくる辺り、シリアスなものばかりで疲れたよ...とブレイズの心労がダイレクトに伝わってきますな。リラックスした雰囲気のせいか、ファンキーなシャウトまで飛び出してきます。


これ以下はボートラ
09. Stealing Time
ブレイズの2nd「Tenth Dimension」より。収録時期が5年前のためか、声が若干枯れ気味。それが逆に異なった趣きを齎していると言えなくも無い。3:45には演奏が止まりアカペラで喉に端を絡ませながら「スティ〜ラァァーンタァァイムゥン!」とグロウルの三歩手前レベルのスクリームが飛び出します!


10. Russian Holiday
恐らくオリジナルナンバー。これがこのEPでベストトラック。途中でフラメンコのようなギターにトーマス氏のルーツが見え隠れします。


11. Soundtrack of My Life
ブレイズの3rd「Blood and Belief」より。ギターリフはエレキからアコーに変わっても全体的な印象はあまり変化が無い。


12. One More Step
ブレイズの6th「The King of Metal」より。これは元々アコースティック曲なので、アレンジしてもあまり変わりません。良曲。


13. Sign of the Cross
アイアンメイデンの10th「X Factor」より。も〜本当に好きね、この曲。確かにブレイズのメイデンアルバムの1発目(シングルとしてはMan on the Edge)ですし、思い入れがあるのかもしれません。ライブでも頻繁に演奏されます。

正直バンドバージョンの方が良い。単にバンド演奏を差し替えた形で、中途半端感が拭えません。ソロパートもドラムが無いためか疾走感も無い。アコースティックにするなら、原型留めない位のアレンジしてほしかった。



【まとめ】
うん。まあ、いつものブレイズでした。特に大きな変化は見られません。ブレイズは既に完成されたスタイルを持っているので特に進化も退化もありませんが、たまに声が掠れたりする辺り加齢の影響もあるのか...?

なんせ御年55歳ですからね。

このまま70歳位まで現役でメタルキングを続け、DIOのような存在になっていってほしいです。なれるか否かは置いておいて。少なくともメロディの創作能力は冗談抜きにブレイズの方が上な気が...たまにします。


1つの結論として、やっぱりブレイズは重金属の方がいい。全然悪くは無いんですけど、唱法に変化も見られないので敢えてこの路線で行く必然性も感じません。利点としては制作にはお金は掛らなそうだし、ツアーも2人で出来るから安上がりです。



それより、かなり前からですが日本版がリリースされないためブレイズ近況がまるで分かりません。現在どんな活動状況で、私生活はどんな感じなのか気になります。ブックレットにもブレイズの写真はありません。B!誌でも変な企画でしか取り上げられないし、悲しい限りです。

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一瞬この紳士的なおじ様が現在のブレイズ?なんて考えが頭を過ぎりましたが、んなわけ無い。髪の毛がある時点でブレイズじゃない。

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これがブレイズだ!

このワイルドさ!男性ホルモンが爆発して帽子の下はつるっ禿げなのさ!是非これくらいの気合で来日公演を行って下さい。単独なんて贅沢言いません。アコースティック形式でも見に行きますよ!

以下過去記事
■9th The Redemption Of William Black
■8th Endure and Survive
■7th Infinite Entanglement
■6th The King Of Metal