初めに断っておきますが、本作は2012年5月20日にリリース作品されたです。2年以上前のアルバムです。

じゃあ新譜じゃねーじゃん!?


…確かにそうですが、私が買ったCDが新品だったので新譜扱いでいいやという話です。まあおきになさらずに。ようはただ単に更新ネタが無いだけ(汗)

御存知(?)元Iron Maidenの「魂のモミアゲボーカリスト」と私が勝手に言っているBlaze Bayley(以下ブレイズ)の通算6枚目のアルバム「The King Of Metal」のことについて語ります。逃げたい方は逃げずに耐えて下さい(苦笑)

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如何にも王の風格が漂っています。茨の冠をイメージしたような有刺鉄線の冠をしています。痛そうです。しかしそこは王様なので当然我慢です。多分。

ベストを除いたら今んところ最新作です。何を隠そう、新譜感想というコーナーの定義をねじ曲げてまでレビューしたかったのはブレイズのファンだからということに他なりません。

御存知では無い方はこちらを参照。そもそも知らない人がこの感想を読むとは思えませんけどね。
ブレイズ・ベイリーとは

ブレイズはボーカリストとして好きというより、彼自身とその生き様が大好き。一度はドン底まで世間評価が落ちたのにも関わらず、自分を信じて突き進む姿勢は熱くならざるを得ません(感涙)


ただ、残念ながら90年代のメタルリスナーからは未だに評判が悪いです。その辺りの年代がドンピシャな友人が先日私の自宅に来た時、ブレイズの音源を流していると

友「違うバンド流してくれ」

私「なぜです?魂感じませんか?」

友「全ッ然感じない。まだシンガーやってるんだ?ブレイズって…?」

くらいのことを言われました。「この人が歌ってる意味がわからない」とすら言われました。ふざけんなこの野郎!ちゃんと聴け!

と思いつつも当時Iron Maidenにブレイズが入り、その後の凋落っぷりに頭を抱えていた人達からしたら戦犯でしかないわな。前任のボーカリストが戻ってIron Maidenが再び盛り返したことも過小評価に繋がっていると思います。はぁ…。

しかしブレイズはそんな世間の風評とは裏腹に絶好調!かつてJudas Priestというバンドが自らをメタルゴッドと名乗ったように、ブレイズもメタルキング宣言しちゃいました!と勝手に解釈します。王様ですよ王様!メタルキングですよ!さぞ経験値が高そうです。

さて、そんな強気漢・ブレイズの作品は1stと3rdと4thの日本版がリリースされており、2nd、5th、6thは日本未発売です。

基本的にボーナストラック等が無い輸入盤は買わない主義なんですが、もう仕方ねぇ(泣)だって出ないんだもん日本盤…。これから先も出ない…可能性高し。Loud Parkとかに来ないかなぁ。Iron Maidenと一緒にさ。

感想を語ります。
いつも通り歌詞は読んでいません。

覚悟はいいか?私はできてる

《感想》

01 The King Of Metal
「You are the king of metal」とブレイズの囁きがアグレッシブに攻める高速オープニングナンバー。You areじゃなくてI amが良かったな。早口のパートでイッパイイッパイになっていてちょっと吹き出してしまった。ギター音が今回クリアじゃないな…。この曲には合ってなくもないけど。三分無いのであっという間に終わっちゃう。

02 Dimebag
こりゃまた哀愁を漂わせたブレイズのセクシーなボイスが聴けます。泣きのリフがいいな。そこから雰囲気をぶち壊すブレイズの歌が乗ります(笑)中頃からテンポアップし、悲しみに満ち溢れたソロが。相変わらずギターセンスの良い人と曲を作ってます。バックでかなり高音のコーラスが入ってるな、すげぇブレイズって思ってたら女性コーラスのゲストが居た。そうだよね…。

03 The Black Country
印象的なギターイントロからいつものブレイズ。低音で歌う箇所がグッド。ベースから途中またテンポアップ。ハモるソロを聴かせてくれます。最後は荒めのタイトル連呼。歌メロすきかも。ブラァックゥ!

04 The Rainbow Fades To Black
お、速めの曲がきた!と構えていると、前の曲と同じくブラァックゥ!と決めてくれます。アルバムに同じ言葉が続く曲を連続で収録しているのは珍しいというか、なんというか…。カッコええソロに続く機械でこもらせたブレイズの歌うメロディライン、結構好きです。意外なことにセカンドギターソロまである。とりあえずブラァックゥ!2に乾杯。

05 Fate
これもアップテンポ。ブレイズの必殺の雄々しいオーオオオーが聴けます。2回目のヴァースからサビに行かず正確には伯爵な方の某曲を彷彿とさせるフレーズを持つギターソロに直行。今度はハモり付きのオーオオオーが炸裂します。不思議とカッコいい。曲の構成が良い意味で変わっている。

06 One More Step
ピアノと声だけの哀愁バラード。ブレイズの激情が表現されています。自分の歌声に自信が無きゃ出来ません。後半の感情込めまくりの熱唱は心に響くぜぃ。思わず歌詞読みそうになったもん。英語だからよくわからんですけど。

07 Fighter
曲名通り闘技場の開幕みたいなイメージ(?)のイントロ。ソロはツインで弾いております。本当に良いギター弾く人です。後半からツーバス疾走します。そのまま歌が乗って終曲。てか何気に7分以上あるんですね。

08 Judge Me
イントロの後、ボーカルとギターのクリーンアルペジオで進行し、重いリフを弾き始めると同時に圧巻の歌いっぷり。歌うってより吠えてる。魂の咆哮!ライブで歌うのが大変そう。このリフ、地味に好きだわ。

09 Difficult
普通の曲かと思ってたら途中から静かになり、ブレイズがいい感じの歌メロをしっとりと歌い始めます。ギターソロで歌メロそのままのメロディが出てきますが、これがかなり好き。アウトロでまたブレイズが静かに締めます。

10 Beginning
前の曲に続くような形で始まります。最後はアコースティック。締めの曲なのにタイトルがビギニングとは。俺はまだ始まったばかりだ!と言いたいのだと思います。儚げなブレイズの歌。

【総評】
日本盤がリリースされた1stと3rdの極上音質に比べるとかなり音は悪いです。しかし収録された曲の出来映えは聴いた中では一番良かったかもしれません。全ての楽曲がきちんと個々の聴かせ所があり、似たような曲の垂れ流し感は全くありません。

何より印象的なギターフレーズが満載です。相変わらず良い創作能力を持ったギタリストと組んでいますね。このギタリストを見付けたのがブレイズなら、彼は人材発掘も得意そう。てか聴く人によってはブレイズよりギターの人に着目しそう。

ブレイズもシャウト気味に歌ったり荒く歌ったりと変化を付け頑張ってます。てか変に上手くならないほうがいいんだよなこの人は。この不器用な感じが持ち味なんだし。勢いで押すタイプだから。


点数的は64点。50点が普通として。
いやいや、力作だと思います。少なくともIron Maidenの14thよりかなり好き(15thは未聴)。

激ウマ美声ボーカリストが多い今、こんな不器用な芋くさいボーカリストが居てもいいと思います。聴いて1秒で誰か分かる個性って、かなり凄い。例えあまり上手くなくてもそれを上回る個性があれば、十分ボーカリストとしては成り立つのです!オジーオズボーンのように!
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もっと彼にスポットが当たらないかな。
絶対あり得ないけどインギー辺りと組んでみたら面白い化学反応が起きるかも。いや、アルバム作る前に解雇されるかな(苦笑)