ひょんなことから岩手県に行く機会に恵まれました。
東北へ赴くのはこれで2回目です。
この長かった人生の間にたった2回目。初老とはいえ、理由も無ければなかなか訪れる機会はありません。
岩手県といえばご存じの通り、東日本大震災により大きなダメージを負った県です。せっかくの岩手県遠征なので復興のためきっちりとお店でお金を使って参りました。
コロナウィルスが猛威を振るう昨今、未だ最後まで感染者が出ていない防衛意識の高い県です。これが一体どれだけ凄いことか!
諸々の予約は遥か昔に済んでいたので返金もできず、やむを得ずってやつです。
比較的安全な県への遠征とはいえ、到着までの経路は危険が危ない(パクリ)!関東圏を通る際の感染リスクは拭えません。新幹線の座席には消毒液を散布し、駅に着くごとに手洗いうがいを徹底しました。
さて、岩手と言えば何でしょうか?
人によって多種多様なものが思い浮かぶことでしょう。
わんこ蕎麦やグレートサスケだったり、年代によってもバラバラ。
私にはわんこ蕎麦のイメージがとても強いです。しかもそのわんこ蕎麦に関しても「ももクロのしおりんが93杯食べたもの」レベルの知識です。
12杯=かけ蕎麦1杯分程度らしいので、約8杯!よくそんな量を食べれましたね。女性の中でもかなり食べる方だと思います。
平成23年って…え…9年前?
道理で他の2人含めて若々しいわけです。ビジュアルも胃袋もまさに全盛期の頃に挑戦したわけです。私ももう○十年前に岩手に来て挑戦したかった…。
話を戻しまして、岩手と言えば「洞窟」です。
真っ暗な洞窟。光が差し込むことすらない洞窟。
...何を言っているかわからない方がほとんどだと思いますが、文句はヨンパチ制作スタッフに言ってください。岩手には通りすがりに洞窟があるのです。少なくとも四八(仮)の世界では。
そう、岩手県で四八(仮)の舞台となったのは「洞窟」です。
"どこの"、"何の"、"どういった"、そんな情報は一切ありません。とにかく洞窟です。訳がわからないですが、一旦はそれで納得して下さい。私もプレイした当時は何かの冗談だと感じました。
それでは岩手県のシナリオをお楽しみ下さい。
お疲れ様でした。
如何でしょうか?
「一体何を楽しめばいいんだよ!?」なんて怒りに震えた方、ごめんなさい。これがヨンパチから岩手県へのメッセージなのです。
岩手は真っ暗な中、東西南北をただ選択するだけの恐るべき手抜きシナリオです。もはや広島の「ヒバゴン」を超えかねないヨンパチ史上最悪シナリオの一つに数えられます。
ちなみに結末は3つ存在し、どれもこれもこれっぽちの面白さの欠片もありません。さすが四八(褒めてる)!
このシナリオをプレイされた岩手県民の方はさぞ心を痛められたことでしょう。
岩手に総売上6500枚のヨンパチを購入された方がいらっしゃるのか定かではありませんが心中お察しします。多分1人くらいは…いるはずです。
え?
「そもそもどこの洞穴が分からないなら聖地巡礼も何も無いだろ!」ですって?
大抵の方はそうお考えになると思います。
ぐうの音も出ないほどに正論です。
実は岩手県にはきちんとロケ地が用意されていました。ゲームのスタッフロールにその痕跡は残されていたのです。
1番下に載っています。
「社団法人遠野ふるさと 伝承園」
これは一体どこのことを言っているのか?
そう、紛れもない岩手県の「遠野伝承園」のことです。
遠野伝承園ホームページ
遠野伝承園とは「遠野の農家のかつての暮らしぶりを再現したり、伝承行事の再現、語り部による昔ばなし、民芸品の製作、実演等」を行なっている"日本のふるさと"、及び"あなたのふるさと"。
つまり遠野伝承園はゲームの舞台として使われるはずが真っ暗にされ、エンディングクレジットが消されなかった悲運の地なのです。こんな酷い話ってありますか?遠野市では有名(?)な観光地の1つなのに開発側の超手抜きにより闇に葬られてしまったなんて…嗚呼罪深きヨンパチ。
というわけで、はい。
お察しの通り今回の巡礼には洞窟という概念自体関係ありません。念のため遠野伝承園と洞窟の因果関係を探りましたが、私には見つけ切りませんでした。ご存じの方いらっしゃったら情報求む。
で、この遠野伝承園。
検索をしたらどうやらこの地方には「遠野物語」なる伝承や妖怪の物語があるそうです。
岩手出身の方に遠野物語について説明を求めたところ、俺知らねぇよとぶった切られました。岩手県民なら誰もが知っているわけではないようです。「何か、妖怪とか河童とか出るらしいよ」程度の知識です。
地元県民の口から"らしいよ"と出るあたり、そこまでメジャーな所では無さそうですね。
【伝承園】
事前に特に知識も持たず行ってみました。
今回もゲストとして藤子プロ所属のドラえもんさんのお力を借ります。
やってきました遠野市!
やってきました遠野伝承園!
前日に岩手県盛岡市に行っていたので、同じ岩手県とは思えない古き良き町並みです。ちなみに盛岡市はかなり都会でした。あちらもわんこ蕎麦やぴょんぴょん舎の冷麺が食べれたりと素晴らしかったです。
伝承園ではなく、傳承園と彫られています。旧字体か何かでしょう。
来ましたねぇ~。
本当にあるんですね。ネットに載っていたのであるに決まっていますが、テレビで見ている芸能人を目の当たりにしたようでやはり感動します。
このアニメ絵、かなり昔ですが絵柄だけは見た記憶があります。遠野市はやはり河童推し!会社の同僚に聞いた通りです。
見どころがたくさんあります。早速見ていきます。
いきなり目に飛び込んだのがこれ...。
観光地に萌を導入するのは最早日本文化的に当たり前になってきた昨今、ここ伝承園も例に漏れることなく奇妙なパネルが置かれていました。情緒も風情も消し飛ぶ萌の力に乾杯…いや、完敗…。
雪隠。現代でいうトイレですね。天井にぶら下がっているヒモをつかんで板に板に跨り用を足すそうです。これが日本のスタンダードだったのか!?和式便所の走りかもしれません。
水車ですね。「からうす」ってなに?
天皇皇后両陛下が訪問されたそうです。私の「遠野市といえばここ!」的な勘は間違ってはいませんでした。
ここからは屋内に入ります。所縁ありそうな建物です。こういう古い建築物には無条件で惹かれてしまう年頃。
このおばちゃん人形がスイッチを押すと語りだします。不明瞭なので、次行く機会があったらデジタルでクリアな音声になっていることを望みます。語り口調は日本昔話のような声色で雰囲気があり、敢えて不明瞭にしているのではと思えます。が、クリア化を希望。
ここからはオシラ堂。正式名、御蚕神堂。
壁に貼ってあるのは馬に恋をした女性の話『馬娘婚姻譚』の再現写真です。
農家に生まれた娘とその飼い馬の物語です。馬と娘はそれはさぞ仲が良く、とうとう夫婦になってしまったそうです…て、え?どういうこと?夫婦って別種族でなれるの?婚姻届け制度がいつから始まったのかは分かりませんが、事実婚的な感じなのでしょうか。
ちなみに馬のアレは超長いので、突かれて内臓まで貫かれて人が亡くなる事例が結構あるそうです。このお馬さんは絶妙な加減の出来る紳士だったわけですね。
で、娘の父親は当然のように激怒し、紳士お馬さんをなんと殺して木に吊り下げてしまったそうです。娘はお馬さんが父親に殺されてしまい木に吊るされてしまったことを知り、すがりついて泣いたそうです。
その行為は火に油を注ぎ、父親はお馬さんの首を刎ねるという鬼畜の所業を実行。そこで娘がお馬さんの首に飛び乗ると、そのまま娘とお馬さんは空へ昇りオシラ様となったそうです。悲しい話ですね。愛に種族なんて関係無いのに。まあ私が父親の立場でも当然娘を説得し捲りますけどね。馬と駆け落ちされたりしたら目も当てられません。
うおお…。
ここにきて急激に増した古来からの伝承性。飯島氏がヨンパチの舞台にここを選んだ理由が分かる気がしますね。使われなかったけど…。この来訪で遠野物語に興味が湧いてしまいました。小説があったら読んでみようと思います。特に馬娘婚姻譚の詳細を知りたいです。
売店の店員さんの対応も凄く丁寧で、快く伝承園を後に出来ました。
おまけで伝承園から歩いて数分で河童を祀った「カッパ淵」があります。こちらも少しだけ紹介します。
【カッパ淵】
オブジェが設置されていたり、川が流れていたり。こんな浅瀬で河童は泳げちゃうんですかね。いや、河童ならやりかねない!
乳首の縫いぐるみ!?そんな奇抜なものを作ってしまうんですか岩手県の方々。なのに他県にあまりそういった情報漏洩がありません。岩手県の防衛力の高さが伺い知れます。
噂の洞がこちら?
どこにそんなのあるんですか。ていうかピースサインした普通の人が祀られています。謎ですね。
これは伝承とは無関係ですが、トイレが深くスマホを落としたらさあ大変。恐らく結構な数の方々のスマホを飲み込んだ魔の落とし穴なのでしょう。その中には私と同じく聖地巡礼で来られた方もいらっしゃるのかもしれません。
【まとめ】
ヨンパチに取り上げられるだけあって、雰囲気がナカナカです。岩手県のシナリオは恐らく飯島氏のものではなく、別の人が作業的に作ったものだと思われます。是非飯島氏が作ったシナリオをプレイしてみたかったですね。
ああ、でも馬娘婚姻譚の昔話されて終わりかもしれません。それでも実装されたものよりは数段マシか。
岩手県にお越しの際は、伝承園へ!
以下過去記事
■【七/四八(仮)】福井県「嫁威肉附面」
■【六/四八(仮)】大分県「地獄極楽」
■【五/四八(仮)】滋賀県「三上山の大百足」
■【四/四八(仮)】山口県「壇ノ浦」
■【三/四八(仮)】三重県「牛鬼の里」
■【ニ/四八(仮)】福岡県「トンネル」
■【一/四八(仮)】愛知県「桃太郎神社」