先日福岡に行く機会があり、車でみやこ町を通っていた時のことである。
「春に福岡に来たら、ここの桜が絶景。七曲峠と言って、7回カーブを繰り返す間、それに沿うように桜が植えられている。とても綺麗な光景だから、一度見れたら見てみてほしい。」
上記の言葉のみで同行者の説明が終わったのならば素敵な場所に聞こえるが、こんなオマケ話も付いてきた。
「その峠の先にある旧仲哀トンネルで殺人事件が起きたんだ。」
殺人現場等に縁も所縁もない一般人からしたら穏やかではない話だ。老衰で亡くなられた方の住んでいた物件ですら恐れ戦き住むことが出来ないチキンハート枯林。
そこから「行ってみよう」の流れには、白昼といえど言い知れぬ緊張感を一人感じていたことをここに告白する。
ついに始まるトンネルへの道。
桜の季節とは遠い夏の昼、誰一人として歩行者は存在せず、人の気配すら感じる事もない。
なぜなら「旧仲哀トンネル」は現在使われていないのである。その先にあるものは行き止まりという現実だけ。桜が咲いていない以上、人が居るはずのない場所なのである。
ちなみに旧仲哀トンネルとは、知る人ぞ知る心霊スポットであり、西口彰事件の被害者になられた一名が殺害された場所である。
...そこで、ふと思い出す。
あれ?
四八(仮)にトンネルの話無かった?
トンネルを登場人物が夜中一人で歩いて進む話が確か九州地方であったような...。
まさか...と思い始め、同行者に「福岡 四八で検索してみて」と頼むとHKT48が出てきたと言われた。くそー、数字の48は世間ではAKB系列の独占数字なのかぁ...。製作者の飯島多紀哉氏はとんでもないモンスターを敵に回したもんだ。
改めて「福岡 四八 仮」で検索してもらうと見事にヒット!なんと福岡県のシナリオはこの旧仲哀トンネルが舞台だったのです。
なんてこった...完全に忘れてたぜ!
知らぬ間に聖地巡礼に向かっていたとは!
このシナリオは大学生が帰省中にトンネルを一人で歩くものです。エンディングは何種類かありますが、どれもこれも「へーそうなんだ。で?」の一言で片付けられてしまうようなシロモノ。ただそれでもゲーム中最低クオリティのシナリオではないことが四八(仮)の恐ろしさ。ちゃんと選択した県に関係した怖い話という時点で最低には程遠い。
ここまで厳粛な気持ちで慣れない文体で綴っていて損しました。こっからはいつも通り行きますよ!
さて噂の旧仲哀トンネルですが、もう使われていないこともあり行き止まりを知らせる看板が朽ちかけていて判読不能になっています。
『これより先 進路破損のため危険ですから通行できません』
まあどうせこんなところ普段人なんて来ねーわなと思っていると、途中にある休憩所は比較的まだ使っている印象を受けます。
ここは肝試しに来た方々の休憩所なのかもしれません。
私!?
怖くてこんな場所夜には来れません。昼でも人気無さすぎて一人じゃ来れません。写真も変なものが写ってなんかあったら困るんで、人を入れて撮影していません。前回の「桃太郎神社」と違って歴とした心霊スポットですからちょっとビビっております。あれはギャグですがこっちは本物です。
7回カーブがあるそうですが、初めの1、2回以降数え忘れました。何回か後に到着。
とりあえず雰囲気はきちんと備えています。車内から写真撮っても暗くて何も写りません。変なものが写っても困るんで好都合なんですが、もうちょい近くで撮りたくなったので近づいてみた。
入り口には形式的な封鎖がほどこされていますが、ガードが甘すぎて入場無制限状態です。トンネルの内部は塞がれておらず、反対側からの光が入り込んでいるのであまり恐怖は感じません。光ってのはとても偉大です。ビビりな私はもし盲目になってしまったら心霊現象起きまくりで逆に毎日エレクトロニカルパレード状態なのか。心臓破裂です。
かつてここで西口彰氏の手により、亡くなられた方がいらっしゃるのですね。御冥福を祈ります。春の桜が満開の時期に来てみたいものです。
公式HP
一通り見終えて帰りの車内、意外なことを聞きました。
「四八って変わってる。普通福岡のトンネルで心霊ていうと旧犬鳴トンネルの方が圧倒的に有名なんだけど。」
何と、わざわざあまり有名ではない方をチョイスする辺り、ちゃんと下調べ自体はされていたことが伺えます。そこに驚いた。しかも地元民の同行者は「ちょっと興味が湧いた。」とまで言いだしましたよ!
実際ゲームをプレイさせてみたらせっかく湧いた興味が即効で枯れ果てるので、やってもらうかどうかと迷ってしまう枯林でした。
にしても思わぬ形で【ニ/四八(仮)】が作れた。
【三/四八(仮)】は引き続き完全未定!
---追記--- in 2023/03/23
本来なら満開時に来たかったです。今回大分無計画に思い付きにで寄っただけ。
ホームページの桜が見てみたかったんですが、残念ながら開花には至っていませんでした。
1〜2部咲きといったところ。
それでも写真には写りにくい彩りを肉眼では確認できます。満開時にはさぞ美しいことでしょう。俺はもう九州に居ないけどな!
旧仲哀トンネルも相変わらず。
満開時は人が溢れる桜並木道を抜けたら心霊スポット。このバランスの悪さ、なかなか無いんじゃないでしょうか?
トンネル反対側から差し込む光が眩い。あの光が存在しない真夜中にこの中を歩くなんて、絶対に御免ですよ。
森林伐採しておりました。もしやここに何か作るつもりなのですか?変に人の手が入ると禁足地的な雰囲気が無くなる気がします。ほどほどにして下さい。
以下過去記事
■【一/四八(仮)】愛知県「桃太郎神社」