※完全ネタバレでやんす






























さて、るろうに剣心です。
私、るろうに剣心リアルタイムで読んでいた人間です。結構うるさくアレコレいいますよ!

で、昨日8/3に全国公開されました。シリーズの第二段に当たります。前作がねぇ、かなり好評だったんですよね。牙突以外。

漫画の実写化とはかなり世間的にはタブーとされています。原因は主に、実写化に伴い内容や設定を変えること。もう一つは漫画のキャラクターに役者が合わないこと。この二つの比率が多いです。

その最たる例がドラゴンボール。もはやこれはドラゴンボールですらないと判断されたため、エボリューションを題名に付けて苦し紛れに差別化を計ったわけです。これが鳥山明さんや製作陣の無言の警告であったわけで、その警告に気付かないもしくは気付いていたけど怖いもの見たさまたは何かの奇跡が起きて名作になっている可能性に賭け、見事に映画館で爆死していった方々を不憫に思います。そもそも鳥山明さんも「現場の力で大傑作になっているかもしれませんよ!」と露骨に腐臭と他人事感を漂わせた発言は地雷であることを分かりやすく示していました。

そして大抵の映画は人の感性の違いもあり賛否両論になることが普通ですが、ドラゴンボールエボリューションは見事に『否』ばかり寂しい感じの評価に落ち着いてしまっています。私もあれは無いと思っています。

映画オリジナル要素を入れるのは私自身賛成派です。なぜなら、漫画をそのままトレースしたような内容ならアニメ化も実写化もする必要ないと思っているからです。同じ内容なら漫画読めばいいじゃん?これが私の意見です。原作通りの内容がアニメで動けば良し!という人が多いですが、個人的には変えて良し。それでこそやる意味がある。ジョジョの第三部のアニメを見るのを止めちゃったしね…。

そんな私でもドラゴンボールエボリューションは微妙でした。なぜならフォーマットがドラゴンボールじゃない。AがA+やA'になるとかのレベルではありませんでした。AがXあるいはΩになったレベルです。オマケに単純につまらない。逆に笑えてくる。


前作のるろうに剣心は基本的に漫画と大きく変わった点はありませんでした。構成と無駄だと判断した贅肉を削ぎ落としコンパクトにするように努めていました。それが吉と出て、詰め込み過ぎな感じはありましたが良く出来ていました。牙突以外は。

キャスティングも良く、剣心役の佐藤健さんは初め「顔にマジックでバッテンを書いただけのお兄さん」なんて言われていましたが、今では「佐藤健さん以外に剣心は考えられません!」と言う人も。恥ずかしながら私は佐藤健さんのことをこれ以前は全く知らず、特に先入観を持たずに「中々合ってるんじゃない?」程度の認識でした。成功でしたね。キャスティングもその他モロモロも。もちろん牙突以外。

あと成功した大きな要因はアクションが凄かった。これがやっぱり一番大きいかな。日本のアクション映画では珍しいくらいに動く動く。殺陣も素人目には素晴らしくカッコいい。牙突以外は。


そして問題の牙突は…。
色んな所で言われていますが、ヤバいでしょ…あれ。ピーターパン牙突なんて言われていますが、まさにそのまんまの見事な表現です。

劇場で見ていたときなんてシリアスな場面で斎藤が牙突の構えを取った時は震えてしまうほど圧倒されたのに、次の瞬間ビヨ~ンと重力を完全に無視した超能力が発動し見る者を完膚なきまでに失笑させたのです。…というのは言い過ぎかもしれませんが、私はもう笑いが止まりませんでした。

所が他に誰も笑っていません…。
一緒に見に行った人も真面目に見ています。

え!?

どうして?
何で皆あれ見て笑わないの?



感性の違いを思い知らされました。私以外真面目な人ばかりが同じ時間に集まったのかもしれませんね。とりあえず牙突で緊張感が崩壊しましたわ。あの瞬間のためにここまで積み上げてきたの?あれわざとか?疑ってしまいましたよ…。



というわけで、続編で牙突は炸裂しませんでした。冒頭で志々雄と対峙した際に発動しそうになりましたが、寸前のところで志々雄が演出で抑えこんだのか斎藤に幸せを心に思い浮かべる余裕が無かったのか、何とか踏みとどまりました。良かった!始まったばかりでいきなりギャグになるところでした。

原作では省かれていた志々雄に火を付けるシーンやその前に斬られたり刺されたりするシーンもありましたねぇ。あそこまで刺されたらどう考えても死んじゃうでしょ。でも生きてるんですね。彼の執念がそれほど凄かったのだと思います。真っ黒でしたもの。これは志々雄怒るよ。

んで大久保さんも暗殺され、トントン拍子で剣心は京都に行きます。道中色々省き繋ぎ、宗次郎くんに逆刃刀を折られてしまいます。

そう言えば少し前に葵紫が出てくるのですが、葵紫自体、個人的にいらないかなと思いました。前作で登場していないので剣心とのドラマが全く演出出来ません、因縁もありません。ただの逆恨み殺戮マシンになってます。人気キャラなのでそうもいかないのかもしれませんが勇気を持って出さないのも手だったのに。ただ斎藤ではなく葵紫に佐之助を武器無しでボロボロにさせたのは良かったです。今更斎藤にこの役をやらせるのも無理があります。なので意見としてはどっち付かずな感じになってしまいますな。

剣心としては佐之助の修行シーンを省いたのも󾀕。変に間延びしなくていい。でも剣心に関しては第三作で修行シーンがあるかもしれません。理由は後述。

奥の手が出て来ない刀狩りの張を倒し新しい刀も手に入り薫殿と弥彦とも再開しと一気にショートカットして十本刀が集まります。チラホラ原作から使ったデザインのキャラが。ただあまり一人一人に焦点を当てないで進むため、正直出す意味があんまり無い気がしますね。五本か三本刀くらいの少ない数にしてしまってもよかったかも。原作を知ってる人がほくそ笑むのが限界です。

志々雄が愛刀 無限刃をアップに意気込みます。先の方だけノコギリになっていて、あとは普通の刀でした。これでは終の秘剣 カグヅチ(漢字忘れた…)が出来ませんね。まあ出て来ないのでしょう。

そして志々雄の部下と京都が戦うわけですが、剣心や斎藤も普通雑魚と一緒に戦います。原作でオトリで京都に残していた十本刀は出てきません。剣心がなぜか志々雄と同じ包帯を巻いた部下達と混戦したり、佐之助が相変わらずギャグをかましたり、戦闘シーンは本当にカッコいいな。

あと、人知れず同じタイミングで翁と葵紫が戦っています。ここで葵紫が負けちゃったほうが物語としてすんなり行く気がします。敵増やしすぎても困るし。映画の都合上、葵紫と斎藤が戦うことになったりしたら面白いかもしれません。いや、佐之助のほうがしっくり来るかも。

翁は原作通り負けてしまいます。嗚呼、どうなるんでしょうね。ここで勝ってたら面白かったんですけどね。そしたら葵紫を出した意味がなくなってしまいますが、出オチもいいかな。

一方、剣心と斎藤はあまり手応えの無い敵に違和感を覚えます。京都大火はフェイクで、本当は東京が目的では?このタイミングで気付くとは。

戦いでボロボロになった薫殿を宗次郎くんが連れ去り、追う剣心。途中で走って追うのを諦め馬に乗ります。宗次郎くんのほうが足が速いことを示しているのですか、なるほど。

剣心は単身船に乗り込みます。こういう場合、大抵悲劇しか待っていません。そう、剣心VS十本刀&志々雄の戦いが始まりました。イヤイヤ!そりゃいくら剣心でも無理だろ!

案の定、やられてしまいます。志士雄も攻撃してきました。志々雄…何か一気に小物化してしまった…。十本刀が作った剣心の隙を攻撃して「その程度かよ!?」って言われても…。タイマンで強いなら威張れるけど多勢に無勢すぎだろこれ。

剣心が苦戦している間に薫殿は海に落とされます。剣心も後を追いとりあえず戦闘終了。剣心せっかく飛び込んだけど薫殿を助けることが出来なかったようで、一人海岸で気を失っていました。そこに現れたのは…福山雅治氏。事前にアナウンスがあったとはいえ、ここで来るか。彼ほどの大物やらせる役はあとは比古清十郎くらいしかない。てことは剣心修行しちゃうのかな。それとも全く別の役という可能性もあります。私はそっちのほうを期待します。

薫殿の安否が気になりますが、あのまま亡くなってしまい、人誅編のスパイスを混ぜるのもありかな。純真なファンが怒るかな。



省いて適当に説明しましたが、こんな感じです。キャスティングは志々雄と宗次郎くん以外はあまりスポットが当たらないため、今のところは判断の出来ません。志々雄は…藤原竜也氏があまり合ってないかな。声が志々雄っぽくない。てか悪役っぽくない。 それ以外は誰がやっても同じでしょう(笑)

宗次郎くんは、もうちょい美形の人を使えなかったんでしょうか。ま、あれはあれで良いか。純朴な青年的ポジションで。

今のところ評価は…まあ普通。後編でどうなるのかな。オリジナル展開もっとやってほしいです。いっそオリジナルキャラクターも出していいです。縁も出しちゃうとかさ。



とは言え私のような人間は少数派だと思うので、『こういう人もいるんだなあ』程度で受け取って下さい。