No fate

映画「Terminator」シリーズが好きです。
どんくらい好きかというと、自分の人生理念を定められてしまう程です。

昔超ネガティブだった私が「運命なんてものは無い。未来は自分の手で作るものだ」という超ポジティブな人生の座右の銘を掲げているのもこの映画が原因です。

この言葉に救われたとか、信じていて何か良いことがあったとか、そういう訳でなくただそう思って生きている...レベルの話ですが。

じゃなきゃ人間不平等でしょ?
確かに人間は平等じゃない。でも自分にレールが無いことを信じること位いいんじゃ?信じるじゃない、祈りに誓いのかな。

もし今後自分の人生に悪いことだけじゃなく、どんなに良いことがあっても、どんなに素晴らしい出会いがあっても、決して「運命=必然」であるという考えだけはしないように生きていこうと思っている。


全ては「偶然」。

たまに「この出会いは偶然で必然なの」と言われたり、「これがあったから、今お前はここにいる。それがお前の人生に必要だった。」なんて言う人が居たりする。

確かにその通り。
感謝する出来事も多い。現在の自分は数々の出来事の積み重ねの上に成り立っている。

ただ「必要」とか「必然」とかさ…。それは何かにつけて起こった事象に意味を求め、己に起こった出来事を肯定しようとする弱い考えとすら私は思っている。

どんな苦しい思いをして生きてきてその場にたどり着いたのかを少しは考えろよ、誰もが誰も楽しい人生を送ってその場にいるわけじゃないんだよ、確かに今はいいかもしれない、でもその場に辿り着くまでに失ったものの大きさが計り知れないんだ、それを必要だったとか必然だとか運命だとか…、好きでこうなったんじゃないんだ。

「この場に辿り着くまでに多くの犠牲が必要だった、でも結果的には良かったんだ。」という発言は前向きで悪くない考えかもしれないが、どんなことでもそう考えたんじゃ向上心が無くなってしまうのでは?

自分の行った失敗を素直に失敗と認め、自分に起こった不運を素直に不幸と認める。そして次に繋げて生きていく。

これは大事なこと。
前向きなのは素晴らしい。ただ同じ結果を繰り返さない努力は必要。あまりに日々の出来事に身を任せて生きると、ロクなことにはならない。


話があまりにも脱線しすぎましたが、この記事はターミネーターの話でした。ターミネーターは1、2、3、4と全部で4作品発表されています。

更にテレビドラマで放映されたターミネータ:サラコナークロニクルもあります。アメリカではやはりターミネーターは人気があるんですね。最近中古で全巻買って見ています。結構面白いんですね。ストーリーは収拾がつかない程に拡大する一方ですが。今までスルーしてたけど見てみてよかった。キャストは主人公:サラコナーの息子ジョンコナーが再びイケメンに戻って一安心。

噂では3が不評過ぎたため無かったことにして、2と4を繋ぐ架け橋の作品にするつもりだったらしいですね。3をもはや無かったことにしようとするのは可哀想ですが、気持ちはよくわかりますハイ。


○まずはターミネータ第1作。始動。
未来の救世主ジョンコナーを後に生むサラコナーを、ジョンコナーを生む前に抹殺しようと未来からターミネーターを過去に送り込まれてきます。ジョンコナー抹殺を防ごうと未来からカイルリースが送られてきます。

ターミネーターは鋼鉄の機械であるに対してカイルリースは普通の人間…。正直絶望的な戦力差ですが、色々な試練を乗り越え生きながらえ続けます。しかもカイルリースはあろうことかサラコナーとちょっとした仲になってしまうのです。そして最終的にカイルリースは殺されてしまうのですが、サラコナーはなんとか生き延びる。そしてカイルリースとサラコナーの間に生まれたのがジョンコナーというわけです。

ようはターミネーターが送られてこなかったらジョンコナーは生まれてこないのです。まだこの段階では特に大きな矛盾は無いと思います。

映画としてはいくら傷ついても襲ってくるターミネーターという存在に視聴者がさぞ恐怖したことでしょう。一つのホラー映画としては大成功を収めました。


○続いて第2作。超絶傑作。
それから何年か経って、10歳になった美少年ジョンコナーを殺そうと未来から新型のターミネーターがやってきます。それを防ごうと今度は人間側にプログラムされたターミネーターが送られてきます。そう、第2作の注目すべき点は「ターミネータ同士の戦い」なのです。

新型は旧型よりも当然強い。
色々やってなんとか新型を倒すことに成功します。最後には旧型も人類を守るため入水。これにより敵組織のスカイネットが誕生する可能性はゼロになり、「未来は平和になる」約束が成されたわけです。

超端折りましたが、実に中身は素晴らしい。
アクション映画としても一級品ですが、それに伴う人間ドラマが素晴らしい。ドラマの連続です。また監督のメッセージ性が非常に大きく物語を左右し、ただの金太郎飴的な続編ではありませんでした。「何をテーマとしたいか?」とが凄くわかる。

極め付けに旧型が「人間がなぜ泣くかわかった」という言葉及びそのシーンは、もう感動のあまり思わず感動してしまうという。日本語が変ですが、文句無しに泣きそうになりました。これを超える作品は中々現れ辛そうです。


○続いて第3作。黒歴史。
「運命なんてものは無い。未来は自分の手で作るものだ」という第2作のメッセージを盛大に覆した超問題作。駄作評価を下す人が大多数を占めます。

これ、正直ただのアクション映画です。駄作と言いたくなる人の気持ちもとてもよくわかる。前作で完結したはずのシリーズをなぜまた?そういった背景には色々な大人の事情が関わっています。最近14~15人の愛人がいることで有名になったアーノルドシュワレツェネッガーが主演なわけですが、彼はその頃ヒット作に恵まれなかったため前作の結論を全く無視して「I’m back」と戻ってきたわけです。

また美少年ジョンコナーが、どういうわけかチンパンジーになってしまったのも悲しい話。どうしてあの美少年が類人猿になっちゃったのか…。身元隠すために整形手術か?サラコナークロニクルで出てくるジョンコナー役の人だったら誰も文句言わなかったと思うのに、もうちょっと他に居なかったのか…。

肝心の内容ですが、世間で言われるほど酷くない。過去2作と同じ「強い敵に追われる」を踏襲し、アクションは派手でいい。見所もそれなりにあります。

ただドラマが無い。そこが大きい。

出演依頼をしていたサラコナー役の女優に「この脚本にはドラマがない」という理由で断られています。実際ほとんど無い。「運命は変えられない」というシリーズ自体の持つ信念を否定することだけしか伝わってこない。

終わり方も賛否両論。完全なバッドエンド。これも人によっては「クソ」の一言でかたずいてしまうかもしれません、後味悪すぎて…。私はそこまで嫌いな終わり方じゃないですが…。

結論は「第2作と第4作を繋ぐ架け橋」作品。それ以上の価値は無い。


○続いて第4作。再興?
不評すぎたターミネータ3が無かったことになり、物語の流れは1→2サラコナークロニクル→4になると聞いていました。

実際はちゃっかり1→2→3→4となっていました。流石にナンバリングタイトルの前作を無視するのはまずいという結論になったのでしょう。正直、それで私もよかったと思います。

内容的には、疑問が多々ありますがそんなものは脳内で補完すればよい!!従来のシリーズ「強い敵に追われる」展開を大胆に変更し、全く違った形態へと変わっています。

勿論「こんなのターミネータじゃねぇ…」と思っていた方も多いでしょうが、私はこの変化を大歓迎しました。もう十分見たでしょ、「強い敵に追われる」はさ…。題名も「ターミネーター4」ではなく「ターミネーター サルベーション」であるところも考慮されています。

肝心のドラマ性はよくできています。この世界では「人間」と「機械」が喧嘩しているわけですが、そのどちらにもなりきれないマーカスが登場します。このマーカスが良い!!人間「だった」自分が人間に追われたり、あろうことか機械に仲間と認められたり。その時の表情はその心理を見事に投影していると言えます。

極めつけには、父と子の初対面のシーンが、もう…。ジョンコナーが父カイルリースに初めて会うシーン。大好きです。

撮影ドキュメンタリーで監督が言っていた「この映画のテーマは機械と人間の違い」を見事に描いたと私は思います。随所でそのテーマを匂わせているところが憎い。前作での駄目っぷりを払拭してくれました。

と私は高評価しているのですが、受け付けない人も多いのが事実。黒歴史と言う人も居ます。まあ何かを見たり聞いたりしてどう思うかは個人次第でよいと思っているので、それはそれでよいでしょう。



で結論として点をつけると
「1」心理型ホラーアクション映画  :65点
「2」ドラマ型ホラーアクション映画 :92点
「3」金太郎飴型アクション映画  :33点
「4」ドラマ型アクション戦争映画  :70点

50点が「普通」です。
こんなところですね。

5の話もあったそうですが、今では制作中止に…。4の売り上げが問題だったそうです。できたら5も見てみたい。クリスチャンベール主演で。きちんと映画の決着を着けてほしいです。


え、2の時点で着いてた?
確かに。

アホな監督がまた始めちゃったんだから…最後まで見届けたいですね。

※4のBlu-rayを500円でゲットしたため、記念に全体を修正しました。2018/7/24