どうも貧困メタラー枯林です。

またまたインギーのライブ。



またかよ!?

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またです。

貧困者にとってブートレグは高いので、前の作品含め二作同時で配送業者の格好をした季節外れのサンタが家のポストに置き忘れてくれた奇跡に感謝!


さて、本作はツアーのみの参加で終わってしまったメタル界で有数の声の持ち主、ヨルン・ランデ氏の音源です。あのEdguyのシンガーTobias Sammetが副業(もはや本業?)であるAvantagiaのインタビュー時に「正直、彼の声が羨ましいよ」と本音を漏らしてしまう程。

【メンツ】
Yngwie Malmsteen- Guitar, Vocals
Jorn Lande - Vocal
Mats Oloussan - Keyboards
Randy Coven - Bass
John Macaluso - Drums

キーボードもインギ史上最も彼に貢献したマッツ・オラウソン。ドラマーのマカルーソは置いておき、是非このメンツで一作品作ってほしかったと心から感じます。

前述の通り短命で終わってしまったわけですが、それについて18年の歳月を経て一人勝手に分析してみようと思います。題して


「ヨルンはなぜ辞めることになったのか!?」


今更!超今更!興味のある方はお付き合い下さい(このブログに訪れる方でインギに興味がある人は恐らくほぼ皆無なのはわかっています!)!


いきなりこの件の結果から言うと、訴え合って終わっています。主張内容はヨルンは「不当な扱いを受けた」と訴えたのに対し、インギは「ライブから離脱し契約違反である」と訴えたと、当時随一のインギー情報を保持したメガファンサイトの記事で読んだことがあります。

あのインギが交わした契約を盾に正当な理由でヨルンを非難している様は少し違和感を覚えます。裏を返すのなら、ヨルンの主張は正しいことの証明とも取れます。

またメガファンサイトからの情報になってしまいますが、この件に関してヨルン側の記事も存在します。特に目を引いたのはインギー妻であるエイプリル氏の『エイプリルご乱心事件』当日のやり取り。その日にヨルンは溜まりに溜まり兼ねて脱退してしまいました。

彼の主張に「ツアーメンバーでもなんでもない家族をバスに乗せるのは理解出来ない。俺にはホテルも用意されていない。こんなことは続けられない。」とあります。とんでもない話ですが、ヨルンは一体どこで眠っていたのか?この問題はご乱心事件より前にヨルンはインギに直訴してもいて、インギはヨルン等に対して問題の解決を約束していたそうです。

恐らくですが、インギ自身はヨルンや他のメンバーに対して待遇改善をする気持ちが本当にあったのではと、私は踏んでいます。ただ恐妻家であるインギは妻に対して頭が上がらず、行動してもせいぜい「彼らの部屋を用意したり、ギャラをきちんと払ってあげられないかな?」程度のことを軽めに伝え、突っぱねられたのはないかと推測します。

そしてご乱心事件当日にインギがヨルンから逃げ警官を呼んできた背景には、妻の家族に対して強く言えない立場で最善の策と考えた末の行動なのかなと考えます。部屋さえも用意されない冷遇に日に日に苛立っていくヨルンとマカルーソに、インギは誤魔化し誤魔化しコミュニケーションを取っていたと。彼らの言い分も分かるし、エイプリル一家には強く言うことはできない。ある種板挟み状態になり、こうなったらもう第三者(警察)の介入でしか場は治まらないと判断したのと思います。


どっちが悪いかって、それはもちろんインギサイドに非があるわけですが、根本原因はインギではなく彼を取り巻くエイプリル一家にあるように想像できます。メンバーではなくエイプリル一家に振り分けられたリソースの配分もエイプリル氏が決定したのではないでしょうか?

憶測で語っていますが、こちらの映像を観てみるとよくわかります。



これはインタビュアーから「ヨルンランデは?」と聞かれ、インギが「誰それ?」と惚ける動画ですが、エイプリル氏がまるでインギーに「お前、変なこと言うなよ」と監視しているのようにしか見えません!もはやエイプリル氏の傀儡!

この映像が2人の実関係を如実に表しているのかなーと。インギはエイプリル氏の操り人形で、親族全体でインギを食い物にしている疑惑が私の中で勝手に確信に変わってしまいそうです。

後任ボーカルのドゥギーはエイプリル氏から「バックメンバーを見に来る客は居ない」と正面から言われたそうです。信じられないセリフです。インギですら「俺はいつも奴等(メンバー)に言っているんだ。ヘマをするんじゃない。やるべきことをやっていれば個人的評価も得られるようになる!」なんて辛口表現ですが、個人的な評価を得る分には構わないと一応明言しています。エイプリル氏の発言はそれ以前の問題、スタジオ音源を再現するマシン扱い。

ドゥギーは「ファミリーが介入するとロクなことがない」とインタビューで答えておりました。マネージメントの舵を取るエイプリル氏は、金儲けのために相性の合わないリッパーと組ませたり、ボツにしたボーカル曲を再利用させたり、2019年現在のボーカリスト不在にさせたり、巧みな旦那誘導による経費削減に勤しんでおります。

エイプリル氏の意見をまるで自分の意見のように発言するインギは精神までも操作されているように思える節があります。まあ目立ちたがりは生来の性格のようなので、彼自身が今の活動スタイルを気に入っているのは事実かもしれませんが...。



と、偏見バリバリなファン視点で色々と語ってみたものの、結局は彼の人生です。ファンは諦めて泣きましょう(涙)でも本音はエイプリル氏と何らかの形で離別して、一念発起してスーパーボーカリストと組んでほしいと心の底から願っています!

というわけで感想です。

【感想】
1. Intro.
音が小さくこもりまくり。ああ、このブート外したか(涙)


2. Rising Force
開始から少し時間が経つと突然音が良くなります!録音機をポケットから取り出した?

ヨルンのライブ解禁です。彼のライブ音源初体験。想像以上に歌えているし、相変わらず凄い声。ただこのテイクの別の意味で主役はドラムのマカルーソ。何がって、笑える程スピードが変わる(笑)

このツアーの直前に脱退したマーク曰く「彼は人の演奏を聴いていない」らしいです。自己陶酔型ドラマー?そこのところはインギーと同じですね。B!紙でも前作Alchemyツアーインタビューで「貴方が何度か後ろを振り返るシーンがあった」とインギーに向けて言っていたこともありました。

マカルーソの最終評価は、Attack!インタビューで「ドラムを叩けないドラマー」の称号を授かりました。失業に直結する烙印です。後の事を考えるなら、このテンポの揺れはもしやインギーを困らせるためでは?そんな邪推をしてしまいそうになります。真面目にやっているのなら壊滅的リズム感。

じゃあ曲を破綻させているかというと、逆に素晴らしい(笑)終盤の畳み掛けは最高の一言!弱点を強みに変えた奇跡のテイク(苦笑)


3. Catch 22
これも早い。マークボールズの音域まできちんと出てるのが凄い。ヨルンを舐めていました。低音メインという新しい旋風を巻き起こしたのに、きちんと超高音域まで完備。


4. Bed Room Eyes
中盤でヨルンのスキャットが聴けます。こんな時間を与える以上、インギ自体はヨルンを気に入っていたと捉えることが出来ます。問題があったのはマネージメント...つまりエイプリル氏陣営かと。


5. Crucify
ホント太くてパワーの凄い声...。サビの歌声なんて高音かつ荒々しすぎてヨルンの喉が心配になりそうです。


6. Adagio
彼のライブアルバムの曲目を見ると真っ先に飛ばしたくなる候補その1「Adagio」!


7. Far Beyond The Sun
ヨルンが居るんだから、歌物やってくれ。


8. Preludium
暇な時によく見るこのSetlistサイド曰く、⑧が演奏されたのはこの日が最初で最後。レアです。


9. Wild One
アルバム通りの流れで雪崩れ込みます。これもスピード上げています。ヨルンの熱唱が凄まじい。マークよりも合っていそうな歌いっぷり。聞いていてこっちが疲れそうになります。


10. Bad Reputation
ヨルンってこんなにスムーズに高い声出ちゃうんですか!?改めて惜しい人と喧嘩別れしたものです。是非もう一度組んで新作を発表して下さい。


11. Guitar Solo
彼のライブアルバムの曲目を見ると真っ先に飛ばしたくなる候補その2「Guitar Solo」!

と思ったら...えっ!?カントリーみたいな曲が始まりました!なにこれ!いいですねーこんな面白いことやっていたのか!嬉しい驚きもつかの間、1分くらいでいつものピロピロに...無念。


12. Trilogy Suite Op:5
ヨルンが居るんだから、歌物やってくれ。


13. Red House
ヨルンが居るんだから、歌物やってくれ。え、一応歌物ですって!?たしかに。


14. Badinerie
彼のライブアルバムの曲目を見ると真っ先に飛ばしたくなる候補その3「Badinerie」!インプロヴァイズって即興演奏でしょ?これだけ同じ事やっててよく真顔で言えますね。


15. Masquerade
合っていないだろうと予測していたこの曲を見事に歌いこなしています。少し歌メロを変えていますが、それも見事。これもスピードアップしていて破壊力も増し、名曲だと脳が再認知しました。


16. Member Introduction
ヨルンのことを「ジョン・ランデ」と間違えておりますが、ベスト連呼!インギ自身はやはりヨルンを気に入っていたんじゃないかなぁ...?


17. Seventh Sign
これも早ッ!終盤の歌メロアレンジが素晴らしい。この歌メロでスタジオ版は収録されて欲しかった。その超かっこいいアレンジを見るに見兼ねた(苦笑)インギーが邪魔をして終わります。ふざけんな!


18. Guitar Intro.
ピロピロ。


19. Black Star
ヨルンが居るんだから、歌物やってくれ。


20. I'll See The Light Tonight
最後の最後まで落ちない声。高い声出しまくりです。Masterlanの3rd発表時、ギターのローランドがヨルンが何故抜けたのかをインタビューワーに説明していました。その内容が「ハイトーンが多過ぎて俺の声がダメになってしまう!」でした。なんだかんだで、インギと続けてても多分同じ問題で辞めそうな気がしてきます。


【まとめ】
ヨルンの声の太さ、声量、圧力は歴代最強。インギにも全く引けを取らず、素晴らしいの一言。マカルーソの不安定なリズムは、スリリングに聞こえると言えなくもない。オラウソンは無難な感じ。彼は演奏者としてより作曲者としての方が有能。

インストが多い。ファービヨンド1曲演奏したら、それでソロは良しとしてほしい。



【おまけ】

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こちらはまさしくオマケで付いてきた「No Singer in Cleveland」。

1. Blitkrieg
2. Highway star(Deep Purple)
3. Icarus Dream Suite Pt.1
4. Far Beyond The Sun
5. Spanish Castle Magic(Jimi Hendrix)
6. Purple Haze(Jimi Hendrix)
7. Trilogy Suite Pt.1
8. Guitar Solo
9. Red House(Jimi Hendrix)
10. Guitar Solo
11. Lazy(Deep Purple)
12. Bass Improvisation
13. Drum Solo/Band Introdution
14. Blue
15. Evil Eye
16. Acoustic Guitar Solo
17. Black Star

【メンツ】
Yngwie Malmsteen- Guitar, Vocals
Mats Oloussan - Keyboards
Randy Coven - Bass
John Macaluso - Drums

ボーカルのヨルンのドタキャンにより急遽メインボーカル抜きで行われたライブ。音は劣悪ですが、付いてくるからには聴いてみる。

マカルーソもこの公演を最後に抜けます。いくらインギでもドラムが居なくなったら続行不可能なので、マカルーソに対して頼み込んだのかもしれません。人間関係として破綻しているので、さぞやり難かったことでしょう。

【乾燥】
内容的には、近年のキーボードがボーカル兼任している布陣よりインスト多目で、何よりウケるのがWar to end all warsツアーなのにWar to end all warsからの曲が1つも無い。1994年Seventh signの頃マイクが声が出なくなり、そっちはインギが全部歌ったそうなので、なぜそのようなファンサービスが出来なかったのか。Fire in the skyを歌ったそうですからね。

正直、ヨルンのボーカル楽しみにしていたのにこんなライブ見せられたらたまらんな...。もちろん悪い意味で。ヨルンが加入する前、マークが離脱した際にインギはこのような言葉を残しました。

「マークがいなくなったのはどうだっていいんだ。マッツ・レヴィンやヨラン・エドマンが辞めて心配したかい?マイク・ヴェセーラが居なくなった時は?俺は気にしないね!誰がバンドにいるかなんて関係ない!」

誰がバンドにいるか気にしないのは、アンタだけなんだよ...。嗚呼。



長くなりましたが、以上です。また別のブートが私の家の玄関先に届けられる日が来ることを祈っております。


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