どうも貧困メタラー枯林です。

今回はインギのライブ作品、No Turning Backを紹介します。



聞き馴染みのない作品名かと思われますが、Attack!ツアー時の音源でありオフィシャルなものではありません。




...弁明させて下さい。

ツアーの2003年時、インギはライブアルバムを作ると豪語していました。「これまでは一つのショウを通して収録していたが、今回は沢山の音源を用意して繋げる形で作ることを考えている」なんてことをB!誌で豪語していたのですよ...。

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というわけで、今これが私の手元にあるのは私だけのせいではないはず。きっとそうです。焦らしすぎて忘れた方にも責任があるはず!


そう、俺が悪いんじゃない!

インギが悪いんですよ!?出すと言って出さないから!期待させたのが悪い。俺は悪くない、悪くないよォォ!




必死な自己擁護はこの辺にして...

Swedish Magnum in Japanは結構な劣悪ぶりでしたので、本作の超高音質の謳い文句に並々ならぬ期待していました。赤坂のライブ公演。

-メンツ-
Yngwie Malmsteen – guitars (インギ)
Doogie White – vocals (ドゥギー)
Joakim Svalberg – keyboards (ヨアキム)
Mick Cervino – bass (ミック)
Patrick Johansson – drums (パトリック)

アルバムに作成に(少しだけ)参加していたDerek Sherinianはツアー不参加。一緒に来日したら、彼目当てで観に来るファンも居たろうに...。インギ本人が1番悔しくなってしまうはずです。

「勘違いするヤツはクビにする」

俺はこの会社の一員なんだ!と主張したらクビ。ブラック企業も真っ青なライジングフォース社に不当解雇されたメンバーが訴訟を起こさないことを願っています。まあ実際訴訟されたことはありますね。


【内容】
Guitar Solo-SE
ピロピロ。


Rise Up
バスドラはパタパタですが、ボーカルとギターのバランスは結構良い。流石超高音質!War to end all warsよりは良い。ドゥギーより上を裏声でハモる人はどなた?まさかインギ?ドゥギーの声がアルバムと違うのはセーブモードかもしれませんが、十分に歌えています。


Ship Of Fools
インギお馴染みのフレーズですが、いきなりギターがヨレています。オフィシャルで出すなら手直しされるであろう箇所が、です。恐らく何千回何万回と弾いたフレーズなのに。このヨレもインプロヴァイズによる計算されたものなのか!?


Stronghold
ライブセットリストにこの曲が入っていることに違和感があったわけですが、こうして聴くとライブで映えるかもしれません。ハモってる人はミック?


Guitar Solo(Inc:Adagio)
ドゥギーから「イングヴェイ、マルムスティーン」と改めて紹介をウケます。Far beyond the sunの前に弾いてるアレを演奏。


Baroque & Roll
なのに飛び出たのはコッチ。この曲中にShip of foolの冒頭フレーズがそのまま入っていることに今更気付きました。嫌な意味で発見してしまった。


Acoustic Guitar Solo Dreaming
アコギからドリーミング。ドゥギーの声に合っています。Attack!は歌モノのバラードがありませんでしたからね。アメリカ版のAttack!にはこの曲のライブが確か収められていたはず。ちょっと欲しくなったのも懐かしい話です。


Attack!
初めて聴いた時、どこがサビだかわかりませんでした。Cメロ(サビ⁉︎)で高音が続くため、裏声使ってフェイク。息も絶え絶えですな(汗)前日も歌っていたわけですから、大分しんどいでしょう。インギーとやっていて喉を痛めたシンガーを今のところ聞かないのが奇跡な気すらしてきました。「Attack!」のコーラスを変な声で歌っているのはちょっとウケる。


Razor Eater
この曲でもドゥギー間違えたのに、演出のようにこなします。一体何回紹介させるんだよ?ツッコミたくてたまらなくなるドゥギーの「イングヴェイ、マルムスティーン」コールから次のピロピロが始まります。持ち上げるなぁ。


Trilogy Suite Opus:5-Guitar Solo
電車の中で聴いているせいか、眠りを誘います。


Red House
インギ自ら唸ります。独壇場と思いきや、途中でキーボードもソロを弾きます。インギから許可が降りたことに驚きます。


Fugue-Guitar Solo
いらない...。しかも途中飛んでる?これやるなら音源流すのではなくきちんとオケと一緒に演奏して下さい。


Keyboard Solo
つ、つまらん(汗)


Bass Solo
粒子の荒いベースソロ。MetallicaのPulling Teethみたいなことをしたかったのか、なかなか面白い。


Drum Solo
パトリックはインギドラマーの中で1番彼に合っていたと感じていますが、これは面白くない。


You Don't Remember,I'll Never Forget
露骨にキー下げてますな(苦笑)ソロの前のドゥギーの声を聴いていると、インペリテリの8thで歌っていたカーティスさんを何故か思い出します。彼は今何をしているのでしょうね?低い声結構カッコいいです。荒々しいシャウトもいいですねー。ドゥギーは多様性があります。

ソロの前でブチっと切れてしまうのが残念。


Valhalla
言うまでもなく(?)、これが1番の楽しみでした。サビの下がる部分のコーラスが厚く、素晴らしい。最後は反対にファルセットで叫ぶ辺りが熱い。こりゃきちんと音を整えればスタジオ版を超えますね。このツアー後、1度も演奏されていないのが惜しい。


In The Name Of God
最初のアカペラは音源を流しているわけですが、そこを普通に歌っちゃうドゥギーさんはお茶目。サビを少し変えて歌っていて、なかなか良いアレンジです。この曲もうインギの中では捨て曲なんだろうなぁ...。惜しいその2。

本編最後でアンコール前とはいえ、「See you later」言っちゃってます。


Hiroshima Mon Amour
こんなライブの後半に歌った本人(グラハム)さえ満足に歌えないボーカル殺し曲を...。ファルセットで何とか応戦します。これもB!誌情報ですが、どこかのライブでこの曲の演奏中にドゥギーはふざけて苦しそうな顔をしながら喉を指差すパフォーマンスをしたそうです。実は割とマジだったのではと考えています。

私としてはこれ演奏するならもっとAttack!の曲やってほしかったです。Mad dogとか、「ドゥギーが2人必要」と演奏されなかったIron Cladもインギかオーディエンスと掛け合いでやってほしかったですね


Mistreated
全部で3バージョンあった中、本作を選んだのはこれが聴きたかったから。ドゥギーのスキャットも飛び出します。オリジナル展開?も盛り込んでライブらしさ満点。終盤になんか低くボソボソ歌ってるなと思いよく聴くと、まさかのI am vikingを口ずさんでいます。雰囲気には合ってると思いますが、何故?いや、合ってるから良いか。


Rising Force
正直疲れが感じられるライジングフォース。ドゥギーグロウルも練習して使えるようになればより幅が広がってベターかと。ああ、でも今マイケルシェンカーとやってるんでした。


【まとめ】
声色の種類も多いし、実は1番インギーに合っていたシンガーはドゥギーだったのでは?と感じさせる見事(声だけで判断する分には)なフロントマンぶり。マークボールズよりアドリブが上手い。

他のメンバーは良くも悪くも他のパートを喰うこともなく、きちんとした

あとファー ビヨンド ザ サンが無いことに驚いた。「あれ、演奏してなくね?」

【余談】
ここからは余談ですが、かつて「ライブを製品として出す際、手直しするのは情けないこと」的な風潮がありました。Slayerのケリーも「オーバーダビングはオカマすること」などと言う過激な発想の元、未修正のライブアルバムをリリースしたことがあります。

かという私も、ライブではヘロヘロなのに修正しまくって如何にも演奏できちゃいます風に編集するのは反対派でした。

ところがどうでしょう?

現代はネットでライブ配信をしたり、ヨツベで盗撮したものを簡単にタダで目にする機会が得られるようになりました。

そうなると「正規版で出すのならきちんと手直しして、整ったものを出してよ!」と全く逆の心理に到達してしまったのは必然ではないでしょうか。私だけ?私だけなのでしょうか?

何だかんだで、これが正規品として手直しやマスタリングされたらもっと素晴らしくなったのかと思うと、惜しい...その3。


現在インギは、シンガーも兼任しています。またきちんとした専任シンガーを加入させたライブアルバムを出してほしい想いが更に募った今日この頃。


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