不覚にもhideの15回忌に文章を上げ忘れてしまった。

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彼の存在を知ったのは中学の頃。

同バンドのYoshikiのやりたい放題を見ているのが好きだったのであまり目を向けなかった存在であった。彼が亡くなってから彼のソロ作品に目を向け始め、彼の才能に気付くのが遅くてかなり後悔したものである。

本当に若くして大きな才能を失った。

日本音楽界の損失として計り知れないとかなり本気で私は思っている。

ギタリストとしては正直物足りないが、コンポーザー/メロディメイカーとしてはずば抜けたセンスを持っている。

彼が亡くなった後にリリースされた3rd「Ja,Zoo」やZilch「3・2・1」で持ち込んだ重低音ギター。1998年の段階で取り入れていた先見の明には頭が下がる。生きていたら恐らくHip hop等も取り入れたりしていたのではないだろうか。

またX Japanは再結成して2007年から新曲入りのベストを出すと2013年までCDでのリリースはなし。Yoshikiのレコーディングがずっと長期化しているのは明白で、メンバーとのコミュニケーションも欠かさず取り精神的支柱となっていたhideが生きていたらこんなことにはならなかったのではと考えている。


今後未発表音源の新作とか出ないかな。

出たとしてもまたベストに2曲入れるとかかな。

大変なのはわかるけど勘弁してくれよCD会社。


私は結局買わない人間なんだよね、同じ収録曲ばかりのCDは。お布施という言い分は分かるけど、同じ内容のものが家にあると何故かイライラしてしまうのだ。


昨日知ったことであるが、忌野清志郎さんも5月2日が命日。

彼のことはよく知らないのであまりどうこう言えないが、数多のファンに慕われたファンキーな偉人であったことは知っている。

歌を1曲フルサイズで聴いたことはないが彼の歌声は知っている。

「ああこの声の人か!!」という一発で分かる個性は流石で、日本ではオジー・オズボーン的存在だと私は勝手に認識していた。


さらにSlayerのジェフ・ハネマンも5月2日に亡くなっただとぉ!?

マジかよ!?

3日前のことだって?何てことだ…。Slayer解散か?

ドラマーのデイブ・ロンバートも脱退しそうな雰囲気だし…。まだまだ若かったのに…。オリジナルラインナップで来日してほしかったぜ…。


というわけで5月2日は私にとってより忘れ難い日になってしまった。



天国でお元気でいてくれ…。


以下ソロ感想。
 

●01.HIDE YOUR FACE (1994)

hide your face

ギタリストのソロアルバムなのでギターインストアルバムになるかと思いきや、バリバリの歌モノであったことに当時驚いた人が居るとか居ないとか。hideは技術力よりコンポーザー、アレンジャーとしての才に秀でていたので、テクニカルなギターインストを自分で作ることにあまり興味無さそうですしね。

Eyes love youのサビメロを流用した壮大なインスト。期待感抜群①、ギター関連のメロディは全部カッコいい。歌メロも良いし、最後グロウルになるのもいい!②、2曲連続でアグレッシブ。重く重心が低い。アクセントに出てくるグロウルはナイス。Ryuichiが居るバージョンに慣れるとちょっと物足りないかも③、一転クリーントーンで爽やかなアップテンポシングル。メロディラインはポップですが、歌い方は時折荒くなります。鳥肌モノのギターソロでは後半スパニッシュ風展開のタッピングが出てきます④、歌詞が凄い。突っ走ってて歌メロもキャッチーです。最後の爆走は最高⑤、アコギとアメリカの高速道路(?)なインタルード⑥、自前のグロウルにエフェクター掛けまくりのノイズ声で歌っているインダストリアル曲。この時代にこれをやっていたのは凄いですわ⑦、短めのアコースティックバラード。終始低音で歌われ、素朴な癒し系⑧、元々JとINORANも関わっていた楽曲ですね。インダストリアルで色んな音が入っています。何とギターじゃなくてキーボードらしいですね⑨、ジャムってるインタルード⑩、ブラス入っているのでファンクっぽいですね。青空のコンプレックスって、変な曲名。ドラムスゲー⑪、変な声で変わった歌詞を歌っています。後半の走る部分が最高⑫、リラックスしたアップテンポな楽曲。ギターソロがこれまた最高。シングルだけあって完成度が高い⑬、テーマは危険な感じがきちんと楽曲に反映されている気がしますね。なんでこんな歌詞にしたんだろ。ギター関連がいちいちカッコいい⑭、全編インダストリアルだったシングルバージョンを大幅にアレンジ。中盤までクリスタル湖の畔でアコギとヴァイオリンで歌っている感じです。大胆過ぎるアレンジには関心しか出来ない⑮、演出の凝ったアウトロ。長い⑯と、3作あるhideのアルバムの中で1番メタル要素が強いです。歌に関してですが、まずこの時代のメジャーシーンでグロウル(デスボイス)を取り込んでいた先見の明は凄すぎ。クリーンボイスはポップめの曲を歌うには問題ないですが、②のようなメタル系ではちょっと声が弱いかななんて思ったりすることもあったり。

リズム隊はT. M. StevensとTerry Bozzio。ソロ活動なのに本来所属しているX Japanより桁違いにレベルの高いリズム隊を使うって凄いですよね。

【My Top 3 Tune】
・Dice
・Tell me
・50% & 50%

72 /100点
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●02.PSYENCE (1996)

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かなりボリューミーだった1stに対し、本作も同じトラック数が収録されています。DAHLIA作成と期間的に被っているのによくこんなに多作ですね。いや、1stもか。コンセプトは1曲1曲を独立させたオムニバスアルバムらしいです。

プルタップを開ける音から007みたいなメロディのジャージーインスト①、アコギからハミングでんーんー言っているのがおもろい。V系極彩色("しき"じゃなくて"しょく")事件の1発目。ラップ的な要素も入っちゃってる②、浮ついた感じのメロディラインがらしさ満載。ギターソロも特徴的でとても良い。オムニバスに収録された時あまり良い評価を得られなかったらしい③、ベースから激重ギターとリズムに吠えるhide。基本グロウル気味に歌いますが、エフェクター使ってないらしいです。が、ちょっと無理があるでしょそれは④、落ち着いた街並みをテクテク歩いているかのような楽曲。洋楽っぽい。タイトルはレモネードアイスクリーム名称はhideは愛着があるのだと思われ⑤、ラテンフレバーを導入したサンバチックな楽曲。これでMステ出たのは凄いですね。X Japanとの落差があり過ぎ⑥、Miseryの共通世界観で作られた終始穏やかで切ないバラード。別楽曲のレコーディングでガナリまくり、喉が酷いコンディションの時に「こういう時にしか出せない味が出るかも」とレコーディングされた楽曲。ちょっと燃え尽きた感が出てると思います⑦、エロく、遊び心がすごく、hideっぽい。こりゃ盛り上がるでしょう。ソロもきちんと作られています⑧、どこかの空港?でギターを弾いているインタルード。折角ならもうちょっとちゃんとレコーディングしてほしかった⑨、デジロックでありでそしてhideっぽい。Super sonic slimmy dance Super sonic slimmy go goがリフとユニゾンしていて、Bacteriaの変な声のサビメロはもうセンス爆発。ベースソロが突如出てくる⑩、そしてこのしっとり感。前曲との落差スゴ。誤解されてしまうタイトルですが、ちょっと前向きな歌詞です。当時「君のメロディ~」の部分がやたら頭に残っていました⑪、カフェのインタルード。やりますね⑫、犬の心情をhideなりに綴った詞が最高。鳴き声も入っています。これ本人でしたか?後半怒涛の畳み掛けは素晴らしい。そして作品の出来が良くなるならデモのまま収録しちゃう姿勢も凄い⑬、卓球しているようなイントロをギターと被せるとは…。またもやインダストリアルヘヴィチューン。いきなりピアノが入ってくる箇所とか一筋縄ではいかない発想が凄い⑭、没後に出たTributeでGlayがパンク風にスピードアップしてアレンジしていたバージョンとhideのオリジナルを聴いた知り合いが「なんだこのhideの締まりのないのは」と暴言を吐いていました。違うわッ!この「悲しくも皮肉めいた明るさで辛いかもしれないけど乗り越えて行こう!」的な雰囲気がこの楽曲の本来の持ち味だろうがッ!このルーズが最高なんだろうがッ!!とその知り合いにケンカを売ろうと考えた⑮、どっかの工場のエレベーターがゴーゴー動いている感じの音から笑い声に繋がり、ちょっとボヤけた感じの①が流れるアウトロ⑯と、hideの作品で1番バラエティに富んだ作品。1番遊び心があり、それ故に詰め込み過ぎ感があるのは贅沢な悩みか。

X Japanっぽさは前作より更に薄れ、本当にやりたいことをやっている感じがします。私個人はこの作品がべスト。

【My Top 3 Tune】
・BEAUTY & STUPID
・BACTERIA
・MISERY

77 /100点
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●03.Ja,Zoo (1998)

ja zoo

hide没後に残されたメンバーを元に作成されたアルバム。言わずと知れたことですが、98年にhideは亡くなってしまいます。自殺だ事故死だ、色々な説があります。私個人としては、Mステに出て「Rocket Dive」歌っていた彼に自死の意思があるとは到底感じられなかったので、事故死だと思っています(そう勝手に思っているだけで、本人にならないと理解出来ないことが沢山あるのも承知しています)。

共同制作者のバンドメンバーの名を関したインスト。艶やかなのが非常にhideらしい①、シンプルな名曲。ギターソロも複雑なことせず遊び心がある②、hide流ヘヴィデジロック。初めて聴いた時、これポップスリスナーにはキツイだろうなと感じた。メロディも明快ではありませんしね③、98年にこの曲を作っていた奇跡。ヘヴィなヴァースから神々しいコーラスまでの繋がりが素晴らしい。ソロの代わりに語りが入っているのも新しい④、1stの楽曲を98年版にリメイク。ヴァースはダラダラ。サビで爆発する形の形式に。インタビューでhideはエフェクターを使わないでグロウルしている的な記載があるので、この楽曲もあまりエフェクター感が無いのは凄いことですね⑤、純粋な新曲ですが、シングル楽曲が強すぎるためかちょっと目立たない。歌詞は相変わらず面白くセンスを感じる⑥、元々カップリングとして作られたのに出来が良かったから個別シングルになった曲。確かにユニークなメロディライン。これもソロの代わりに語り⑦、オルタナティブなイントロからダークに進行。サビメロはキャッチー。自然な声が非常によく生かされたミドルチューン。確実に1st時からボーカルの表現力が上がっていますね。最後突然のピアノアウトロ⑧、メロディが弱いなと感じたのも今は昔、きちんと骨格を理解したらそりゃもう…。妙に明るくも儚い泣ける名曲なわけですよ。やや高めの音域での歌唱が余計に助長します。場違いな速弾きも何故かフィット感半端ない⑨、アウトロ。ピアノのメロディはグッドですが、hideの弟さんがボソボソ語って終わり⑩と、仕方のない話なんですが、1st、2ndが共にインタルード含め16曲もあったのに対し、本作は10曲とボリューム少なめ。また実質歌モノは8曲のみ。既存楽曲のリメイクが1曲含まれているので実質的な新曲は3曲とリアルタイムリスナーからしたら寂しい感じ。元々13曲予定だったらしいので、残りの3曲が含まれたらどんなアルバムになったのか気になります。その内1曲は「コギャル」として世の中に出ましたね。

ギターソロが無い楽曲が多いのも、hideは楽曲重視であまりギタリストとしての拘りが無さそうな柔軟性を感じさせます(ソロ無しがトレンドになりつつあったのも事実ですが)。このまま数年に1~2曲ボーカロイドで未発表音源を作り続けてその度にベスト出すんですかね…。まとめて4thとして出してほしいですわ。

【My Top 3 Tune】
・ROCKET DIVE
・PINK SPIDER
・HURRY GO ROUND

70 /100点
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●--.hide TRIBUTE SPIRITS (1999)

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hideの作品ではありませんが、思い出の作品なのでここに載せておく。当時図書館に置いてあったのを借りました。まだトリビュートアルバムが何たるか知らない頃の話ですね。こんなのがあるんだと。

当時のV系と言われた界隈の有名どころからhideの友人達が集っております。リアルタイムにこの時代を生きていた人達からしたら涎モノですね。

イントロ。EYES LOVE YOUのピアノバージョン①、hideが亡くなる少し前にリリースされたシングル。もう完全に布袋ワールドと化しています。この人の曲みたい②、原曲を超えるカバーは世の中にあまり存在しませんが、個人的にこのトラックは数少ない原曲超えと言い切ってしまえます。清春の唱法合いすぎだろ③、イントロで「こんなにスピード上げるの?」と驚くも、直ぐに同じくらいに。kyoの「アウ!」とラストの疾走感は素晴らしいですが、歌のフィット感はやはりhideな④、正直アレンジを含めてあまり面白くない…⑤、原曲の脱力感が好きですが、これもこれでいい⑥、女性のエロい声を使った打ち込み⑦、とても良い感じ。流石hideに見出された方達です⑧、めっちゃ思い切ったアレンジ。ダウナーに始まり最後に走るのは当時斬新でした。Luna seaというかRyuichiが一緒に歌ったテイクは荒々しかったですが、これは河村後なので洗練されています⑨、強烈な原曲とグロウルには及ばず、ならLuna seaみたいに大胆にアレンジしたらもっと良かった気がします⑩、これもちょっと工夫がない感じですね⑪、凄いアレンジ。Vampsのギタリストがやっているだけのことはあります。見事⑫、当時流行っていたパンク風アレンジにGlayが挑戦。というか成功。ちょっと歌メロ変えている箇所もあり、それも捻りが効いていていいです。別バージョンとして完成度が高い⑬、hideの歌声を利用したX Japanのhide曲をカバー。これはソロタイムに歌ったトラックですかね?どちらにしても、良い試みですね⑭、歌モノの原曲をピアノとストリングスでカバー。いやー良いアレンジだと思います⑮と、私の人生初のトリビュートアルバムは運良くとても完成度の高い作品に当たることが出来ました。海外の適当に演奏しただけのトラックとはワケが違います。これでToshiがHurry go Roundでも歌ってくれたらより最高のトリビュート作品でしたが、まあ当時の状況的にそんなことが出来るはずもなく。

定価で買ったとしても十分に満足できる内容です。

【My Top 3 Tune】
・ROCKET DIVE
・Beauty & Stupid
・MISERY

73 /100点
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もっと貴方の作る音楽を聴いてみたかった…。心底そう思います。


以下過去記事
第七回:Ronnie James Dio 追悼
第六回:ももいろクローバーZ
第五回:Dead by April
第四回:河村隆一
第三回:X JAPAN
第二回:アニメタル USA
第一回:Dir en grey