ももいろクローバーZ 「幕が上がる」 舞台 感想



お芝居をやっている友人を二人ほど持っている私は、年に2~3回位の割合で見させてもらっています。劇団員という種類の人達の多くは自分の生活を犠牲にして日々切磋琢磨しております。中には定職すら持たずに頑なに夢に向かって進み続ける人も少なくはありません。

もちろん追わなければ夢が叶うことなんてありません。ただ深追いしすぎてと取り戻しの効かないところに辿り着いちゃった人も当然存在します。しかし私の会ったことのあるそのほとんどの人達が後悔の色など微塵も感じさせない生き生きとした猛者でした。少なくとも私が会った人の中で、普通のサラリーマンやれば良かったと言っていた人は居ません。


熱意が無ければ出来ないものです、演劇は。


そしてそこから上に行ける存在なんてのは一握り。無難な自宅警備という道を選んだ私にはとても出来そうもありません。なんせ一時期日雇いの仕事で食い繋いでいた時、金銭的にも立場的にも社会から隔離された日々を送ることの恐ろしさに押し潰されそうになっていましたからね。

社会的地位とか最低限の収入とか、どうでもよくなるほど打ち込めるモノを人はいくつ持っているのか?いや、一つ持っていれば凄いです。なんせ人生賭けちゃってる程です。

演劇に人生賭けている方々に問い掛けてみたい。何となく雰囲気で演劇やってみた的な素人達が持て囃されるこの状況…、そうももいろクローバーZの演劇。

もちろん私は彼女等の大ファンなのでチケットを取れたことに大きな喜びを感じております。ただ、本気で人生の時間を芝居だけに捧げている人達からしたらどうなんだろな。


様々な意見があるでしょう。

「これは私達の道なんだ、私達にやらせてくれ。私達にとっておいてくれ!」

「これを機に演劇の楽しさを世に広めてくれるのなら願ったりだ!」

「ファンなんで嬉しい!」

ないしは感心が無い人もいるでしょう。



…私はももクロファンなんで大歓迎なんですがね!ファンってヤツは寛容です。間違えようが失敗しようが許します。それどころか喜ぶ人すら居ます。「こんな公演に居合わせることが出来て幸運だ!」そして、自分もそういう人種です、多分!

久しぶりに遠方ということを差し引いても肉眼で彼女等を見るチャンス!


…が、こんな日に限って残業…。自宅警備員のくせに残業ってどんなだよと思うかもしれませんが、とにかく残業に…。

時計の針は開演時間の18時30分を余裕で過ぎており、ギロッポンに着くのは20時を越える想定に…。なんてこった。

もうめんどくさいから行くの止めて帰るか?

迷ったけど10~20分でも見たいと向かう。

六本木ブルーシアターの場所に向かうものの、ない。地図の場所を目指しても別の建物に阻まれる。どうやって行けばいいかわからない。要塞か!ビルの上跳んでけってのか、マリオじゃないんだから…。

三人目に場所を聞いた人がようやく具体的な行き方を教えてくれた。が、着いたのは20時24分…。門番の人に「もう入れません」と門前払い…。幕は上がっていても門が閉じていましたとさ…。ハハハ…。制止を振り切って突っ込んでいきたい衝動に刈られますが、新聞に載りたくないので堪える。



…その数分後、門から出てきた様々な表情をした人達を見つめていた。満ち足りた顔をした人や険しい顔をした人、楽しそうに恋人や友人同士で語り合うなど多種多様。今の私はどんな顔をしているのだろう?

私は、立ち尽くし、こうなることも多少は覚悟していたので、そこまでのショックはなく、むしろ予定通りなのかもしれないと自分の人生を改めて思い直しました。これが枯林を生きるってことか…。うん、悪くない。

私の心は嵐の前の水面のように穏やかだ…。



家に帰ったら嵐が来る…かも…。


【総評】

自分が悪いのはわかってますが、18時30分開幕ってちょっと早すぎませんか?疲れたサラリーマンとモテない君の味方じゃないんですかアイドルって?もう彼女等はとっくに普通のアイドルじゃないのは理解してます。ギロッポンってのもなあ。デパートの屋上でやれとはいいませんが、ステータス的な距離をやっぱり感じますね。あれこれ色々合わせたら…とりあえず疲れました…。最近の自宅警備は忙しすぎます。プレッシャーも半端ない。自宅警備員の全体賃金見直しを要求したい。

本日千秋楽ということで…ライブビューイング(※ 会場で見れない人のために色々な映画館でライブ中継する画期的な集金システム)だったら行けるかなと思いもしましたが、それだったらBlu-ray買って家で見るのと変わんねーと普段から主張している立場なので行きません。リアルタイム制を重要視するのは、まあわかりますけど…、肉眼で見えないなら別にいつでもいい。


今日の夜に録画した通販番組見てて気付いたんですけど、未だに「今会えるアイドル」とか言ってるんですね。どこ行きゃ会えるんですかねぇ…。ライブに行って会えるのは当たり前ですよ。会えるというか、見えるだし。結局平面画面と対面するのが一番近い。



ももクロはもうテレビやスクリーンの中だけでいいや…。

と、それでもめげずにファンを続けようとする枯林でした。