我が人生を決定付けたIn Flamesの14th。

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先行公開された楽曲はどれも初期を強く意識させる音源だったそうです。私は一気に聴くためアルバム出るまで聴きませんでしたけど。

メロデス(メロディアスデスメタル)からオルタナ(オルタナティブメタル)に変化して久しいですが、未だにメロデスに戻ってくれとの声が一部のファンからは絶えません。In Flamesがメロデスだったのは、たった1994(1st)~2000(5th)年までの6年間だけ。未だに拘るファンが居ること自体、凄いことですよね。

私はオルタナ路線も好きなので、変に昔に戻ろうとして欲しくない側。昔のような音楽が聴きたいのなら昔の作品を聴けばいいだけですしね。


現在のラインナップ(海外Wikiより)
・Anders Fridén -Vocal
・Björn Gelotte -Lead Guitar
・Chris Broderick -Rhythm Guitar
・Bryce Paul -Bass
・Tanner Wayne -Drums

ギタリストがNiclas Engelin氏からChris氏に。Niclas氏が脱退(解雇っぽい)したのはThe Halo Effectのライナーに載っていたので特に驚きはありませんが、リズム隊の2名が前作と替わって居なかったのは正直かなり意外でした。適当に補充されたメンバーだと直ぐ脱退してしまうイメージが強いんです。

というかIn FlamesはもはやAnders/Bijornバンド状態だと思うので、他のメンバーが誰でもあまり変わらない気がしますね。最近はそこにプロデューサーのHoward Benson氏も加わりました。

新メンバーのChris氏、なんとMegadethに在籍していたんですね。現在はKiko Loureiro氏、Dirk Verbeuren氏の凄腕を引き抜いちゃって技術的には歴代最強ラインナップ。

そのMegadethに在籍していたわけです。

当然凄腕確定でしょう。


そして事前に5曲も先行配信する大盤振る舞い。

もう一気に複数の楽曲を提示する意義も薄くなってきたご時世なので、アルバム単位でリリースしたい気持ちが無いのかもしれませんね。


あと悲しい話として日本盤にはボーナストラックは付かず、海外のデジパック盤のみ1曲多い。

何度もご時世に責任を押し付けてしまいますが、確かに今更収録曲数なんて関係無い世の中です。私が拘っていた部分でもありますが、曲数の多さがどうとかアホらしくなりました。でも聴く前からテンションは急降下。


【感想】
01. The Beginning of All Things That Will End
ボーナストラック除いて7曲しか新しいマテリアルが無い中、1曲がオープニングのSEとは...。

とはいえ、内容的には初期の風味のアコースティックギターが美味しいのは間違いない


02. State of Slow Decay

始まりから重い。In FlamesってよりDimension Zero風デスラッシュなメランコリックなリフですね。Anders必殺語尾「ンフッ!」がいきなり炸裂します。

結局サビメロではスピードダウンしてのクリーンメインなんですが、1度目のサビがギターソロの後に来る工夫をしています。


03. Meet Your Maker

スローテンポから徐々にスピードが上がっていく構成。結局サビメロではスピードダウンしてクリーンメイン。リフがゴリゴリしてるだけできちんとしたメロディが無いのが残念。

In Flamesらしからぬ...というよりBijorn氏らしからぬ速弾きが飛び出し驚いたんですが、MV観るとChris氏が弾いてますね。シュレッド系だったんですか!Bijorn氏とはタイプが全然違うのが面白いじゃないですか。てかIn Flames初?テクニカルギタリストですね。


04. Bleeding Out
デジタル音からスタートし、この楽曲はリフがハッキリしています。スローでクリーンボーカルがメイン。哀愁ある歌モノなので前作のファン向け。ソロはChris氏のピロピロ。Chris氏だけに一瞬Impellitteriっぽいと思った。


05. Foregone, Pt. 1

本作のタイトルトラック。まさかのブラストビートスタート。これはもしや6thの「Transparent」以来でしょうか?

しかもヴァースからサビメロでスピードを落とさないのは珍しい!「Egonomic」、「Sober Irrelevant」に続く3曲目(細かくてすみません)!

一度目のサビの後入るアコースティックパートがかなり昔を意識してますね。ナイス。長めのソロもなかなか良い。メインはBijorn氏?

最後もブラストで締める。


06. Foregone, Pt. 2

一方こちらはパート2ということですが、反比例してスローチューン。イントロからメランコリック。リフも既聴感は少しありますがしっかりしてます。こういう楽曲なら全部クリーンボーカルにすれば良かったのに。PT. 1と対になるカタチで。

ギターソロはソロってより曲の一部のような抒情的なフレーズを弾いています。「俺が!俺が!」といったインギー思考が無く曲先なスタイルが好印象です。


07. Pure Light of Mind
おっ!リフがメロディアスでカッケー。イントロのギターからして昔の雰囲気。更にAnders氏のファルセット気味で高めの歌声を披露。どんどんこの人歌唱の幅が広げていきますね。これでライブでも歌いこなせれば文句無しなんですが。

いっそライブでは弦楽器隊の3人に多少グロウルが出来るよう練習してもらい、Anders氏はクリーンボーカルに専念する形で披露してみてはどうでしょうか。


08. The Great Deceiver

メロスピのようなリズムとメロディで始まり「こう来たか!」と身構えたら即スローテンポに。サビと間奏だけ走るタイプか。落差が激しい。

ラスサビ前の静寂パートが1番の聴きどころ。


09. In the Dark
50秒くらいに出るChris氏のロングトーンからの速弾きで何故かImpellitteriを思い出した。サビ以外グロウル。キャッチーでは無いですが哀愁あるクリーンサビが前作風で良い。多分Bijorn氏 → Chris氏 → Bijorn氏 → Bijorn氏 & Chris氏なギターソロが決まってます。In Flamesでソロを繋ぐのって珍しい。私が知らないだけかも。

メインリフが弱いのが惜しい。


10. A Dialogue in B Flat Minor
Anders氏の囁きグロウルからのミドルチューン。それ以外にヴァースでグロウルがちょっとあるくらいで基本クリーン。印象的な歌メロだし、結構な高音を瞬間的に出しているのでライブが心配になります。これもソロがコンビで展開。

最後アコギだけになるのも初期っぽい。


11. Cynosure
初めのリフが結構イケる。てか寧ろBryce氏のベースリフが楽曲を引っ張っていますね。ベースが目立つためかサビメロ以外はダークな雰囲気が立ち込めております。


12. End the Transmission
本編ラスト。他の楽曲より歌メロ以外が没個性的ですけど、それがこのアルバムで特徴になっていますね。特に平坦気味のサビメロが。Chris氏っぽい滑らかなソロも炸裂。

これで締める辺り、技アリって感じ。


13. Become One
公式YouTubeに全曲アップされていたので、この楽曲も聴いてみた。

印象的なコーラス、リフ、如何にも日本人ウケしそうなメロスピスタイル...。なるほど、日本への嫌がらせですね。

インギーもかつて日本版だけ1曲減らす暴挙に出た事があります。結局あの時日本盤も海外盤も両方買わされてしまったのも悔しい思い出です。


【まとめ】
メロデス回帰したというよりは、現在のオルタナ路線にメロデス(デスラッシュ)要素をより濃くした作風。Bijorn氏が「ギター中心の作品を作りたかった」と語っていましたが、その言葉半分くらい、残りはきちんと今まで通りな感じ。

このような路線に到った結果として、新メンバーのChris氏、Tanner氏の高い技量が今回のメロデス要素増大へ踏み切るキッカケにもなったと思っていました。

もちろんそれも一要因かもしれませんが、1番の原因は元バンドメンバー達が結成した「The Halo Effect」に悪影響を受けてしまったのではネットで読み、個人的にその説に納得しました。The Halo Effectに対する嫉妬なのか挑戦なのか。感情的なものは当事者ではないので分かりませんが、決して今回の方向性と無関係では無いかと。

ツーバスが多かったし、ピロピロも飛び出しました。その2つとも新しい要素として機能していると思います。


しかしリフのキレはまだ戻っていません。この手のジャンルの宿命とも言えますが、過去に出てきたモノと似たり寄ったり。The Halo Effectを聴く限り、前任者が戻っても革命的な改善は無さそうですしね。

なのにグロウル多用する楽曲もあり、結果歌メロも欠けている印象。メロディアスなグロウルパートって作るの難しい。

故に個人的にやや中途半端な感じ。今の彼等にメロデス向いていないと思います。やるなら優れたリフメイカーが必要です。

Chris氏は海外のWikiではリズムギターと表記されていましたがリードも弾いてそうです。ソロ弾いてますから。なのでそれなりのインプットがあったと勝手に想像していますがリフに関しては大きな改善には到っていません。

この際、若手の凄腕を発掘すべきなのでは?In Flamesに加入したいギタリストなんて山のようにいるはず。リフ作りに長けた方を。

私はこのバンドの最高傑作を多くの方と同様に8th「Come Clarity」だと思っていますが、別に第二の「Come Clarity」を作って欲しいとは全然思いません。寧ろ潔く作品を重ね洗練されてきたオルタナティブメタル路線を突き進んで欲しいです。または第三の選択としては新機軸を導入して別の方向へいくか。

正直リピート欲は歴代の作品の中で1番低い…ですね。飛び抜けたキラーチューンと呼べる楽曲も無い。喜んでおられる方、すみません。

過去の作風に絶対に戻るなと言うつもりはありませんが、やるのなら当時の作品をねじ伏せる程のクオリティが欲しいです。決して超えていないと、個人的には思います。


【その他】
メロデス色強めな方向ではHoward Benson氏をプロデューサーに起用する意味があまりない気がしましたが、まあ成分表的に半々くらいなので歌メロやオルタナティブな骨格作りには手を貸してくれていると思われます。

またミキシングはJoe Rickard氏が担当。Joe氏といえば前々作「Battles」で正式メンバー、前作「I, the Mask」で1曲を除いてドラミングを担当しました。

私はそもそもJoe氏が何故脱退したのか分かっていません。ネットで前作レコーディング時にBjörn氏が「Joeの調子は良くなかったけど」的な言葉を口にしていたので、もしかしたら何かしらの病気なのかもしれません。以降、基本ミキシングの仕事を主としています。

こうやって彼らと一緒に仕事ししているので、特に悪い感情は持っていないと思われます。


【チャート】
チャートアクション的にはドイツとスウェーデンで1位になっています。メタル先進国のフィンランド、そして彼等にとって最も肝心な(?)USビルボードチャートはまだ出ていません。

11th「Siren Charms」 26位
12th「Battles」 60位
13th「I, the mask」 121位

徐々に右肩下がり。もしや今回200位内に入らなかった…?

追記 in 2023/02/23

ビルボードチャート110位でした。前作よりは多少前進しましたが、全盛期の26位とはなんだったのか…。

キャプチャ

あとなぜSoundtrack to escapeがこの順番になっているのかは謎。

TOP10の道のりは遠いぜ!

映画の主題歌でも目指しましょう!



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