どうも、貧困メタラー枯林です。

10月14日Skid Rowの「The Gang's All Here」がリリースされました。

今年の9月10月はなぜか大御所のリリースが多く、全部カバーした日には破産まっしぐらなのが貧困者にはキツいところ。

なので本作はLine Musicで聴いてもし良かったら買おうと考えていました。結果的に購入には到りませんでした(汗)

祝(or涙)、初ノー円盤感想作成!アイデンティティの崩壊まっしぐら。テクノロジーの前に長年凝り固まっていた拘りが氷塊していくようだ...。

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6th(同時並行で聴いていたDragonlandと同じ)。

EPは何年か前にリリースされましたが、フルアルバムは実に16年ぶりです。メンバーチェンジがあったとはいえ、リリーススパンはメタルアイコンのMetallica以上に間隔が空いています(最早比べるのも失礼かもしれませんが)。

それもこれも1stと2ndの爆発的売り上げでメンバーに金銭的な余裕がある故なのかもしれません…。その頃のお金が残っているほどロックミュージシャンとして倹約家なのかは謎ですが。そもそも私はなぜ私より圧倒的にお金持ちの大御所にお金を落としているのか...。

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本作の最大のトピックは、ニューシンガーErik Grönwall(以下エリク氏)でしょう!

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Skid Rowの代表曲「18 and Life」をカバーしています。見事に歌いこなしています!初代ボーカルSebastian Bach(以下バズ)と似たスタイルであり、かつ余裕と安定感を感じます。性能観点ではバズの上位互換といっても過言ではありません。

これならボーカルが弱いなんて言われることも100%無いでしょうね。


さて、本作は元々4代目ボーカルZP Theart(以下ZP氏)と作っていた作品をエリク氏でリレコーディングしたものだと思われます。

インタビュー記事

2013年から始まった3部作の完結編。「United World Rebellion」シリーズのChapter Threeに辺ります。

1部「United World Rebellion: Chapter One」と2部「Rise of the Damnation Army」は2代目ボーカルJohnny Solinger(以下ジョニー氏)が歌っていて、最後の3部は元々ZP氏とレコーディングしていました。ゲストにCorey Taylorも参加しているなんてメチャ気になる内容でしたが、結局それから4年経ってもリリースされませんでした。


そしてエリク氏ボーカル交代から即「The Gang's All Here」のリリース決定!

2022年3月26日にエリク氏を迎えて初ライブを行っているそうです。その前のライブは2月26日。つまり結構ギリギリまでZP氏も一緒に活動していた模様。

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私はこのバンドに正直ZP氏は…と思っていました。バンド側も何年か経ってそう思い始めたのか、Skid Rowに相応しいシンガーが加入した途端に新譜発売ですからね。

ZP氏…ちょっと…いやかなり不憫。


〇メンバー
Erik Grönwall (Vo)
Dave "The Snake" Sabo (Gu)
Scotti Hill (Gu)
Rachel Bolan (Ba)
Rob Hammersmith (Dr)


【ただのKANSOU文】
01. Hell Or High Water
思った以上にノイジーで太いギター。コーラスがキャッチーで耳に残ります。そしてエリク氏のボーカル、バズの影響を隠さず更に洗練されております。高音のパワーとか野生味が凄い!エリク氏の前じゃそりゃZP氏もお暇を言い渡されてしまうわけだ。


02. The Gang's All Here

タイトルトラックですな。リードベースとエリク氏の高音からメタリック過ぎない1stな空気のリズムにキャッチーなコーラスが乗ります。ソロがもうちょいメロディが欲しかった。


03. Not Dead Yet
リフがいいですね。アップテンポで如何にも彼等らしい楽曲だと思います。


04. Time Bomb

重心低いリフのミドル。「Tick, Tick, Tick, Tick, Tick!」が何より印象的。MetallicaのFranticのが先ですがね!


05. Resurrected
これも重くてリフがいい。が、ちょいと前の4曲より弱いかも。ソロもイマイチ肝になるフレーズが無い。


06. Nowhere Fast
アップテンポチューン。リフの出来はなかなかいいですが、それ以外始まり方と終わり方以外微妙。


07. When The Lights Come On
冒頭からベースソロみたいなパートがあるのが決して脇役にはなろうとしない意地を感じれて素敵。ギターソロが相変わらずパッとしない。


08. Tear It Down

We will rock youみたいなリズムを使ったミドル。サビのコーラスが結構印象的かも。あとソロのハモリがちょっとよかった。


09. October's Song
ここに来てエモーショナルなクリーントーン。Bolan氏のベースも存在感あります。派手な演奏はサビメロだけであとは静寂なバラード。これは良い曲!まだバラードは枯れていません!

中盤のソロで一瞬アラビアーンな感じに。さらにセカンドソロでは歌心あるツインギターがそれぞれ独立しつつ要所でハモるのがたまらん。


10. World On Fire
まさに正統派メタルなリフからアップテンポに始まりますがヴァースはスピードを下げる工夫もされています。概ね良い出来ですが、ソロがピロピロで微妙。

【まとめ】
結論としては、想像していたより良かったです!とりあえず中古で見つけたら値段次第では買うつもりです。ライナーノーツ読みたいので。

エリク氏は文句無しのパフォーマンスを披露しています。前任のジョニー氏も悪くはありませんでしたが、
エリク氏の熱唱は間違いなくこの作品をワンランク上に押し上げるだけの働きをしています。

エリク氏の加入は「バズの幻影を追った故の人選」としては大成功。



とまあ、良い点はここまで。


ここからはちょっと...な点。

Skid Rowには失礼ですが、エリク氏は今のこのバンドには勿体無い気がしますね。

ストリートな悪ガキ系アメリカンロックンロールな全盛期風ではありますが、1st、2ndの名曲を押し退けてまでライブで演奏してほしい曲は少なくとも私にはありませんでした。テンションだけでメロディが面白くないとかもあります。キャッチーだけど良質な感じがしない的な。2022年のティーンエイジャーにウケるとも思えません。

Skid Rowは個人的にも世間的にも多分"過去のバンド"で、「もう一度全米を制覇してやるぜ!」的な気概もないでしょうしストレスのないメンバーと仲良くバンド活動出来ればいいやといった方向性なのかもしれません。

それはそれで素敵なやり方なので無問題。

今後はライブにおいてどれだけ過去の名曲を演奏出来るかが重要になってきそうですね。珠玉のバラード「Waisted Time」を強く希望!

あと、これ機に「United World Rebellion: Chapter One」「Rise of the Damnation Army」の日本盤か、1つにまとめられた形としてリリースして欲しいです。(中古で)必ず買います!


【昔のメンバーについて】
この16年間色々あったので、勝手にまとめてみました。1stリリース以降の元メンバーのみ。

〇Sebastian Bach(1987 ~ 1996)
初代シンガー

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未だにバズを復帰させてくれと願うファンがいるのが凄いですよね。

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バズといえばやはり後先考えてなさそうな毒舌で元メンバーを批判していましたが、流石に大人になって態度の軟化が訪れました。

2012年に

インタビュー記事

リユニオンを自分はそこまで望んでいないがやってやってもいいと。ジョニー氏がまだ在籍している状態で「メンバーの5人中4人が賛成している」なんて言っちゃう無神経さも凄い。

その後、全然話がまとまらないリユニオンに対して苛立ち始めます。Skid Row側(主にSabo氏やBolan氏)は「再結成しようとしていた自分達は血迷っていた」的な心情に落ち着き、バズに対してノーの姿勢を露わにしていきます。

2015年には
インタビュー記事

当時自分勝手に出て行ったのはあくまでバズであり、許す許さないはバンド側が決めることです。それなのにこの言いよう…。加害者ってのは被害者の気持ちを軽視するというか…、理解できないものなんですね。

2021年には
インタビュー記事

こんなこと自分で言っちゃう辺り、昔とあまり性格が変わっていなそうな気がしてなりませんよ…。当時の細かい事情はメンバーしか知り得ませんが、それ程までに27年前の出来事やバズを迎えてからの日々に対する嫌悪感が拭い切れないのでしょうね。並大抵のことではありません。

歌声の似た新ボーカルを迎えたことから、リユニオンなんて恐らく起こり得ないかと。というかバズに絶対関わりたくないと思われます。

したらしたで結構また大きな会場でライブできたりお金が沢山入ったりするはず。名誉やお金よりバズの拒絶が最優先なんですね。

その生き方はとても応援したい気分です。名誉やお金より大事なモノがある。耐え難い苦痛を伴うリユニオンをファンや甘い汁を啜りたい業界関係者のためにする必要はこれっぽっちもありません。

個人的にも別にする必要は感じませんし。もちろん圧倒的に良い楽曲が出来るのなら別ですけど、今更破綻した人間関係の間でマジックが生まれるかは謎。

正直バズが復帰したところで音楽創作にはあまりプラスにならない気がしてなりません。バズの作曲力は...ソロを2作聴きましたが、目を閉じて思い出せるのはAxl Roseの参加したAerosmithのカバー「Back in the Saddle」だけ。過去の名曲も...今のバズに歌えるのか?

よしんば金欠等の理由でリユニオンしたとしてもライブオンリーで、そもそも新曲自体が生まれるかも謎。


〇Johnny Solinger(1999 ~ 2015)
2代目シンガー

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ソロを行うため(?)に脱退したジョニー氏ですが、去年2021年6月に肝不全で亡くなっていたですってぇ!?

ジョニー氏死去

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確かに上の写真を見る限りではヘルシーな雰囲気は皆無で、長年の不摂生が如実に体外へと漏れ出ています。

どうしてもバズと比べられてしまう立場はキツかったはず。ただ聴き劣りするかもしれませんが、この人の声弱いな〜と感じたことは私はありません。

バズがあんまりにもSkid Rowの顔になり過ぎたためイマイチ日本(世界でも?)ではバンドの顔になれなかった感があります。

大抵のバンドはそのバッシングから全盛期のシンガーを復帰させたりするんですが、Skid Rowは一味違い人気や注目度を捨ててもバズとは無関係を貫き通そうとしています。頑固ですね。でも上で書いた通りその姿勢は支持したいと思います。

R.I.P


〇Tony Harnell(2015 ~ 2015)
3代目シンガー

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Tony Harnell氏の加入にはマジビビりました。

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正直「アンタらハイトーンボーカリストなら誰でもいいのかよ!?」くらいのことを感じましたよ。

案の定、即脱退。

残したのは「18 and Life」の新録音源だけ(それでもZP氏よりはマシだったわけですが)。

脱退理由は明らかになっていませんが、喘息性気管支炎が原因とも言われています。よーわかりません。ライナーノーツ読みた〜い。Tony Harnell氏のことはそんなに詳しく書かれてなさそうな気がしますけど。


〇ZP Theart(2016 ~ 2022)
4代目シンガー

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そもそも、なぜ彼?

ZP氏が2017年に加入した時は、Skid RowファンとDragon Forceファンが首を傾けたことでしょう。

意外過ぎる人選で「アンタらバズ以外のシンガーなら誰でもいいのかよ!?」なんてZP氏に失礼なことを思ってしまったり。

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ZP氏は元々Bon JoviやSkid Rowのような大衆性あるA級ロックを好んでいたようなので、憧れのバンドに受け入れてもらえるチャンスがあれば喰らい付くのは人間として普通ですね。

けどまあ、Skid Rowにはマッチしないでしょ。北欧向けのメロディアスメタルからカラッとしたLAメタルなんてアニメの声優しかやってこなかった人が実写のギャング映画に挑むような畑違いさ。

もちろん適性があるか否かよりも、やりたいことに挑戦する姿勢は素晴らしいですよ。その結果フルアルバム所か、自身の歌声を1曲もSkid Row史に残せず脱退することになるとは…。5年以上頑張ってきたのに、惨い扱いです。

時代が時代ならB誌!の最低の企画「器じゃなかった男」Blaze Bayley、Tim Owens、Gary Sharon、John Corbiの四天王に混ぜて語られてしまったことでしょう…。

お疲れ様です。頑張って下さい。


〇Rob Affuso(1987 ~ 1996)
初代ドラマー

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唯一バズのリユニオンに対して前向きな発言をし、実際にバズと同じステージに立った元メンバー。

ロブ氏参加

彼からしたら、バズとやることはメリットしかないです。注目度も上がります。そもそも今現在何をやっているのか...。定職についているのでしょうか?


【つまり】
勝手なこと色々言いましたが、Skid Rowはこれでいいってことですね。マイペースでやっていけばいいですよ。


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