どうも、貧困メタラー枯林です。


なんとDragonlandが11年ぶりの新作が10月12日にリリースされました!

パワーメタルバンドとしては超ロングスパン。日本には彼等の情報はほとんど入って来なかった(私が知ろうとしなかった)ので、もうとっくに自然消滅したとばかり...失礼しました。

元リーダー格のNicklas Magnusson氏が脱退し、4hから頭角を現したOlof氏が始めたもう1つのバンドAmarantheの人気に火が付き、 Olof氏がDragonlandの優先順位を落としていたこともあり11年ぶりという不本意(?)な時間が掛かりました。

今思えば2018年の突然の来日もあったり、音源を出さないだけで歩みを止めたわけではなかったと推察できます。

大変失礼しました。

ご存知、X JapanのRusty Nailのカバーで(日本のメタラーの中では)有名。


※公式音源ではありません。

メンバーは現在以下
・Jonas Heidgert – vocals
・Olof Mörck – guitar
・Jesse Lindskog – guitar
・Anders Hammer – bass
・Elias Holmlid – keyboard
・Johan Nunez – drums

ゲスト
・Elize Ryd - additional vocals
・Patrik Johansson - harsh vocals
・他

ドラマーが変わっていますが、前作5thがバンド作ではなくグループ作的な急増で追加されたドラマーと考えれば特に驚きはありません。

そして前作のライナーノーツで一切触れられていないJesse氏のギター転向は今作でも触れられていません。前任のNicklas Magnusson氏が辞めて転向したらしいですが、恐らく1st、2ndで叩いていたJonas氏の爆発的な疾走感のあるドラムには勝てないと楽器をスイッチしたのではとネガティブな見方をしています。

またゲストのグロウラーは4thで参加したJimmy Strimmell氏がよかったですね。Dead by aprilを解雇されてから何しているか分からないし。

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6th。ライナーノーツにあるように前作までファンタジーだったのが本作からスターウォーズ的?なSFジャケットに替わっています。

しかもロゴが最後の"d"が反転して「dragonlanb」ってドラゴン乱舞ですか?格ゲー世代の心をくすぐろうと試みたんですね?悪くないです。

...いえ、多分最後は"b"ではなく"D"なだけですね。


【ただの乾燥文】
01. The Awakening
コンセプトのためか宇宙戦記みたいなインスト。


02. A Light in the Dark
あれ?11年ぶりなので2曲目は走るとばかり...。実質1曲目。ちょいと肩透かしなミドルチューンスタート。ただなかなかカッコいいのでこれでいいか。

リードキーボードの量がすごい。


03. Flight from Destruction

初期のファンも溜飲を下げそうなスピードチューン。中盤以降長めのスロー〜ミドルがあって落ち着いちゃいます。なんでこうしちゃったんだろ。まあ5thの2曲目も同じなんですが。


04. Through Galaxies Endless
始まりでギターリフが目立つ。囁くパートや覚えやすいサビメロが好印象。なかなかいい感じのスローチューンです。

2分からの短いギターパートが非常に印象的。


05. The Scattering of Darkness
冒頭のElize氏のコーラスが疾走感あるドラムに乗る魅力的な展開からいきなりスローへ。そこからツーバスを踏んだミドルに。歌メロがいい。ギターソロの後のElize氏のボイスソロ(?)がゴシック的で好き。


06. A Threat from Beyond the Shadows
走ったと思ったら超減速で高揚感にブレーキ。サビでツーバスとか、構成がラプソっぽい。必要性が無いゲストボーカルにおじいさんの語りとグロウルでバンド感が皆無。疾走パートが冒頭と間奏だけなら紛らわしいからオミットして。

あ、ただグロウル&オルガンパートはナイス。


07. Aphelion
唯一のインタールード。クリスチャンベイル版バットマンみたいなイントロから女性の声。何でこんなの挟んだんでしょ。

てかこの声もElize氏?


08. Celestial Squadron
ちょいとバイキング的なリードギターイントロからのミドルチューン。ライブで映えそうな感はありますがスタジオ版はそこまで。

あとコロナ禍では合唱は出来ないですね。海外ではオーディエンスは普通に合唱しちゃっていますけど。


09. Resurrecting an Ancient Technology
ハードロック的にして本作のキラーチューンというか、先行シングルになりそうなキャッチーで覚えやすくブライトな楽曲。個人的に1番初めに耳に付いたし、1週間以上聴いた今でも結論は同じ。

今の彼等はアップテンポよりミドルテンポの方が魅力的な楽曲を作れる気がしてきますね。

上昇下降ピロピロからメロディに繋げるソロもいい。


10. The Power of the Nightstar

先行公開曲。典型的なスピードメタルでは無い。何故サビでスピードダウン...走ってよ。間奏も多展開でシンプルさは無く後半ずっとスロー〜ミドル。展開が複雑だとレベルが高いと感じる風潮は止めません?

残念。


11. Final Hour
「前曲は冗談でした!」と超走り出したかと思えばすぐスローにスピードチェンジ。この展開とてもフラストレーションが溜まります。速いのか遅いのかハッキリせい!メロディも含め起伏の激しいクラシックっぽくしたかった?


12. Journey's End
バラードかと思いきや、力強いドラムの音に考えを改め直した。サビメロの横でなっているアコギの装飾が違った彩りを与えて良いですな。中盤のファンタジー展開を挟みフィナーレへ。コンセプトアルバムっぽくアウトロの効果音が長い。

ツインボーカルばりに(多分)Elize氏が歌っております。


13. Oblivion
想像しなかった方向へいくサビが非常に効果的。こんな曲でもツーバス入れちゃいます。踏みたくてウズウズしちゃうんでしょうね。

4分ちょいで本編が終わり、ピアノのアウトで終曲。最後までElias氏で締めるんですね。「俺がリーダーだ!」的な気概を感じます。


14. The Sun Always Shines on T.V.
ボートラにしてA-haのカバー。全然本作から浮いた感じはしません。上手く自分達のものに出来ていると思います。原曲知りませんが。


【まとめ】
順当に前作5thと同様にバンド感が希薄。この点はコンセプトアルバムなので別のボーカルさんが挟まったりするので仕方ない。

ライナーノーツにあった初期の疾走感は申し訳程度に存在しますが、手法として存在しても構成としては異なります。スピードチューンは2曲のみで、その2つもシンプルに走らずプログレッシブ感出そうと速度の落差や長めのスロー〜ミドルパートが入っていてノリ辛い。

久しぶりの作品なので1st、2ndな方向性で来ると想定していただけに...。それじゃないと初期のファンの心をくすぐるのは無理ですし。

先行公開音源で判断してこのアルバムを買った方は肩を落としたことでしょう。私も昔ほど極端なメロスピマニアでは無いにせよ、2〜4年ぶりの作品でこれなら「まあそうだよね。こんな感じだよね」で済みますけど11年ぶりでこれは物足りません。

インテリジェンスな雰囲気を出したいのは分かりますし好きな方向性で作品を作れば良いです。けどこれで昔のファンを呼び戻すことは無理な気が...。

もちろん結果は自己責任なのでお好きなように。恐らくOlof氏以外の方はきちんと昼間の仕事していると思います。今更このアルバムに今後の生活を賭けているメンバーは1人も居ないでしょうしね。

私自身も「こんな頭を使ったか風な音は望んでねぇ!もっと子供騙しな単純明快なのをくれ!」なんてことを思いたくは無いのですが抑えきれない心の声をここに記しておきます。4th、5thにも一筋縄ではいかない楽曲が沢山ありましたが、本作で初めてそういう感情が沸き起こりました。それもこれも本作が復帰作の意味合いが強いからだと思います。

11年という超ロングスパンで出来た溝を埋める破壊力は個人的には感じれない。一発で魅了出来るキラーチューンも無し。#9が惜しいけど...。#5もかな。似た作風の5thには「The Black Mare」という悶絶昇天ソングがあった分リピート率は上がりました。

望んでいたものと違うのが来るのは別にいいですが、今回みたいなカムバック作では意図的に昔みたいな音楽やってよってのが本音。次もこの路線なら中古待ちです。


と、かなり辛口で言ってみた。


私が微妙だと感じただけで、他の方が素晴らしいと感じる可能性を十分に秘めた作品だと思います。


【ブックレット&ライナーノーツ】
作曲クレジットとインタビューからElias氏が主導で楽曲を作ったらしく、かつてメインコンポーザーだったOlof氏は1曲Elias氏と共作のみに止まっています。

これならライナーノーツにあったように5人でライブして、Olof氏抜きでもっと早く新作を出せば良かったんじゃないでしょうか?不在でも楽曲が作れるなら別に待たなくてもいいのに。ちなみに2018年も来日公演もOlof氏は来なかったそうです。

Olof Mörck氏の新作に対するインタビュー

インタビューで自分が中心人物的な発言をしていたNicklas Magnusson氏が私生活が忙しくなり脱退したように、次はAmarantheで忙しくなったOlof氏が抜けてしまう気がします。それでDragonlandが活発化してAmarantheに専念できるのなら失礼ながら全然アリです。

あとソロパートの分担が書いてあるのは嬉しい。Jesse氏ってリズム専門じゃないんですね。


【各パート】
○ボーカル
上手くなったのかもしれませんが、下地はやはりヘナチョコハイトーン系。今回ひっくり返すハイトーンが散見出来ます。2nd以来?

ただ3rd発売時にあった「この人はシンガーに専念するのではなくドラマーに専念すべきだった」的な意見を突っ撥ねる実力は十分にありますね。

○ギター
Olof氏曰く「シュレッドギターは俺だ」。

Jesse氏は海外のWikiではリズムギタークレジット。Olofのインタビューでは2人でパートは平等に分けたが、自分のがリード多めだとか。とりあえずピロピロが聴こえたらOlof氏だと思えばオッケーだと思われ。ソロはほとんどOlof氏な

○ベース
なぜかメンバークレジットの1番上。

○ドラム
新ドラマー。凄腕なのは分かりますが、スピードプレイが得意ならライブでは本作より初期の楽曲をプレイしてほしいですね。

○キーボード
本作ではメインコンポーザーを務めただけあり、リードを取る場面が激増しています。しかも意外な程シンフォニックな装飾より電子音成分を全面に押し出した音作りをしています。

コンセプト通りスペイシーな音も多数。

もちろんElias氏のセンスフルな装飾は健在。Olof氏が抜けても大丈夫そうですね。


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