どうも、貧困メタラー枯林です。

12年ぶりの新作、5thですね…。

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リアルタイムで追いかけた身として相当思い入れがあるため、ちょっと彼等の歴史を1人勝手に振り返ろうとしたものの似たような文章を作ったことを思い出したのでリンクだけ張っておきます。

この記事を読む人は知っていることばかりでしょうが、まあ気が向いたら読んでみてください。アルバムの感想と一緒に軽く当時の状況を振り返っております。

2002年 1st RITUALリリース期
2005年 2nd REASONリリース期
2007年 3rd IMMORTALリリース期
2010年 4th ORIGINリリース期


続いて2013年、再度ドラマーのRicardo Confessori氏以外の3人が脱退する事態に...。

理由はよく分かりませんが、Ricardo氏以外のメンバーが別のバンドを始めたり、元ベーシストのFernando Quesada氏は「メンバーの誰もShamanには戻らない」みたいなことを口にしていたり、どう考えてもポジティブ要素皆無な流れは無さそうでした。

更に2014年にはあれだけインタビューで「俺がAngraを辞めたのは間違いだった!」と明るく語っていたのに古巣Angraを再脱退。ライナーノーツには彼の心情までは載っていないので、当時どういう感情を抱いていたのかは定かではありません。



そして2018年!

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個人的待望のリユニオンにより、初期メンバー全員が揃ってライブ活動が再開されました。

Andre Matos氏がまたこのバンドに戻ってくれたと聴いて私ゃー歓喜しましたよ。なんなら来日公演も真剣に期待しました。Angraの前座でいいから来て欲しかったです。ライナーノーツ曰く新曲のレコーディングもする予定もあったそうです…。


その次の年に亡くなってしまうというね…。

歌声だけでなく、その作り出す楽曲も含めてMy Favoriteシンガーの1人だっただけに…喪失感ハンパではありませんでした。

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バンドは新ボーカルを迎えてカムバックを決意しました、

Alirio Netto氏 (Vocal,Piano)
Hugo Mariutti氏 (Guitar)
Luis Mariutti氏 (Bass)
Ricardo Confessori氏 (Drum)

ゲスト
Fábio Ribeiro(Key)

プロデューサーはSascha Paeth。この方最早プレイヤーではなくプロデューサーですね。たまにはHeaven's Gate的なバンドもやってほしいです。てか数年に一度でいいから活動して…。

新ボーカルのAlirio Netto氏はQueenのトリビュートバンドEXTRAVAGANZAでも活躍していたらしいです。私は彼を知りませんが、Queenを歌おうと思うなら相当な実力者でなければ恥ずかしい結果になって終わりです。

オリメンのHugo Mariutti氏とLuis Mariutti氏はよく残ってくれました!彼等がいるとやはり初期の結束感が醸し出てきます。実質リーダー的存在のRicardo氏も写真を見る限りは元気そう。

専任のキーボーディストはFábio Ribeiro氏。バンドショット見るとなんと5人で並んでおりました。正式メンバーになったか…と思わせておいてクレジットはゲストキーボーディスト扱い…。よく分かりません。

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比較するのは失礼かもしれませんが、Kiko Loureiro氏がMegadethに引き抜かれてほぼRafael Bittencort氏が私物化してしまった現在のAngraより余程興味が沸く編成ですね。

関係ないですがHugo氏が1stアルバムとは風貌が変わり過ぎていて笑いました。

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20年前ですもんね。昔はイケメンでしたが、時の流れは残酷なのは世界共通認識でして。てか1stのリリースが20年前なのがビックリです。今でも買った日のこと覚えてますからね…。あの頃は…今より若かった…。当たり前だけど。


【感想】
01.Tribute(Intro)
風音の中でいきなり尺八的な音色の吹奏楽器から音数少な目のピアノで始まり、映画音楽的なダイナミックな感じに移行。途中でいい感じのアコギを挟んだ後、また壮大なパートに戻ります。

Shaman新章の幕開けを告げるオープニングです。1stのAncient Windsを意識しているのよく分かります。


02.Time Is Running Out
ヴァースの節々でラテンフレバーを感じこのバンドらしい。バックのヴァイオリンもマッチしています。Alirio氏声質のせいかサビメロで声が辛そうに聴こえる…。ただ1回目と2回目のサビは微妙にアレンジしているのは拘りがあって素晴らしい。

元々ANDRE MATOS BANDの楽曲らしく実質1曲目に使われるには威力は十分。Andre Matosの声でも聴きたかった…。


03.The "I" Inside
МVも撮影されたリードトラック。

Iを""で挟むのは何故でしょうか。Angra「Holyland」直系の民族色の濃いパーカッシブなオープニング。この頃のスピリットを継承しているのは本家AngraではなくやはりShaman。冒頭から疾走2連発は1stを意識しているんじゃないですかね。#2よりこっちの方が好きな方もいると思います。

中盤ピアノとボーカルだけになるシーンでWinds of Destinationを想起させます。ギターソロはあともう一歩…惜しい感じ!


04.Don't Let It Rain
パワーメタルバンドらしからぬリフが泣ける…。これもまさにThe Shamanなミドルチューン。ブリッジからサビメロ、そこから繋がるソロの流れが絶品ですわ!Alirio氏はミドルテンポで映える声をしていますね。ちょっとAndre Matosを意識して歌っていると思われ。

05.Where Are You Now?
ピアノとヴァイオリンの悲劇なメロディから悲しいリフ。バラード来たか…と思ったらハードロックな展開に移行。あまり音域を上げず中音域でいいメロを歌っていますよ。ギターソロもちょっといい。

最後はヴァイオリンソロ。2曲目でもソロが出てきましたが、それなら正式なヴァイオリニストを加入させて他のバンドと差別化を図るのもいい気がしてきましたね。


06.The Spirit
始り方はミドルっぽいのにいきなりアップテンポになってちょっと吃驚。歌い方が非常にAndre Matosっぽい。ってより、Wizardsのボーカルっぽいかも。


07.Gone Too Soon
情緒あるピアノからムード満点の歌い出し。アダルティックでメタル感全然無いのにバンドが入るとやぱりメタルバラード。正直バンド演奏の入らないしっとしとしたまま進行してくれた方が好みでした。

中盤にちょっとQueenを思い起こすツインギターパートが出てきます。


08.The Boundaries Of Heaven
キーボードがオーケストラな音色ではなくデジタルな音で使われています。リフが若干モダン系ですが、ギターソロではいつも通り。軽快だしサビメロで走り気味になり、中盤で唐突にメロウな展開になりギターソロで疾走するという多展開な変わり種。


09.Brand New Me
先行公開音源。

シャーマンのような方がブツブツ呟いてパーカッションが鳴っているのが面白いですが、それを全く無視するかのようなアコギが入ってきます。サビでは高めの音域を使っているのが印象的。ギターソロが痒い処に手が届いているのは見事。

最後また冒頭のシャーマン語りとパーカッションに戻って終曲。Shamanの新章幕開けなミドルチューン。


10.What If?
Holylandな世界観がいい!…のですが、どうにも印象に残らず終わってしまう。ギターソロが中々良かったのだけが私の記憶に唯一残る程度。


11.The Final Rescue
メロドラマのような始まり方。期待させられましたが、短いインタールードでした。


12.Resilience
チャーチオルガン的な音色を使ったのに荘厳さより寂しげな雰囲気と素朴さが協調されたクロージングバラード。リズム隊が一切出てこない曲が2曲続くのが意外ですわ。


13.You Don't Belong Here
ボートラ。なのに繋がりが非常にスムーズ。これもシンプルなアコースティックバラード。


【まとめ】
後半はミドルチューン、バラードに固める流れはメロスピ界の歴史的名盤「Temple of Shadow」に通ずる流れですが、このバンドならではの魅力を十分に封入した好盤です。ボートラを含めて聴いた方が個人的には好み。

注目のAlirio氏でしたが、歌い回しの語尾にほんの少しMatosを感じるくらいでした。別にそのものになって欲しいわけでは全然ありませんが、前任のChiago氏の方がこのバンドには合っていると思ったり…。まあ好みの問題ですけどね。


それよりなにより、そのChiago氏がリードボーカルを執った3rd「Immortal」と4th「Origins」がオフィシャルサイトに載っていないではありませんか!?

https://shamanband.com/

結構な力作だったのに、まさか無かったことにされているとは…。

てことは、オフィシャルでは本作が5thではなく3rdの扱いになるんですか?

Andre Matosリスペクト故のやり方なんですかね…。Wikipediaが改竄されていないだけ良しとしましょうか…。「Ego Pt.2」とかまたライブでやって欲しかったんですが。


あと今回のライナーノーツはきちんとバンドの流れがまとめられていていい感じでした。世の中のライナーノーツは全部これくらいきちんと仕事してほしい強く願います。


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