どうも、貧困メタラー枯林です。

ラプソの新作。

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"オブファイヤー"の方です。


超絶看板シンガーFabio Lione氏が脱退してから早2作目。

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新たに加入したシンガーGiacomo Voli氏。

前任者は地声をなるべく生かした太い発声とファンタジックな勇者声質が大きな特徴でして、ヘヴィメタルシーンでは引く手数多な紛れもないA級シンガーさん。

それとどうしても比較対象にされてしまう後任者のGiacomo Voli氏。無個性な声質かつ高音部は細くて弱々しいのが少々インパクト不足。リーダーのAlex Staropoli氏の考えはよく分かりません。

しかしGiacomo Voli氏を起用しての前作。従来の路線であればアンマッチな感じに仕上がるのでしょうが、楽曲の方向性をちょっと変えることにより乗り越えた感があります。シンフォニックメタルからややパワーメタル寄りにシフトチェンジ。


本作は果たしてどうなるのか…。かつての勇壮な路線に行くのか、

頑張っているGiacomo Voli氏には悪いですが、"オブファイヤ―じゃない"ラプソに在籍しているFabio Lione氏がリーダーLuca Turilli氏と仲違いを起こし、再びオブファイヤ―に合流してくれたらなんて妄想をする方も少なくはないと思っています。それかLuca Turilli氏も一緒に元祖"無印Rhapsody"を立ち上げてくれたらなぁ…。

無いか。


メンバー
Alex Staropoli (Key)
Roberto De Micheli (Gu)
Alessandro Sala (Ba)
Giacomo Voli (Vo)
Paolo Marchesich (Dr)

作曲クレジットはメインはいつも通りAlex Staropoli氏、Roberto De Micheli氏もwith扱いで連名。兄弟のManuel Staropoli氏は作曲に関わらずフルート演奏のみで参加。


前作で加入したドラマーは脱退し、もう新しい方に交代。Alex Holzwarth並の力量のドラマーも現在のメタルシーンでは珍しくなくなりました。Paolo Marchesichの実力もラプソに選ばれるほどなので近いレベルなのだと考えていますが、バンドに何があったのかライナーノーツに書いて欲しいです。ラプソの近況を逐次得ていない私のような人間はいつもアルバムのライナーノーツに賭けているんですが、残念ながらAlex Staropoliの楽曲紹介のみでした…。イラネー。

ぶっちゃけ一番知りたいのはドラマー云々より…てかぶっちゃけ"オブファイヤー"じゃなくて、"オブファイヤ―じゃない"ラプソは現在どうなっているか…なのですね。大変失礼な話ですけど。

Zero Gravity」が世間評価とは逆で個人的に名作だったのであの路線を続けて欲しいですが、ファンの声と売り上げを気にして音楽性を昔のように戻しちゃったりするかもしれません。私としてはあの路線でやって欲しい。

はい、気になるのはTurilli/Lioneの方です。ごめんない。

最近買う作品のライナーノーツ、どれもこれも手抜きばかりですね。知りたかったら自分で情報収集しろってことですかね。



【感想】
01.Son Of Vengeance
始まりから荘厳なシンセ。そこから演奏に入ります。1曲目がイントロのみじゃなかったことってこれまでありましたっけ?結構な衝撃を受けました。

サビメロがクワイアも手伝ってなかなかグッド。Roberto氏も惜しげもなくピロピロを披露していますが、リードはほぼStaropoli氏。


02.The Kingdom Of Ice
連打系リフがちょっとLuca Turriliを思い出させますね。わざとやってんのか。3段階BPMが変わり、アップテンポで爽やかなサビでは走る構成です。

ネオクラソロもRoberto氏が作ったメロディなんて一つもないのではと思わせる既聴感満載。Roberto氏…Luca Turrili氏同様ギターセンスは微妙な感じか…。


03.Glory For Salvation
Staropoli氏のシンセがリードを弾いています。Roberto氏には任せておけないと思っているのかも。サビと一緒に出てくる厚めのクワイアがカッコいい。Giacomo氏の歌うメロディラインは最早補助の対位旋律。

ソロはほぼピロピロですがちょっと和を感じます。流石日本語バージョンをなぜか入れてくる方々。


04.Eternal Snow
Staropoli氏の兄弟にあたるManuel Staropoli氏の笛プレイが堪能できます。こういう民族色はやはりこのバンドには欠かせません。語りが入りますが、個人的には邪魔。


05.Terial The Hawk
4曲目に引き続きManuel Staropoli氏の笛が炸裂。すんばらしいイントロからお得意のケルトチックなメタルへ。個人的にはもうちょっとギターの音圧とドラムの音を変えてメタル度を下げてほしいです。


06.Maid Of The Secret Sand
これもAlex氏がリード。Roberto氏はピロピロ。これが新生ラプソのやり方なんです。歌メロが良いですな。Roberto氏のピロピロは凄いんですけど…。ピロピロしていないところは悪くないです。

最後にツーバスでヤケクソみたいに走ってるところが忙しなくて好き。


07.Abyss Of Pain II
大作。荘厳な男女コーラスからノイジーなリフ。Giacomo氏のなんちゃってグロウルが聴けます。この人がやると喉痛めそうに聴こえてしまいます。

ソロではこのアルバムで唯一Staropli氏のソロが聴け、Roberto氏と掛け合いを披露。ラストではManuel Staropli氏が再度登場。


08.Infinitae Gloriae
リーダートラック的存在。リフ関連がちょっと未来的。Roberto氏のピロピロが珍しく生きた感じがする理由は分かりません。

Staropli氏もお気に入りなのか、車のドライブ中に聴く際には気を付ける旨を楽曲解説で指摘されております。


09.Infinitae Gloriae
バラード。う~む、まあまあですな。よくある感じ。Roberto氏も途中まで楽曲に合った感じなのに結局我慢できずに上昇ピロピロしちゃいます。


10.I'll Be Your Hero
Giacomo氏のファルセットが冒頭で炸裂。これも爽やか系楽曲の一つです。Roberto氏のソロ入りで思わず身を乗り出しますが、それ以降は同じ。


11.Chains Of Destiny
おお!ここまで露骨に焼き直しを持ってくるとは!最後にもう一花火上げようという意気込みを感じます。

ソロは後半のゆっくり弾くパートのフレーズは非常に良いです。Roberto氏の弾くフレーズで初めて一発で覚えることができた箇所でした。


12.Un'Ode Per L'Eroe
#9のイタリア語バージョン。


13.La Esencia De Un Rey
#9のスペイン語バージョン。


14.Sadame no Kusari
#11の日本語バージョン。有難いんだけど、要らないのが本音…。英語の楽曲を日本語にするとギャグにしか思えないです。アルバムのアウトトラックを入れてくれたら嬉しかったですね。


【まとめ】
前作より地味ですね。ラプソらしさはきちんと存在するもののガツンとくる楽曲はありません。平均点的内容。作り込まれた以前のラプソと比べると随分とシンプルになりました。まあこの点は前作に引き続きですね。

Giacomo氏とクワイアの相性があまりよくない気がしますね…。雄々しさに欠けた歌声は勇壮と形容するには遠いし、細くて埋もれてしまいます。やはりFabio Lioneが歌っていたら…そんな感情が聴いていて心の中を支配します。

どこかのブログに「パチモンみたいな本家」のワードがあり、かなり的確に表現されていると唸らされます(ただし本家みたいなパチモン側も、音楽性自体は過去とは違う)。

ただGiacomo氏が一生懸命なのはよく伝わってきますけどね!そういう姿勢が大事なのかもしれません。


この記事を作っている時、ネットでツイッターやらインスタやらチョロっと拝見してみましたが、Staropoli氏はGiacomo氏を大体の場において絶賛しています。Fabio Lioneスタイルのシンガーを探したりする気は恐らくないので、Giacomo氏が自主的に脱退しない以上は次以降も彼がリードシンガーになると思われます。

Rhapsody、Rhapsody of fire、Luca Turilli's Rhapsody、Turilli/Lione Rhapsodyのややこしい歴史をまとめているサイトさんいらっしゃらないですかね。


私がやるか…。

いや、面倒だから止めよう。


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