どうも貧困メタラー枯林です。

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LUNA SEA新作出たー!
※本当はもっと早く上げるはずでした。

前作から2年ぶりです。前々作から前作までに4年空いたと考えるとかなり短めなスパンでリリースされた気がして不思議です。

前作LUVは良し悪しは置いておき、過去最高にLuna Seaらしさの薄い作品でした。簡単にいうと、これまで拘ってきたヴィジュアルロックとしての境界線を敢えてソフトな方向に越えた感じ。SUGIZO氏だったか「拘りを捨てた」との文言がインタビューに載っていましたが言い得て妙な表現で、これまでの既成概念を外した緊張感の無いゆったりとした作風でした。ネガティヴに言い換えればこれまでの持ち味を封印したようならしさの希薄な作品。

私は方向性が変わることは全く構わない人間で、別に昔の作品のようなものを出してくれて言うつもりは毛頭ありません。昔の音を聴きたいなら昔の作品を聴けばいいだけで、よく言われる「ファンが何を望んでいるのかわかっていない」な批判発言も、個人的にはちょっと違うかな、と。よーするに「貴方がたの好きなようにやって下さい。」と考えています。もちろん、変化によって作られたものが低品質であれば当然批判します。

結論としては、前作は残念ながら私の中で全体的に弱めでした。もうちょい何とかならんもんか的な曲が多かったと思います。「ソロ活動のボツ曲を流用」とか「モチベーションがソロに傾いていておざなりになっている」なんていうキツイことを載せていたりする他のサイトやブログ様もいました。


そんなLUNA SEAに、朗報が舞い込みました。なんと初の外部プロデューサー導入!これまでセルフプロデュースで活動してきた彼等ですが、かなりの思い切りです。果たして吉と出るか凶と出るか。

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Steve Lillywhite氏なるU2、ローリングストーンズといった超大御所をプロデュースした経験を持つ方だそうです。この話を知った時は楽しみで仕方なくなりましたねぇ〜。果たしてどんな新・LUNA SEAサウンドになるのか。

待ちに待った発売12/18日(水)。

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初登場14123枚でオリコン3位!それよりなにより、1位のエビ中にダブルスコア...。萌々サントラにも敗北。

萌々は判断のしようがないのでエビ中対象に語らせていただくと、ぁぃぁぃの抜けたエビ中に負けてしまうLUNA SEAを目の当たりにし、心悲しくなるばかりです。

12/19(木)

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今の世の中CDは完全にコレクターアイテムに成り下がってしまったとは言え、もう少しお布施をするファンが居てもいいと思うんですけど...。というか前作、前々作もそうですが、そもそもプロモーションしていましたか?私の知り合いにはLUNA SEAが新譜を出したことすら知らない人が沢山いました。

ちなみにエビ中は10位まで急落しております。長年のファンが初日に買ったから2日目は伸びなかったか...。エビ中好きとしてそれはそれで悲しい気持ちになる矛盾心理が働く我ながらめんどくさい奴です。


と、関係ない話はこのくらいにして肝心の内容。私が1番欲しい形態はライブ会場限定発売バージョン。付いてくるライブ音源が凄いセットリスト(マニアックな人じゃないとヘタしたら1曲も知らない)なので欲しくてたまらんのですが、物騒な世の中にはなっていく昨今に家を空けることは大きなリスクを伴うため、泣く泣く自宅警備を選択しました。死ぬまでには一度くらいLUNA SEAのライブに行ってみたいもんですね。


《あてにならない感想》
【DISK 1】

01. LUCA
如何にも再結成後のLUNA SEAの1曲目。ブライトな曲調にストリングスが入り、「チャチャ、チャチャチャッチャ」という効果音が曲に合っています。何の音でしょうか?他にもSlipknotみたくパーカッションが入っているのが意外で、こだわりのありそうな真也は納得したのか気になります。「ナーナナナ、ナーナナーナー」言っちゃいます!ポップス寄り。原曲INORAN


02. PHILIA
お、2曲目でアップテンポじゃない流れは初ですね。キラキラ感半端ないのにサビメロは哀愁です。ソロの前にRYUICHIのシャウト気味な発声が聴けます。3:30過ぎからピアノとヴァイオリンが入り雰囲気が一変し、最後の1分で最初の曲調に戻ります。LUNA SEAでは初?これもまた外部効果音が多い。原曲SUGIZO


03. Closer
全編で篭ったような機械処理の声を変えています。ノイジーなギターと走りめなテンポですが、やはりこれまでのLUNA SEAとは違った印象。ヴィジュアルロックではなくハードロックな感触。原曲J


04. THE BEYOND
4曲目でバラード。バラードのタイミングが早い。冒頭のギターはSUGIZOそのものですが、⑧と少々雰囲気が似ている感が否めず印象が薄い。始まりのギターでなぜかBlack SabbathのTYRを思い出した。原曲SUGIZO


05. You’re knocking at my door
雰囲気作りにシンセを大胆に使っている実験作。不協和音気味なソロは合っていてグッド。RYUICHIではない人がバックで歌っています。INORAN?ソロで歌っているせいか、彼はこのところよく歌う印象があります。原曲INORAN


06. 宇宙の詩 〜Higher and Higher〜
イントロから終わりまで丸っとLUNA SEAしています。これはSTYLEやMOTHER期のような感じ。無理矢理当てはめるなら、In SilenceとAuroraを混ぜたような曲。原曲SUGIZO


07. anagram
RAYっぽいリフですが、旧来のLUNA SEAらしさがきちんと出ています。一聴しただけだとどこがサビなのかわかりづらいく大きな山場もありませんが、逆にそれがらしく聴こえるのは彼等の確立されたサウンドのなせる技ではないでしょうか。原曲RYUICHI


08. 悲壮美
いいですねぇ〜。テレビで演奏し始めたら音量を0にし続けた甲斐がありました。オーケストラで彩られた荘厳さに少しの悲壮感を配合したビックバラードに仕上がっています。原曲SUGIZO


09. Pulse
ベースのイントロから始まる微妙にアップテンポなポップロック。軽快で聴きやすい雰囲気なのに、そこに河村RYUICHIの濃厚ボーカルが乗っかる。聴き疲れしなそうな緩さがとても良い。原曲J


10. 静寂
最終曲ではありませんが、この曲がクロージングっぽい。作品が終わりに向かって作品が収束していく感覚です。一聴ではあまり記憶に残らないメロディ。ボソボソ言っているのは恐らくSUGIZOさんでしょうか。原曲SUGIZO


11. so tender…
ヘビィさが排除されたアッサリ系。⑩で締めたのに、その後でこれを持ってくる変化球が一味違う。枯れた哀愁が素晴らしい。ライブでBreatheと一緒にアコースティックタイムで演奏出来そうです。原曲INORAN


【DISK 2】
BEYOND THE TIME〜メビウスの宇宙を越えて〜
何故これだけ1曲...。てかメチャメチャいい曲じゃないですか!最後に変な裏声になるところ以外最高です。ボートラ?BEYONDがメインに冠される曲名が1つのアルバムに2曲も?

知らなかったんですが、これガンダムの曲らしいです。作曲は世紀の迷曲、EYE OF VINUSの作曲者でもある小室哲哉ことコムロック。TM networkてこんなカッケー曲あるんですね。こんなのがゴロゴロしているのなら、チェックしないわけにはいかなくなりますな。


【DISK 3】
観てません...。


《あてにしちゃいけないマトメ》
前作よりさらにソフトになり、ロックからポップス領域に昇華された印象を受けました。もはやかつての面影はありませんが、それは再結成後から言えることなので、単により顕著になったと言った方が適切でしょう。

賛否両論かもしれませんが、個人的にはこの吹っ切れた感じが好印象です。若干どっち付かずで集中力に欠けていたような前作よりも遥かに良いと思っています。

2曲目をミドルチューンにしたのも大きなサプライズ。これってSteve Vaiの7曲目は必ずバラードだとかMetallicaの4曲目はキラーチューン(出来はともかく意図は感じる)といったレベルの拘りだと思っていたんですが、予定調和崩してきましたねぇ。

1発で魅力されてれるような破壊力を有する曲は無いし、旧来のファンが納得できる内容では無いと思われますが、過去に執着のない若いファンの方々は気に入る可能性は高いと思います。ロックとして聴くと少々物足りませんが、LUNA SEA流ハードポップと捉えると侮れません。Tourbillonとの類似性もバリバリありますしRYUICHIではなく河村隆一なのも変わっていませんが、河村隆一 with LUNAbillonでもいいじゃないですか。今作でもう腹を決めました。私は旧来のファンですが、かなり楽しめました。過去最高傑作は言い過ぎにしても、名作寄りの佳作です。


○VOCAL
ほんの少しだけ張りが無くなり柔らかくなったものの、オペラ歌手みたいな大仰なビブラートは健在。ロック的なキレは皆無ですが、この歌唱法こそがRYUICHIなのだと思うことにします。願わくばソロ、Tourbillon、LUNA SEAで歌い方を変えれるような器用さがあればベスト。

○GUITAR
SUGIZOのギュインギュイン音はもはやLUNA SEAにおける彼のトレードマーク。反面ギターソロはエモーショナルには聴こえるものの、あまり記憶に残らないのが本音。ただ昔が凄過ぎただけで、今でも悪くないと思います。

INORANはアルペジオが復活し、特有の個性が戻りました。「INORANのアルペジオこそLUNA SEAサウンドの肝」と頑なに信じている派です!

○BASS
目立つ時は目立ちますが、基本は屋台骨。てかJが太っちゃったのがちょっと悲しい。音とは関係ないけど。

○DRUM
曲調によって適したビートを刻んだり手数の多いオカズを入れたりと変わらず存在感抜群のドラミング。この人がある意味1番初期から変わっていないと言えるかもしれません。まあ今でこそ真也より技術の優れたドラマーさんは幾らでも居ますが、彼のプレイはやはりLUNA SEAそのものだと思います。

○その他
LUNA SEAは同時期に活動していたX JAPAN(後期)、GLAY、Mr.Children、Spitz、L'Arc-en-Cielといった有名ロックバンド達の中で、特にギター、ベース、ドラムだけの「バンドサウンド」に執着が感じられました(すみません、言うほどMr.Children、Spitz知りません)。それが本作ではストリングスはもちろん、様々な効果音を派手に導入しています。物議を醸すかもしれませんが、私は好意的に受け止めております。