待ちに待ったIn Flamesの新作。
もう12thアルバムです。

実は私、5th Claymanから入信した後追いファンです。もう『後追い』の文字を無くしても良い頃でしょう。歴としたファンです。

絶えず変化してきたバンドなので、今回どの程度これまでと異なったエッセンスを混ぜてくるのかとても興味深い。

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少し前に発表されたBlu-rayとか今風のデザインだったのに、また少しダサい系のCDジャケットに戻ってますね…。

音楽性は現在オルタナティブに系統しているのに、ジャケットは未だにデスメタル的なイモ臭さ。これは、ポリシーまでは捨てるつもりはないと頑なに守り続けている最終境界線なものかもしれません。

じゃあバンドロゴは?

そもそもメンバーがジャケットに興味無いのかもしれません。それかこのジャケがカッコいいと思っているか。


初回盤はTシャツが付いています。まッッッッたく要りません。基本初回盤優先の私でも今回は迷った。5000円ですよ5000円。倍ですよ倍!勘弁してくださいよォ。ボーナスディスクとかの方が圧倒的にありがたい。

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とか言ってたのに、結局お前はそれか…。Helloweenのバンダナもそうだったけど、成長しねぇヤツだ…。自分に残念です。


2年間という外部インプットが反映され辛いリリーススパンでの発表なので、あまり劇的な変化があるとは考えにくいと当初は思っていましたが、今回は新プロデューサーとしてHoward Benson氏なる人物が着任。

My chemical romanceやDaughtyをプロデュースしていた方だそうです。Daughtyなんてモロにインフレイムスがこうやっていきたいと考えている方向に見えます。

ブックレットを確認すると、従来のAnders Friden氏とBjörn Gelotte氏、さらにNiclas Engelin氏が作曲参加。他には全曲プロデューサーのHoward Benson氏が参加してます。

明らかにBassのPeter氏より余程貢献高いだろ。新ドラマーJoe Rickardもアレンジ以外ノータッチなのかもしれません。正規メンバーより作曲に参加するプロデューサーさん。

他にも外部ライターが関わっているそうです。メンバー内では出てこないようなアイデアを取り入れ、これまでと違ったものを作ろうという意気込みを強く感じます。

いいんじゃないですかね!

もうグロウルやスピードチューン無しの極端は作品と予想。ただAnders氏の声はあまり『聴かせる声』ではないので、完全にソッチに流れるのは危険な気もします。バランスが肝心。

先行公開された新曲は聴かないように努めていましたが、KNOTFESで聴いちゃいました。幸いなことによく覚えていません。


とりあえず内容見ていきます。

【レビューもどき】
①Drained
荒涼としたSEからギターと呟きからスタート。あれ?いきなりアップテンポ。からのミドルテンポに移りグロウル…。私の予想はいきなり2つとも外れた…。けどかなりメロディアス。サビではしかも外注らしきコーラス入れてる?クレジット確認するの忘れてた。確かに冒険してるし、とても好みです。疾走パートのリフが総じてイカしてます。

②The End
これはノットフェスで演奏。思い出した。元メンバーのJesper氏が絶賛しただけあり、かなりの出来です。十分に代表曲になりそうな破壊力。外注っぽいコーラスも良い効果を生んでいます。子供や女性の声も入ってる?次の作品ではRhapsodyみたいになってたりして。終わり方が相変わらずバッサリで残念。ギターは至ってIn Flamesそのものです。

③Like Sand
切々と歌う始まりから、激情の哀愁リフ。明らかに歌メロが強化されてます。これ系統の音楽でここまで哀愁を全面に押し出してくるバンドは珍しいかも。これも終わり方がバッサリ。

④The Truth
ビックコーラスから入る曲はIn Flamesでは始めてだった気がします。これもライブで演奏していたんですね。こっちは全然記憶にないわ。忘れてて偉そうなこと言えませんが、皆で歌える曲なので盛り上がりそう。ソロはIn Flames節ですが、頭に残らない。終わり方が以下略。

⑥In My Room
こういう前奏聴くと根幹部分は昔とあまり変わっていないと思わされますサビはグロウルで歌う。コロコロスイッチ出来るのはAnders氏の長所かと。とても個性的なボーカリストになったとしみじみ思います。ソロがかなり良い。

⑥Before I Fall
個性的なリフが登場。バックでコーラス部隊が「あーあー」言っちゃってます。ライブで皆様で歌いましょう。サビの後ろで入ってくるAnders氏の「おーおおーおおー」が良いですね。文字で書いてもよくわかんない説明文だ。

⑦Through My Eyes
個人的に残念曲。こういう中途半端に入れるスラッシュビートは要らないですよ。もうこの作風にこのスピードは合わない。スネアの軽さが強調されちゃいますし。サビメロが2段構えみたい。半分のテンポにすれば浮かなく混じれたかと。でも最後にもう一度走ったのはちょっと見直した。

⑧Battles
この曲の歌メロ聴くとちゃんとプロデューサーが活きてるなと思います。まあ他の曲もですけどね。ヴァースからメロディアス。ただギターはいつも通り。ほぼクリーンボイスなので、たまに入るグロウルは入れなくてもよかったかも。

⑨Here Until Forever
ヴァース部分が軽快なドラムからは想像つかなかった泣けるビックバラード(?)切なく壮大。是非ライブでとても聴いてみたいですが、結構な高音で難しそう。コーラスはオーディエンスがやれば出来るはず。昔のIn Flamesファンには響かないかもしれませんが、キラーチューン。最後のサビの前半部分がコーラスだけになるところなんか心得てます。泣ける。リズミックなビートを入れ、純粋なバラードにしなかったセンスは凄まじい。

⑩Underneath My Skin
こういうリフとかオールドファンでもおっ!と感じそう。走りそうで走りません。間奏のパートで少し走る。曲の終わる間際の「オウワ!」がポイントですね。

⑪Wallflower
これはまた変わった始まり方。重いリフが美味しい。今までの曲とは少し毛色が違います。ダークサイド全開。サビで一気に演奏が入る。間奏の鬱っぽさもとても好感触。これは文句なしに良曲!

⑫Save Me
クロージング。オープニングからギターの独奏。声がターンテーブルで細切れにされる演出が。う~ん、今風。これも歌メロ良く出来てます。Anders氏のハイトーンが炸裂。最後なんで気合い入れてます。本作をきちんと締めました。お見事。

本編はここで終了。
【ボーナストラック】
⑬Greatest Greed
メロディアスなヘヴィリフきた!スピードが上がったり下がったり忙しい。おーおおーおおービックコーラスと掛け合いのサビメロ。この曲いいね~。本編のどれかと交換しても十分に輝けそう。最後にブラストビート気味になる。ようやくここでJoe氏が存在感示せた気がしなくもない。ボートラで存在感を発揮してどうするんですか。

⑭Us Against the World
疾走系です。サビでテンポ落とすのは相変わらず。曲調が全体的に明るめの雰囲気で、本編から外れたのも少し納得。ただ出来がかなり良い。最後にもう一回走ってほしかった。この曲が一番気に入りそうな人もいると思います。

⑮Here Until Forever (オルタネイト・ヴァージョン)
9曲目の別バージョン。こんなの作る位なんで、この曲に対する自信が伺い知れます。むしろアンプラグドバージョンにしてボーカルのエコーとか取っ払い、骨格部分を更に明確化するようなバージョンにしてくれたらもっと意義があったと思います。まあ所詮は私の希望なんですけどね(汗 )


【マトメ】
やはりより大衆向けになりました。歌メロを印象付けるための強化が著しい。「変化」というより、今までのものに新しく付け足した「進化」の方がシックリきそう。

Anders氏とバンド自体の性質が哀愁寄りなので、LAでのレコーディングや新プロデューサーを導入した割にはカラッとしたアメリカンロックにはならず、やはり悲壮感に勝る作風。

Anders氏のクネクネ歌唱にはかなり芯が入った感じになり、成長を感じます。スタイルを変えたとも言える。ビブラートとかも出来るようなったら面白い。聴かせる声ではないと思っていましたが、想像以上に健闘していました。これなら普段アメリカのハードロックやヘヴィロックを愛聴している方々に取り入ることが出来る気がします。

演奏に関しては、ギターは全編に渡ってIn Flames。ただ歌メロが強化されたため覚えにくい。たまにおっ!となるフレーズが出てくる辺りは流石。このコンビも何気にもう7~8年位組んでますからね。ベースとドラムは、ソツなくこなしていた模様。特に耳を惹いた所がない。言い換えれば安定しているし、誰がやっても変わらない。こういう音種だと個性出にくいのかも。


結論、非常に良い作品!
点数でいうと100点満点中76点。

チャートはどうなるのか気になりますね。判明し次第追記します。ビルボードチャート、前作より初登場順位が上がっていたら嬉しいです。ハリウッド映画のエンディングで流れそうな雰囲気のものは無いか(苦笑)

逆にそれがIn Flamesの特徴なので、直す必要なんて全くありません。これはこれで私は大好きです。



私に好かれてなんの意味があるかだって!?鋭いこといいますね、確かに(涙)

※ビルボードチャートは初登場60位でした・・・。前作から大きく順位を下げました。ちょっと作風が狙いすぎと思われたのか。ビルボードチャートだけでなく、各国でもそんなに大きな飛躍が見られなかったようです。フィンランドと母国スウェーデンが1位から2位に下がったのが印象的でした。いい作品だったんですけどね。まあ売上数字が作品の良し悪しに直結しているわけでは全然無いのでいいっちゃいいんですが…。ビルボード一気に10番台行くか~なんて思ってた身としてはね。媚びすぎた!と音楽性をメロデスに戻したりして・・・。追記 2016/11/24