Rhapsodyの来日公演が2016年3月11日に渋谷O-EASTでありました。

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”INTO THE LEGEND” JAPANTOUR 2016"

このバンド、私の思い入れは相当深く、かつて「俺の人生の終着点」と騒いでいたのが懐かしくなります。ちょっと恥ずかしい話ですが、それくらい夢中だったんです、当時はマジで。


Rhapsody(以下ラプソ)とは・・・

イタリアの「シンフォニック・ヘヴィメタル」バンドで、今では更にスケールを増し、自称「スコアメタル(映画メタル)またはハリウッドメタル」と最終目的をなぜか映画界へ向けてちょっと迷走してしまった時期もある実力派バンドです。

世に出た当初の反響は凄い凄い。

ギタリストのLuca Turilli(以下ルカさん)とキーボーディストのAlex Staropoli(以下アレックスさん)が作り出すシンフォニック音楽に現在ブラジルの至宝Angraと二足草鞋なFabio Lione(以下ファビオさん)の超絶ボーカルが乗っかり、更にその上にクワイア(合唱)が乗り音の厚みに圧倒されたリスナー達は多かったはず。中世世界を表現した音楽ゆえに笛等の楽器も取り込んでいます。

歌詞は「ドラゴンに乗って戦ったり、戦争したり、剣を取りにいったり」等の大人にとって恥ずかしいものが多いそうです。少し前まで「エメラルド・ソード・サーガ」と「ダーク・シークレット・サーガ」なる物語を音楽に載せて歌っていたとか。もう漫画やゲームの世界です。あ、メタル自体がアニソン・ゲーム音楽か。

「〜そうです」と言葉を切った私は、当然上の2つのサーガがどんな物語なのか全く知りません。このバンドの歌詞読んだこと無いです。ただの一度も。歌詞を知らなくてもカッコいいRhapsodyということにしておいて下さいな。逆に知ったら幻滅してしまう可能性は否めません。


そんなラプソ、これまでの道筋はそんなに楽なものではなく、道中で2つの大事件に見舞われてしまいました。


1つ目がバンド名変更。

著作権及び商標の問題により、バンド名を変更せざるを得ない事態になってしまったのです。長年使われてきたラプソの略称もどうなることやら。バンドのブレインであるルカさんとアレックスさんは頭を捻り、一つの答えを出したのです。

「良し!新バンド名はRhapsody of fireだ!」

Rhapsody of fireになりました。


マジですか…。

...もうちょっと何とか出来なかったんですか?この私ですらそう思ったくらいです。熱心なファンは衝撃を受けたことでしょう。

この「of fire事件」後、何かの固有名詞の後にof fireを付けて遊ぶオブ ファイア現象を引き起こし、アンチの方々や一部の心無いファンの方々や一部の冗談が分かるファンの方々にネタにされてしまいました。一途で真面目なファンの方々はさぞ心を痛めた可能性があります。罪なバンドです。キャプテン翼 of fire!


2つ目は、むしろこっちの方が大きな事件。

メインソングライターの1人であるルカさんがまさかの脱退。超大打撃です、ラプソの大きな魅力であった歌メロを作成していたルカさんが脱退・・・。噂では曲もほとんどルカさんだとか。音楽性の違いによる友好的な脱退らしいですが、これまでのラプソブランドは何故かルカさんではなくアレックスさんの手の中に・・・。

ルカさんもルカさんで新しいバンドを結成。


その名も「Luca Turilli's Rhapsody」です!

…もう意味がわかりません。

分裂は本当に音楽性の違いだったのでしょうか?バンド名からして、以前と似たような音楽を作る気満々じゃないですか!!ひょっとしてあれか?オブ ファイアが嫌なのか?オブ ファイアって言葉から逃げたかったのか?この際ルカのLから始めてLhapsodyにすれば?


「ノリでオブ ファイア付けたけど、ギャグみたいになっちゃよ。ハハハ」

まあ上記は勝手な予測ですが、多分アレックスさんとルカさんのどちらがイニシアチブを取るかとケンカになったんだと思っています。それか積もり積もった積年の鬱憤。かつてAngraというブラジルのバンドが分裂し、AngraとShamanに別れました。その際はどちらのバンドもクオリティの高いアルバムを作ってくれたので「好きなバンドが2つに増えてしまったよヤッター!」と思っていました。

今回の分裂はどうなるか!?
吉と出るか凶と出るか?



...結果、実は私は確認していません。Rhapsody of fireは6th以降未購入。Luca Turilli's Rhapsody(以下ルプソ)も未聴。

「中古でいいや」

大分投げやりですが、私にとってこのバンドは一気にそんな感じになっちゃいました。聞いた話では本家ラプソは割と残念で、分家のルプソは悪くない的な世論が色んなブログを巡回していると見えてきます。「ルカさんがラプソディの魂」だったようです。元々ほとんどの曲をルカさんが作っていたのだし、当たり前の結果ですね。ルプソはいつか聴いてみたいと思っています。てか来日公演をラプソとルプソでジョイントライブすればいいんです。


話が逸れましたが、今回ラプソライブ初体験。

ラプソやBlind Guardianは客がクワイア担当になるので、私は歌ったり叫んだりする気満々です!フォーザキーンフォーザラーンフォーザマーンテン!!やっぱこれでしょ。この曲やらなかったらファン怒るはず。俺も怒るよ、多分。

はるばる渋谷O-Eastに行って参りました。



このレベルのバンドなのに割と小さめの箱。

いつも通りかなり記憶の風化が激しいです。間違ってたらGomenasai。あ、バンドメンバーは

○Alex Staropoli (Keyboard)
 アレックス・スタロポリ
○Fabio Lione (Vocal)
 ファビオ・リオーネ
○Alex Holzwarth (Drums)
 アレックス・ホルツヴァルト
○Roberto De Micheli (Guitar)
 ロベルト・デ・ミッケリー
○Alessandro Sala (Bass)
  アレッサンドロ・サーラ

です。

【感想】

最初はステージから見て左側の壁際でゆったり眺めるつもりでだらだらしてたのに、イントロが始まるとそうも言っていられなくなり、結局少し前に詰める。

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ベースのアレッサンドロ・サーラさん(以下アレッサンドロさん)がスキンヘッドなので、シルエットがケリーキング氏に見えね?まあ線の太さが全然違うので間違えないんですけどね。ギターのロベルト・デ・ミッケリーさん(以下ロベルトさん)はよく見えない。

ファビオさんが歌い初める。
いやー噂にたがわぬ安定感。ドラマーのアレックス・ホルツヴァルト(以下ホルツヴァルトさん)も凄い。キーボードのアレックスさんは…、リーダーなのにスモークのせいで見えない。なんて不遇なの。周りの人がデカくてよく見えない。俺も不遇だ…。

1曲目から知らないの来ましたが、地味ですが良い歌メロだった気がします。新譜の曲か?

2曲目は5thのUnholy!
これは知ってるし、クワイアが必要な歌なので遠慮なく歌っていると前の兄さんがこっちをチラリと見てきました。聞こえた?ごめんなさい。次にSacrificeが。正式な曲名忘れた。私の他にももしかしたら曲名をSacrificeと勘違いしている人が…居ないか。コーラスの決め所できっちり叫びます。周りの皆が歌ってたりするの?俺だけだったらどうしよう。

次に知らない曲。
バラードです。サビメロが微妙だけど、ギターソロで本日初めてギターフレーズが耳に残った気がした。色んな所で言われてますが、このバンドギターがちょっと弱いと再認識。知らない曲がまた演奏されました。正直あんまり覚えてません…。

「1stから」とファビオが言ったのをかろうじて聞き取れたので、アレをやってと願うと希望通りLand of immortalが!これこれ!原曲は珍しくクワイアの無い曲ですが、皆さん無遠慮に歌ってたので嬉しくなりますね。やっぱ人気曲なんだ。知らなかった。

続けてHoly Thunderforceまで演奏しちゃったよ。過去のアルバムからはキラーチューンが意図的にピックアップされている感じ。割りとライブ批評とか気にしてるんでしょうか?そっから全編イタリアンなオペラチックバラード ではファビオのメタル歌唱とオペラ歌唱の切り替えが凄い。ただサビメロは後ろでクワイアが流れていたのでぶっちゃけどの声を歌っているのかちょっと解りにくい。

そしてドラムソロ。デスメタルドラマー並の足捌きは凄いんですけど、技量と魅力って別物だな。早く終わってと思い続けた悪い私です。ドラムソロは1~2分以内に留めて下さい。

MCで「速い曲を」が聞き取れたので、Rain of the thousand flameが頭を過る。まさかあの曲やんないだろ~と思ってたら、予想に反して演奏してくれた!あの速弾きギタリストChris Impellitteri氏もカバーしたアグレッシブチューンです。とても嬉しい誤算でした。スラッシュメタルバンド並のスピードに観客も大賑わいですわ!

次はVillage Of Dwarves。クゥーたまらんねこの民族音楽的な雰囲気。

と思ってたらロベルトさんがソロタイム始めちゃった。このお方は正直あんまり技巧派ではない御様子。あんまり心惹かれる瞬間は無かった。新曲らしき曲が挟まり、本編ラストはDawn of Victory。聴き込んだのが昔過ぎて直ぐに思い出せなかった。

サビでようやく、てな具合。きっとそんなに好きじゃないんだと思います。そのせいか何かちょっとあら?と終わってしまった。アンコールのコールはどうやったらいいか戸惑っていたらすぐに戻ってきました。

アンコール一発目はWisdom of the Kingsでした!
あらまーここでこれやっちゃう?最高です。

2曲目になんとPower of dragonflameが!これもやってくれるの?ホルツヴァルトさん大丈夫?凄まじい持久力。YOSHIKI氏も少しは見習って下さい。

ソロの導入部分のフレーズがギターの一番美味しい魅せ場なのに、弾けてなかったね…残念。私は声出しすぎて燃え尽き気味に。アレッサンドロさんがカクカクと首を振るユニークなパフォーマンスを披露。本日のライブで数少ない自己主張でした。


3曲目にクリストファー・リー氏とデュエットしたThe Magic Of The Wizard Dreamを演奏。この曲はサビの最高音部分をアレンジしてた。ちょっと高くてファビオさんでもライブの後半じゃ無理できないのね。以上でアンコール終了。


へ?

Emelard Swordは?

バンドが演奏し飽きたんですかね?

するとなんとアンコールその2が。短いインターバルの後にいつも通りの速弾きイントロ。何の曲かわからなかったです。しかも裏打ち疾走しだしたのでますますわからない。裏打ちって4thのWhen Demons Awakeくらいしか知らないです。多分新曲?ファビオさんがグロウル気味のシャウトをかまします。なんの曲だろ、新曲か?

終曲後、「おやすみ」不意にファビオさんがいいました。最後の曲の名前を忘れたとか言い出しました。

焦らす気か。面白いねこういうやり取り。女性客がEmelard Swordと叫びます。全然関係無いけどちゃんと女性客がいることにとても嬉しくなる今日この頃。ファビオさんがライブ前の掛け合いをやろうとしましたが、オーディエンスが上手く乗っかれず失敗しそのままドラムカウントからEmelard Swordへ。ファビオさん思わず笑いながら「ありがとう!」って。ナイスガイだ。


バンドがどんなに頑張って、新曲作っても結局これが一番盛り上がるんだよな。バンドも嬉し悲しで複雑でしょう。


私?

私も歌い倒しましたよ。大したこと無いんです。ごめんなさい。全部含めて2時間のライブ。キーボードのアレックスさんは最後にバンドで肩組んでお辞儀してくれた時初めて顔が見えました。お疲れ様です。

【総評】
あとライブCDとDVD持ってるけど、こんなに速い曲満載なライブするバンドなんですか?事前情報無しだったから意外且つとても攻めたライブでした。サービス精神旺盛というか、値段以上のライブを見せてくれた。

改めてファビオさん凄い。中音域も高音域も太くて雄々しい勇者声。オペラ歌唱も多分凄い。高い所はたまにフェイクしていましたが、ライブ終盤までほとんど落ちないパフォーマンスは素晴らしい。

ラプソの演奏のキモは結局ボーカルのファビオさんとドラムのアレックスさんだと思います。他の人ほとんど印象に残ってないもの。アレックスさんのキーボードソロがたまに聞こえて「お?」って思う感じ。そもそもバックで音源流してるせいか、どのフレーズを弾いているのか分からないことが多いのも存在感の希薄さに余計拍車が掛かります。

ファビオさんはやはりラプソ!Angraから離れましょう。Angraで出もしない超高音をシャウトで誤魔化す貴方はあまり見たくないんです。


とりあえず6th以降も買ってみよう。

セットリストも貼っておきますが、基本的にどっかからコピーしたやつです。いつも通りすみません。

01 Distant sky
02 Unholy Warcry
03 March of the Swordmaster
04 Into the Legend
05 Speranze e Amor
06 Rage Of Darkness
07 Land Of Immortals
08 Holy Thunderforce
09 Lamento Eroico
ドラムソロ
10 Rain Of A Thousand Flames
11 Village Of Dwarves
ギターソロ
12 Winter’s Rain
13 Dawn Of Victory
アンコール
14 Wisdom of the Kings
15 Power Of The Dragonflame
16 The Magic Of The Wizard Dream
アンコール2
17 Reign of terror
18 Emerald Sword