(ジャケもうちょい何とかならんかったのかなぁ。)

SLIPKNOTの新譜、.5: The Gray Chapterが先日発売されました!


今更説明不要な超大物バンド。

かれこれ13年くらいファンやってますね。私の人生を狂わせた五大バンドの一つです。初め聴いた時は恐らく一般の音楽リスナーと同じ「雑音」でした。慣れると恐ろしい位に変わるものです。

強引に簡単に説明すると

・皆マスクを被っている
・バンドメンバーが九人
・重く激しい初心者お断りミュージック

メンバーは

0 Sid シド氏 DJ
1 Joey ジョーイ氏 Drums
2 Paul ポール氏 Bass
3 Chris クリス氏 Percussion
4 James ジェイムズ氏 Guitars
5 Graig グレイグ氏 Sample
6 Shown ショーン氏 Percussion
7 Mick ミック氏 Guitars
8 Corey コリー氏 Vocal

計9名とかなり大所帯。通常のバンドには無い変わった担当楽器もあります。この面子で複雑且つハイクオリティな音楽を作り出しています。

残念ながらポール氏がシャブアスの飛鳥氏顔負けの麻薬やりまくりで死亡、ジョーイ氏の謎の脱退で存続の危機でしたが、それを乗り越え6年ぶりの5thアルバムが先日リリース。ファンとしては待ちに待ちまくった瞬間が訪れたのです。

ちなみにポール氏とジョーイ氏の代わりに正式メンバーは入れず、サポートを二人雇う形の変則メンバーで作成されたそうです。個人的には正式メンバーとして加えてほしかったです。


当然発売日前日にフライングゲット。それから聴きまくったり聴かなかったりを繰り返し、何となく音像が掴めてきたので感想記事作ってみました。いつも通り辛口なのでそこはお許しを。好きなバンドには辛口になっちゃうんですよ…。

別にポリシーではありませんが、歌詞は読まない人間なので全くノータッチ。あくまで音楽のみの判断になります。悪しからず。



《感想》

01 XIX
おお、怪しい!こう来たか!民族楽器を取り入れて宗教色強めな作風か?この始まり方は意外且つ物凄く期待をそそられました(嬉)毎回変化しているバンドだけに今回のテーマは何なんだろ?と気になって仕方ないオープニング曲。


02 Sarcastrophe
怪しい雰囲気からバンドが入り、いきなり疾走…。全然宗教色無い…と思ったら時々入る「あー」というコーラスが何かに祈りを捧げる信者達の合唱的な雰囲気があり、前曲からの流れを組んでいる感じがしていてナカナカ。ブラストビートと同時に弾いているギターのメロディも呪詛的で好き。意外性もある佳曲。

ただ正直、初めの怪しい雰囲気のままミドルテンポ以下のスピードで突き進んでほしかったかな。


03 AOV
スラッシュビートから始まるとは意外だ、なんて思ってるとすぐスピードダウン。サビはクリーンでメロディアスですが、よくあるメタルコアって感じ…。三回目の疾走で歌が乗りますが、コリィ氏これライヴで歌えるのか心配になってしまう位の怒涛の畳み掛け。3分辺りから静かになる箇所でキーボードらしきものが鳴り、新しい試みが感じられる。ベースも大活躍してます。なのに正式メンバーではないとは…。


04 The Devil In I
鬱々とした感じが昔のスリップノットらしい。かつてと違い、ほぼクリーンメインですけど。リフがカッコいいし、ダラダラした終わり方も彼ららしい。中盤になぜかブラストビートがぶち込まれているのが曲の個性化を阻んでいるような気も…。それ以外はかなりらしくて良い曲ですね。


05 Killpop
都会の車通りに似た演出の音から始まり、変わったスネア音とベースで曲が進行します。気味が悪いギターがグッドです。この曲もキーボードみたいな電子音が入っとりますか、非常に効果的。後半でまたスピードアップしグチャグチャになります。声はほぼクリーン。


06 Skeptic
スティックのカウントから始まるのがちょっと新しい。またも変わった音でギュイーンと音が鳴ります。サビのバッキングリフがイカしてる。たまに掛け合いで入っている声はクリス氏?スローパートのリフの重さがたまらん!そして全体的にアップテンポですが、淡々とした印象の曲。


07 Lech
スネア連打が大変だなこれ…。静と動のパートを交互に展開していくのは面白いです。いつもは給料泥棒のパーカッションが珍しく大活躍!複雑ですが芯が一本通った感じの曲ではあります。


08 Goodbye
ちまたでは故ポール氏とジョーイ氏に贈った曲だそうです。ベースがメロディアスだわ。故ポール氏のために奏でているんでしょうか。バラード仕立てです。なのに間奏から露骨なバラード展開にせず回転率を上げるひねくれっぷりは流石。個人的には最初から最後までバラードにしてほしかったけど、彼等らしいからいいや。てかこれすげえカッコいいわ。しんみりした別れなど無用!ということでしょうか。


09 Nomadic
演奏はスリップノットっぽいですが、歌メロはストーンサワー(コリー氏の別バンド)っぽいです。またパーカッションが活躍していてて、スネアが重く聴こえます。セカンドギターソロがめちゃめちゃいい。メロディアスなザビは美味しいですが、う~ん…複雑。


10 The One That Kills The Least
覚えやすいギターリフ。メロディアスな歌メロ。うん、ストーンサワーの新曲といっても違和感無いかも!パーカッションとDJパートが無いとスリップノットとわからないかも。


11 Custer
冒頭で誰かが口ずさんだリズムがそのまま演奏されます。遊び心がありますね。えげつないギターリフと悲鳴みたいな機械音がいい感じ。ボーカルもほぼデス声ですし、これはスリップノットの曲だと思います。ライブでも今後のラインナップに残せる曲だと思います。


12 Be Prepared For Hell
次の曲のオマケ。


13. The Negative One
スリップノットしてます!まずそこが嬉しい(汗)ザビがどこかわかりませんが、ネガティブワンと言っているところだと思います。これもいいリフしてるな。ライヴ映えしそう。


14 If Rain Is What You Want
序盤から鳴っているクリーントーンのリフか良いです。このオドロオドロしさがたまりませんわ!!後半にコリー氏の熱唱が始まって少しガックシ。まあ最後の方はデス声で歌ってるからいいか。総合的に見たら素晴らしい。



《総評》

コリィまたデス声の発声法が変わった。作品毎に声が違うな。そして今回の音量が大きめで高い音のスネア音はあんまり好きじゃない…、もうちょびっと引っ込んでてよかったかな。

ポールとジョーイが居なくなった違和感をコリーが埋めようと頑張っているのはわかるんですが、そこにストーンサワー的なエッセンスが混ざっているせいか、あまりスリップノットっぽくない曲やパートも多い。

曲作りの主導権はジム氏が執ったとのこと。そりゃ違ったものになります。てかストーンサワーですね。作曲者もジム氏とコリー氏が歌メロ作ったらそりゃストーンサワーになりますよ(汗)ちょいとメタルコア化し過ぎた感があります。この二人には二つのバンドをもっと意識的に区別して曲を作ってほしいです。リーダートラック的なものも無さげ。

故ポール氏とジョーイ氏が居なくなったのは痛手だったと思います。演奏面ではなく作曲の部分で。

ただ全員が曲のアレンジに関わったのが丸わかりな音数の多さにはとても好感が持てます。特にグレイグ氏はライヴで忙しくなりそうです。レコーディングでは何をしていたのか定かではありませんが(笑)昔は歯が痛くてライヴでグレイグ氏のパートをシド氏が兼任していた時期がありました。それが難しくなりそう。


狂気的要素や衝動性がなくなり、洗練されています。B!誌にもありましたが、バンドマジックが薄くなったかも。あと本作は今までの作品よりも物理的スピードが速いパートを持った曲が多い。これまでは物理的スピードよりも体感的スピードで速さを「演出」していた(出来ていた)ので、ちょっと変わってます。

ようは普通のヘビィロック/メタルコアになってしまった印象…。確かに前作で変化はある程度落ち着いてしまった感じも受けたので、行き詰まりかな?なので1曲目の雰囲気は大歓迎でして、全編あんな感じにしてもらいたかったです。

あと全体的に曲が長い!前作辺りから顕著でしたが、不要なパート削ってもう少しコンパクトにまとめてほしかったかな。不要なパートなんか無いって?それはもう個人の趣味になっちゃいますね。


文句ばっかりになってしまいましたが、クオリティは高いと思います。次の作品は全編デス声でお願いします。コリー氏のクリーンボーカルが嫌いなわけではなく、素晴らしい声と歌唱力だと思います。先日新譜が発売されたIn Flamesのアンダースとはクリーンもデスもレベルが全然違います。アンダース氏もあれはあれで好きですけどね。

点数でいうと76点くらいかな。ちなみに

1st Slipknot 86点
2nd Iowa 85点
3rd Vol.3: Subliminal Verses 83点
4th ALL Hope Is Gone 80点

いかん、下降線を辿ってる…。でも一番ハマらなそうな気がします。この駄文を作ってる時点での点数です。曲の感想も何日にも渡って作っているため言っていることにバラツキを感じますが、ご容赦を。

もうちょい聴き込んでみます!
考え変わったら勝手に変えるかも。