「暴論」 これでいいのだ!  坪内祐三 vs 福田和也 扶桑社  

  

2002年6月~2004年9月まで 週刊SPA!に連載されていた放談を

単行本にまとめたものです。タイムリーな話題を機軸に政治や音楽、

スポーツ他、お二方の知識を存分に味わうことの出来る放談集です。

もちろん文学に関してや文学賞選考委員会の裏側までふれられています。  

  

私自身、坪内さんの書にふれたことがなかったのですかここまで知識幅

が広い方とは思いませんでした。視点の切り込みもかなり鋭い方です。

これを機にいくつかの著作に当たってみようと思います。 


知を遊ぶ縦横無尽さに好奇心が引き出される単行本です。


2004年11月20日 初版第1刷 1800円 全576ページ

 福田 和也さん 新潮社(新潮文庫) 


三島賞を受賞してまだ間もないころに「マガジンwooooo」に連載していた

時評を集めた書。「物書きは高尚な先生などではない、所詮みせもので

あるし、人でなしの稼業である」この精神が文章全編に貫かれている。

平和、平等、豊かさが逆に人間が持つ根源的な力を奪っていくその危機感

に抵抗していく現在日本へのアンチテーゼの時評かな。 


その後、柳さんや大月さんなどに論争をしかけていく福田さんの気質がわ

かりやすく味わえる時評です。痛快でおもわずにんまりしてしまう本ですね。


1999年8月1日 第1刷 500円 全335ページ

おもしろ世紀末総研 青春出版社(BEST文庫)


なにげなく生活に浸透している科学の落とし穴をわかりやすく説明した書。

万能薬の抗生物質が逆に薬物の効かない耐性菌をつくりあげてしまう

パラドクスな恐怖を身近な生活レベルで解説、身近すぎる分、余計に

恐怖を感じてしまう内容です。

生命工学、ネットワーク、核エネルギー、環境破壊の面から、利便性を

追求し続ける私達の生活に警鐘を鳴らしています。


とにかく読みやすい文庫なので通勤時間などちょっとした時間に読める

お手軽な一冊です。


1996年5月1日 第1刷 480円 全253ページ

本をつんだ小舟 宮本輝さん 文藝春秋刊


宮本輝さんが中学2年生から大学に入学するまでに読んだ本の紹介で

す。現実から逃れるようにのめり込んだ本との出会いと多感な10代の

事件をうまく重ねあわせた創作読書案内になっています。


なにげない日常の感受性を切りとり語っていく宮本さんの醍醐味を味わ

える本のひとつではないでしょうか。

ちょっとした時間に読むことをお勧めします。


1993年1月25日 第1刷 1400円 全329ページ