ちょっと前になるが、赤ちゃんを遺棄したとして神戸市に住む母親が逮捕された。

 

 

発覚のきっかけは、母親が自宅で出産翌日、慈恵病院へメールを送ったことだった。

熊本の慈恵病院は、数少ない赤ちゃんポストのあることで知られている。

そのメールには、次のようなことが書かれていた。

 

「事情があり誰にも頼ることができません。昨日朝有り得ない程の痛みが起きました」

「救急車を呼ぼうとしたのですが、その前に自宅のお風呂場で生まれてしまいました」「既に泣くこともなく、赤ちゃんが息をしていなく…」

 

「もしかして私は逮捕されてしまうのでは?とパニックになって…」

「そして、こちらの病院さんの存在を知りました」

 

母親と直接電話した院長は、

「どうしたらいいのかと、落ち着かない様子だった」と振り返った。

院長は警察へ相談するよう言ったが、母親が怯えていてとてもできない状況だった。

そこで病院長が代わって、熊本県警を通して兵庫県警に連絡を入れた。

 

そして、その翌日にその母親が逮捕されたのだ。

院長は、「女性には必ず警察に相談することを勧めています。しかしそれは逮捕されることを意味していません」と怒って言った。

 

「情報提供者の私に聴取しないまま逮捕に踏み切る。今までで初めての経験だ」

「対応は、ずさんと言わざるを得ない」と怒っている。

神戸北署は「意見書はまだ見ていない。法と証拠に基づいた正当な判断」と言った。

 

警察は、産まれた赤ちゃんをどうしたらいいか分からなくなった母親に、情け容赦のない仕打ちをすることが多い。

「確かに、赤んぼを遺棄したやろ」「赤ちゃんが亡くなっているから、殺人の嫌疑もある」と全く機械的に対応し、逮捕してしまう。

 

そんなことをしてしまうのは、未熟な、あるいは知的に課題のある母親が多い。

子どもを産ませた相方も、子どもの誕生を望まず、生活力もない男が多いだろう。

若い二人を取り巻く親や知人たちにも助けを求められず、孤立しているに違いない。

 

確かに、この世にせっかく産まれてきた命を守れなかったことは、正当化できない。

でも、情状酌量の余地は全くないのか?彼女は、凶悪な殺人犯と同じになるのか?

この母親の場合は、病院に自ら相談し、病院長も警察にすぐ連絡をしているのだ。

 

これは、ストーカー殺人を結局防げない、一連の警察のまずい対応にも通じる。

形通りに法律や規則に従った捜査や業務を行うだけで、人間の感覚を研ぎ澄ませながら事に当たることなく、本当の中身も見えていない。

だから事件の核心に迫れず、大事なことを見逃し、結局、弱い立場に置かれた人間を

守れない。

 

 

こういう人間の血の通わない型通りの対応で、弱い立場の人たちが追い込まれたり不利益を被ったりすることは、警察・司法に関する事だけでも、山ほどあるのだろう。

 

だからテレビで、「遠山の金さん」が多くの人たちにいつまでも見られるのだろうね。