日本の中都市では、今必ずと言っていいほどジャズフェスがある。

そんなにジャズは日本で盛んで、メジャーだったか???

ジャズフェスで町おこし…なんて真顔で議論されたりする。

 

ところがジャズが産まれた頃は、それはアメリカでも不良の音楽だった。

それで飯を食っていたプレーヤーたちの多くは、

酒におぼれ麻薬におぼれた。名プレーヤーほどそうだった。

 

ジャズの帝王マイルス=デイビスは、薬で何回も逮捕されている。

そのマイルス=デイビスから、薬のやり過ぎという理由で解雇されたのが、

日本のファンから崇められていた、サックスのジョン=コルトレーンだった。

 

天才中の天才と謳われた、モダンジャズの創始者チャーリー=パーカーは、

薬のやり過ぎで精神錯乱を起こし、35歳の若さで死んだ。

薬で体がボロボロになって死んだプレーヤーなど、枚挙にいとまない。

 

日本でジャズがブームになった時、

麻薬の常習で入国拒否されたプレーヤーも、けっこういた。

ジャズ史に輝く巨人たちは、結局ギャングたちに薬づけにされて死んだ。

 

それほどやばい音楽だったのに、

地方都市のジャズフェスは、今教育委員会なんかが後援してたりする。

ジャズから毒や牙が抜かれ、ふつうの音楽になってしまったということだ。

 

毒や牙が抜かれた音楽は、ほんとうに魅力的なのか?

市民公園でみんなが笑顔で手拍子するようなジャズは、本当にジャズなのか?

ジャズは間口が広いと言われるが、広げ過ぎてなんでもジャズになってしまった。

 

やっぱり半地下の薄暗いライブハウスで、不健康にやるのがジャズではないのか?

聴く方は薬はやらなくていいが、タバコの煙が充満する空間で、

ウイスキーをやりながら聴くのが、やっぱりジャズではないのか?

 

かつてジャズに夢中になった日本の若者たちは、

今はもうおじいちゃんか、またはすでに死んでいる。

かつての若者がジャズに夢中になったのは、ジャズの不良性故ではなかったか。

 

ジャズは、今ではもう懐メロだ。

往年の名パフォーマンスを聴くと、”古き良き時代”があったことを感じさせる。

ジャズのCDは、今クラッシック音楽の棚にあったりする。

 

今、ほんとうにやばくて魔力のある音楽はいったい何なのか?

ラップは、リズムに乗っておしゃべりしているだけだ。

毒があって魔力のある新しい音楽よ、出てこいや~~~ (^^♪