その昔の昔。
私が中学生だった頃、音楽の好みは、それこそ末端神経をほとばしる電子信号のように、沢山のジャンルへ派生していった。
週一で通う町の図書館ではCDの貸出が始まり、ワールドミュージックを始めとする、ジャズとボサノバを聴きまくった。
コルトレーンにセルジオメンデス&ブラジル66、エラ・フィッツジェラルドにビル・エバンス、リー・モーガン、
アントニオ・カルロス・ジョビンにジョアン・ジルベルト…
中でもアートブレイキーのプレイを聴いた時は、まさに頭をハンマーで殴られたような衝撃で、
その感覚は今でも覚えてるし、あれを超える衝撃波はとんとご無沙汰だ。物凄く斜めで、唸る程にファンキーで、セクシーだった。
キスもしたかしないかの瀬戸際中学生だったが、音楽の色気というものを痛烈に感じた曲だった。
いつしか夕食の準備と食する間はTune inでジャズを垂れ流すというのが私のホッとするセッティングになっていて、
日中の仕事の爪痕や、
育児にまつわるエトセトラから抜け出る(あまりないけど)、
なんとも言えないセラピータイムになる。
ひたすらこのアルバムからあのアルバムへとDigりまくっていただけで、たいした薀蓄もないが、
思いがけなくもユマが寝た宵の口には、
ジャズと一本の缶ビールが、週末のささやかな打ち上げの支えになる。
ダイニングテーブルで肘をつき、
食べた夕飯の皿すら下げられず、
もう一本ビールを飲もうかワインを開けるか決めかねて。
秋の夜長は、私に優しい。