父が亡くなり、丁度四年が経ちました
父との約束…
まだ沢山叶えないまま先に逝ってしまった父
二人で一番の楽しみにしていた約束は、父と一緒にキリマンジャロへ登山に行く事でした
父と兄と私は、幼少期からよく山登りに連れて行ってもらってました
始めは京都の大文字山、愛宕山、滋賀県の比良山、伊吹山、富士山そして北アルプス
日本の北アルプスは、山頂に近くなりますと岩場が多く、三点確保が出来ないと
滑落も覚悟しろ
何度も父に言われ慎重に登山をしたものでした
私はとにかく山への挑戦が好きで、特に奥穂高岳山頂から西穂高岳の縦走は胸踊る経験でした
このお写真は、当時では女性の単独での西穂縦走は珍しく、亡き父が一番大切にしていましたアルバムに貼られていたものでした
命の限界の稜線を這う
強い風が吹けば谷底へ
すれ違う登山者が、2日前もここから人が滑落し、亡くなった場所です と話しておられたり、少しの気の緩みが命を落とす事に繋がる
命を落とすのは、お前の自己責任
必ず生きて帰って来いよ
単独登山の前は、いつも父から聞かされていたこの言葉
今更に、父の心の深さや広さを想います
だって、私は絶対我が子をそんな危ない所には行かせられない
大切に守って育てたい
でも、私や兄は苦労して苦労して辛い思いをしてたどり着いた、山の頂の景色や空気を感じながら育ちました
私の、どんな時でも命をかけるのは
この経験から来ています
何かをする前は、必ず腹をくくる
私は中途半端な行動はしません
その先に死があっても、一度決めたら
行く
私の粗い気性は、母から受けた数えきれない数の虐待で得たもの
私の、深く愛を持って人と接する心は
温かな人の心を持つ父から得たもの
父から私は多くを学びました
亡くなった今でも、父が厳しく怖いという感情は私の心の中で息づいたままです
でも、優しく広い心で私を守って下さった父の温かさや大きさも私の心の中で息づいたままなのです
父からは、「温かな心」を財産として頂いています
この財産。皆様にお分けし増やしていきますね
お父さん
突然のお別れから、もう四年という月日が流れました
いつも私を心配して下さってましたね
離婚をしても、相手は養育費すら払わない
そんな私を、どれだけ可愛そうだと思って下さっていたか 私には分かります
でも、今は大丈夫てす 私は人に頼らず生きてきますから
ただ、お父さん。もっと話したかった
もっと約束を増やしたかったです
それだけが悔いとして、残ります
