お客様にお出し致しましたお節料理
大体お正月三が日を過ぎますとお料理に傷みが出始めます
その傷みが出る前に お節料理は炊き直しを致します
蒲鉾類や根菜類 海老等は薄味のお出汁で炊き直し 六日まで持たせ 七日に七日粥を頂き お正月にたくさん食べ物を頂いてよく働いた胃を休ませる
これは 昔から引き継がれている日本人の 食に対します先人の知恵なのです
九美子家も 残りましたお節料理は 実家で炊き直しをし 名古屋に持ち帰り 明日で食べきります
私の母親は 父の母が亡くなりました時に 父の母の持ち物は全て処分し 私には祖母がまだ見ぬ私の為に縫ってくれた着物が一枚のみ 形見の品となりました
本当は祖母の着物やお写真も残しておいて欲しかったです
でも、よく考えますと私が作る料理は全て父から学びましたが 父は祖母から全て学んでいます
父が一度私が作る料理を食べた時
うん これはお祖母ちゃんの味だね
そう言って目を細めてくれた事を思い出します
形としては一つしかない祖母の形見の品
でも 私は目に見えない味覚を受け継いでいたのですね
それに気づけました時 生きていてくれましたら きっと私を守ってくれたであろう 亡き祖母を想い 涙してしまいました
色々な想いが膨らみましたお正月も、あっという間に過ぎ
また新たな気持ちで迎えました新年
二度と行かないと心に決めていた入院している母の見舞いも その考えは間違いだと気づき お節料理を持ち 病院に出向きました
10ヶ月ぶりに母を見ましたが 元々私が嫌いな母は 私を見つめるだけで 笑顔は一切なく 蝋人形の様に感じました
という事は 私も蝋人形の様な表情だったのでしょう
どんな事情があるにしろ 産まれた子供に罪はありません なのに女の子で皆に可愛がられたというだけで 生涯私を憎み続けた母親に対し 事務的ではありますが きちんと娘の役目は果たしていこうと思いました
素直な気持ちを持つ事
これを今年の行いとし 新たなスタートを切らせて頂きます
皆様
今年もまたどうか宜しくお願い申し上げます