父が亡くなり 母は生涯入院生活となり また私を我が子のように いつも心配して下さっていた 実家のお隣のおば様も 施設に入られ 私は一度に三人の親と会えなくなってしまいました
季節事に贈り物を送り またその喜ぶお礼のお電話の声
何時までも長生きしてね
父とおば様へは いつもいつもその思いを向けていました…
両親がいなくなった実家
山のような不要品
特に二階の押し入れの中はパンパンに荷物が入っています それを一つずつ出していきました すると一番下にぺちゃんこになった二組のお布団が出てきました
これは…
私は当時3歳
真冬に母親はお客様用の布団や
そう言って二組のお布団を購入し、自宅に届けさせていました
二組のお布団は私より背が高く大きな物でした
九美子!
これは高い高い布団や 月賦で買うたんやからな 汚いあんたは絶対触ったらあかんで
分かったな!
そう言って母はお布団を二階の押し入れに運んでいました
以前にブログに書いていますが 私は真冬でも 薄い夏布団と 薄い毛布一枚で寝かされていました
赤ちゃん用の薄い夏布団は 三歳の私には小さな物で お布団に入っても 冷たい手足は 朝起きても 冷たいままでした
小さいながらに あのお客様用のふわふわのお布団の中に 一度入ってみたい
そんな事をよく夢に描いたものでした
私の事が大嫌いな母は 真冬でも あんたは水でええやろ
そう言って お風呂の代わりに ホースで頭から水をかけ シャンプーをかけ 後は自分で洗いや
そう言われ 私は寒い中 水で泡を洗い流していました
冷え切った体を包んでくれたのは 薄い夏布団と毛布
父がいつも長期出張だった為 私にとりましたら辛い毎日でした
母と兄は 銭湯に出かけたりしていました
…
このお布団は あの時のふかふかのお布団だわ
恐る恐る開けてみますと 一度も使われた形跡はなく 湿って使い物にはならない状態でした
私は このお布団が可哀想で わんわん泣いてしまいました
何故か分からないけれど 泣けてしまいました
使わないのなら せめて一度でもいいから 寝かせて欲しかったです
父が私を大切にする
たったそれだけで私を生涯憎み続けた母
我が子はこんなに愛おしいのに…
出来る事なら タイムスリップをし 三歳の私を見つけ出し 私が育てたい
それほど、私の心の傷は深く消えません…