私と父は山人間でした 自然を愛し 山を愛し ひたすら歩く山道
山小屋で頂く夕食
登山客で溢れる穂高岳山荘
視界360度の夕日
遥か彼方に見える雲海の中の富士山山頂
… そして下山した後に立ち寄る温泉
そんな中 どうしても父が一度でいいから行きたいと言っていた信州の白骨温泉
毎年お誘いしているのに 母が行きたくないと言ってるから
それだけの理由で行けませんでした
今年こそ 今年こそ
そう思い とうとう父は81才になってしまいました
本当に今年こそ 京都に両親を迎えに行き その足で信州へ行く計画を立てました
でも父は
お母さんと行くと
疲れる
でも置いていくわけにはいかないだろ?
その時 私は初めて
父はもう 遠い旅行は行きたくないという思いを持っている事が理解出来ました
父が白骨温泉に行きたいと言っていたのは もう20年以上も前の事
私は私だけがその時の会話をいまだに引きずっていた事に気づきました …
父が今 本当に行きたいのであれば 何度もお誘いしているこの数年間に行けたはずですね…
温泉や山に行きたかったのは 私だけだった事が分かりました …
もう父と旅行へは行けない
登山も出来ない …
私に登山を教えて下さったのは父
私も我が子は登山家にするつもりでした
でも 医療ミスの致命的な障害が私の親子登山の夢を砕きました
…
山を見る度に
「諦めなければいけない」という 苦い言葉を飲み込んでいました
…
奈々が成人しましたら その時にまた登山を再開したいと考えて忌ます
その時もきっと父は健在でしょう
急ぐ単独登山ではなく
のんびり歩く山道
その姿を想い 日々を送る事に致します
昔は
あんなに大きく
あんなに逞しかった父
…
お父さん
一区切りがつきましたら 必ず温泉や登山を再開致しましょうね
私 それまで待ちますね
(^-^)