認定試験が近づいてますので 先生への質問や答えも 一度聞きましたら忘れないよう 集中し記憶するようにしています
そんな中…
先生が 九美子さん
「宗秋之印」 か「宗秋」か
角印を作らなければいけません とおっしゃりました
私は以前にタツノオトシゴさんから 宗秋の角印(篆刻)を彫って頂いてますので
それでは「宗秋之印」をお願い致しますと言いました
先生は 九美子さん 白木で作りますからかなり高価になります…とおっしゃったのに いきなり引き出しの奥から 古いビニールに包まれたお品を見せて下さり
九美子さんの生活事情を考えたら 無理なのは分かってますが 私は何故か これをあなたにお見せしてしまいました
何故だろう…?
そうおっしゃった先生の手の中には
美しい真珠の色の新品の象牙の角印がありました これは象牙の中心部でつくられ、年輪がほとんど分からない上上ランクの角印だそうです

この角印は 先生のお父さんが二十数年前 ワシントン条約で象牙の売買が取り消しになる前に かなりの高額なお値段で手に入れられた希少価値の高い象牙だそうです
九美子さん
どうされますか?
そう言いながら 先生は、私はどうしてこの印鑑をあなたにお勧めしているか 分からない
…
と、またおっしゃります
(^-^) 先生
この象牙の角印は
二十数年間 私を待っててくれました
この印鑑で
「宗秋之印」の注文をお願い致します
そう言いました
先生は 大丈夫ですか?本当に高額ですよ
大丈夫です
既にお金は用意されていますから
私は本当にそんな気がして仕方がありません
きっと素晴らしい印鑑が出来るでしょうね…
タツノオトシゴさんに彫って頂いた篆刻印 そしてこの角印
私は素晴らしい印鑑にも守られ 鑑定士の道を歩めるのですね
…
印鑑ちゃん
本当に古いビニールに包まれ 先生も四年前にお父様から受け継がれたのに 存在を消し よく今まで 誰の手にも渡らず待っていて下さったわね
これからは 私の顔となり 生涯仲良く共に過ごしてね
…そっと印鑑を手に取り
そう語りかけました
(^-^)