商品の二重価格が表示されていることは、スーパーなどでもよく見る光景です。
では、この二重価格には、どのような意味があるのでしょうか。
二重価格の役割は、商品の価値をしっかり認識してもらうことにあります。
二重価格の表示方法としては、よくあるのが、
①元の価格が書いてあり、元の価格を訂正して値引き後の金額を載せる。
②メーカー希望小売価格を記載し、それよりも低い金額を提示する。
どちらも安くなって、お得になっていることが一目でわかります。
では、この両者のケースで、どちらも現在の販売価格のみが記載してあったらどうでしょうか?
表示されている価格から、現在の金額がお得なのかどうかというのが
判断できないはずです。
比較する基準になる数字が頭にないからです。
(日用品などで普段の売値が頭に入っているものは別です。例えば、缶の飲料は、自販機の価格が知れ渡っているのでそれを基準にできます。)
人間の性質として、直前に見た数字を無意識に基準にしてその商品の価値を判断してしまうというものがあります。
これは、アンカリング効果といわれるものです。
例えば、スマホの金額を見た後に、車の金額を提示されるとスマホの金額を基準に車の高い安い判断してしまうというような効果です。
つまり、全く関係のない数字同士を比べ、先に出てきた数字を基準にしてしまうのです。
そのため、現在価格のみが表示されている場合には、購入者が直前に参照した何かの数字が基準になってしまい、その商品そのものの価格を正しく比較できなくなってしまうのです。
このように二重価格の表示は、購入者に正しく価値を理解をしてもらうという大事な役割を持っています。
何か商品の販売をするときには、この効果を役立ててみてください。