前編は2年生の夏休みまででした。今回はそれから3年生の夏休み前までのことを書きます。


ひなたは、男の子と遊ぶ比率が上がっていきました。遊びの内容や気が合うというだけでなく、ひなたにとって仲間意識があるのは明らかに男の子だったのでしょう。


とりわけ、女の子と遊ばなくなった1つのきっかけになったことがありました。1年生の終わりくらいに保育園からの友達の女の子たちが、ひなたを見たら何かこそこそ言って逃げてたのを偶然に目撃し、ひなたがしょげていたので学校に伝えました。それで、その意地悪はおさまったのだけれど、元々、

「ひなたちゃんはうるさい。」と言われたりしてたと聞きました。

それはもう言われてもしょうがないのではと思いました。テンションが高くて本当にうるさいのです。


2年生の夏頃は、夫がトランスジェンダー疑惑を薄々と思いはじめていた頃でしたが、まだ「男の子になりたいの?」と聞いてみたに過ぎませんでしたので、夫は「ひなたみたいに活発な子が女の子に少ないのも1つの原因かと思う」と言っていて、それは確かにそうなんだけれども、ひなたみたいな遊び方は一般的な女の子には受け入れられにくいものがあったのも確かでした。


その頃は、仲のいい男の子をどこか子分か何かみたいに思っているところがありましたし、場をしきったりふざけすぎたりしているところがありました。ひなたは精神的に幼いのでは?とも思っていましたが、今思えば、男の子だったらそんなものとも言えそうです。


ひなたは男の子にふざけて抱きついたりすることもありましたが、保育園の頃は相手の親御さんが優しい方だったということもあり、「可愛いね」で済んでいました。それが、2年生の時には不愉快そうにされたことに気が付き、慌てて謝り、「幼くてごめんなさい」と付け加え、ひなたの行動を正しましたが、何か悲しくなりました。相手の男の子は、虚言癖のある子で、うちのゲームのコントローラーを2度も持って帰ったり(相手の親は間違えてと言ってましたが、状況的にほぼ間違いなくわざと)、よその家でも同じことを何度かしただけでなく、さらに非常に迷惑なことをしたということも知りましたし、でもそれが言えなかったぶん、何か悔しくもありました。(ただ、うちで迷惑かけられても困るのでその子はしばらく出禁ということにしてました)。

ふざけて抱きついたりプロレスごっこをしても男の子同士なら何も思われなかったことでしょう。そして、その問題を予測できなかった自分が悔しかったのかもしれません。


ひなたのところには女の子たちも遊ぼうと来ることがあったようで、遊んだという話は何度か聞いてましたが、その内容をニコニコして話すことはなく、「めっちゃ楽しかった!」と聞くのは男の子たちと遊んだ話ばかりでした。


言動はクラスに必ずいるような小学生男子そのものでしたし、それは以前も今も変わっていません。


例えばこんな感じです。


教室で友達の男の子と絵を描いていて、友達が描いたのはカービィの「トルネード」というコピー能力でした。ひなたは、

「せんせーい!○ぺい君が、う○こ描いてまーす!」と言って、○ぺい君と一緒に大笑いしたそうでした。


ある日は、森のくまさんの替え歌で「ある~ひんけつ、森のなかんちょう」を歌っていたらサビの前で、「その先は歌わない方がいいよ」と女の子に言われたこともあったり。


学童では、「にゃんこ大戦争の敵キャラクターを自分たちで考えよう」と○斗君に提案し、「描く前にまずは名前を決めよう。最強の敵キャラの名前は…」

「ち○こ~!!」

ここは2人同時に叫んだのだそうです。それで隣にいた男の子に、

「うるさーい!」と言われてしまったそうですが、家で、

「それはうるさいと言われても仕方ないよ。」と自分で言っていました。



私や夫は「自分から積極的に行動しなさい。遊びたい人と遊びたい遊びをしなさい。」といつも言い聞かせていました。

しかし、3年生になってからは、友達ほぼ全員と違うクラスになってしまい、担任の先生とも合わずに、クラスがつまらないとしょんぼりしていることも多くなりました。

その中で絵を描いてと頼まれることがひなたの承認欲求を満たしていたのですが、それで頼まれ過ぎるのを引き受けてしまい無理だと断ったあたりや、ひなたが男の子のことを好きだと言ったこと(好きにも色々あるけど、それは友達になりたいという意味だった)からいじめがはじまりました。

前の担任の先生はひなたの頑張りを認めていましたし(そうは思えないひなたですが、家で勉強はしているので成績はトップです)、悪いことは悪いと注意も皆にしていたのですが、今度の担任の先生はどっちもしない先生でした。注意しても怖くないのとひなたが言われていることやされていることがいじめとも認識していなかったので、気が付いたときには話が大きくなっていました。


次回は、いじめが解決し落ち着いたところで、ひなたが自分のことに気が付き、再び学校と話し合ったこと、その対応などを書く予定です。