元欅坂学園のOGでもある友香と茜による
さく高への指導は続き…。


ひかる達も流石のセンスを見せ、
友香と茜の指導は短期ではあるが
みるみる成長していく。





(ダァンッ!!!…)




ひかる)「ッ!!!!…」





(ガサンッ!!!!…)


ひかるのダンクも精度が上がり、
なにより……





ひかる)「よっと…」



友香)「もうこの高さには慣れたかな?」



ひかる)「え…あっ!……たしかに……」





あれだけ高所恐怖症だったひかるが
リング上の高さを無意識に克服していたのだ。





ひかる)「あれだけ怖ったのに…知らない間に何も感じなくなってる…」



友香)「それでいいんだよ、ひかるちゃんはその高い所の恐怖がプレーに硬さが出てたんだよ」



ひかる)「プレーの硬さ…?」



友香)「頭でこうしたい、あぁしたいって思っても身体が勝手に強ばって思ってたプレーがしづらくなってた、でも今のひかるちゃんはその恐怖を忘れて柔軟に動けてるんだよ」



ひかる)「…なるほど…」



友香)「苦手な事でもやらないと何も始まらない!、今のまま続けて」



ひかる)「はい!ありがとうございます!、(よーし…!)」






2人の近くでは、
晶保、有美子コンビと
麗奈、保乃コンビが
2on2の実践練習…。





(ダムダムダムッ!!!!…)



麗奈)「ッ…」


有美子)「…ッ!!」



(キュキュッ!!!!…)


ドリブルを突く麗奈に
ディフェンスを張る有美子。

パスを貰おうと手を挙げて走る保乃に
着いていく晶保。




保乃)「麗奈ちゃん!」



晶保)「(着いてく…着いてく!!!)」



麗奈)「ッ…(晶保ちゃんしっかり保乃ちゃんに着いてるし…ここは私が…、でも…)」



有美子)「ッ…!!」



(バチンッ!!!!)

有美子は麗奈のスキを突き、
ボールを弾いた。




麗奈)「あっ…!」



保乃)「どんまいどんまーい」



茜)「麗奈っ」




今のプレーを見ていた茜が麗奈を呼ぶ。




麗奈)「はい…」



茜)「今、迷ったね?」



麗奈)「えっ…そ…その〜…(図星)」



茜)「迷うのは大事な事…、でもいざ試合になったらそんな時間相手チームはくれないよ…」



麗奈)「あぅ…、はい…」



茜)「PG(ポイントガード)は誰よりも得点を入れる事について詳しくなくちゃいけない、このチームについてもね」



麗奈)「…わかりましたっ」



茜)「本番の試合で迷わない為に、今はじっくり迷って今の場面ならどの作戦が効率良いか考えな」



麗奈)「はいっ!、よーしもう1回やろ〜!」



保乃)「うん!」



有美子)「何回でも付き合うよ…」



晶保)「(着いてく…着いてく……)」







そのまた近くでは……





光莉)「ッ…シュッ!!!!…」





(スパンッ!!…)

光莉が綺麗なフォームで
3Pシュートを決めた。





玲)「光莉ちゃん凄い!、この前より決めた本数増えてるよ!」



光莉)「ほんと!?」



茉里乃)「シュートフォームも綺麗やし見てて気持ちいい」



光莉)「えぇ〜、(かわいいかわいい茉里乃ちゃんに褒められたぁ〜…)」



綺良)「んちょりゃッ!!!!…」



(ビュンッ…ガサンッ!!……)



綺良)「ふっふっふっ…、まだまだですよ」



光莉)「うっ…!」




光莉の隣で同じく3Pシュートを決めた綺良、
しかしそのフォームは独特だった。





玲)「でもたしかに綺良ちゃんの方がまだ成功率は高い…」



光莉)「ぐぬぬ…、なんでそんなフォームで入るの…?」



綺良)「えっ…まぁ…才能?」



茉里乃)「綺良ちゃんウザイでー?、んでフォーム気持ち悪い」



綺良)「なっ!気持ち悪いとはなんや幸阪ぁ〜!!!」



玲)「ひ…光莉ちゃんは光莉ちゃんのペースでいいから…」



光莉)「うん…もちろん…」






(ガラガラ…)


すると体育館の扉が開き、
顧問の佐々木先生と
マネージャーの隼乃介が姿を見せた。




佐々木)「皆1回集合してくれるかな?」



有美子)「はい…集合!」





有美子の号令で周りに集まるメンバー、
すると佐々木先生の口から
あの事についての話が……






佐々木)「今度のインターハイ予選の“初戦”の相手校が決まりました…」




ひかる)「ッ…(ついに…)」





佐々木先生と隼乃介の2人で
インターハイ予選Cブロックの
クジ引き抽選会に行った結果…。




佐々木)「僕達“櫻坂高校”の初戦の相手は…『四ッ川総合高校(よつがわそうごうこうこう)』です」



保乃)「四ッ川…?」



有美子)「菅井さん…聞いたことありますか?」



友香)「うん…強豪校っていうわけじゃないけど、私達がいた3年間でも何回か見た事あるかな…」



茜)「あっ…確かどっかの国からの留学生がいるんじゃなかったっけ?…」



綺良)「留学生!?」



有美子)「実績は十分な相手ってことですね…」



ひかる)「…勝てるかな…」



保乃)「かな…やなくて勝たな!」



光莉)「そうだね」



ひかる)「…うん…その為に練習したんだもん!」






まずはチーム最初の勝利を目標として
意気込み始めたひかる達、
ここで隼乃介が…





隼乃介)「ただ…もし初戦勝ったとしたらなんだけどさ…」



ひかる)「え…?」



隼乃介)「次当たるのがシードで予選2回戦から出場の…『首王総合高校』なんだよ…」



友香)「えっ!?…」



茜)「去年うちらと一緒に本戦行った所じゃん…」




さく高)「「「えぇーー!?!?」」」






たとえ勝ったとしても、
次の2回戦に控えるのはミィーティングでも
触れていたあの『首王総合高校』…。





正直今のさく高からすると、
格上過ぎるのが常識だろう…。








その頃…、
その首王総合高校では………。




部員に配られた予選のトーナメント表を見て
1人心躍らせるメンバーがいた…。




唯衣)「…櫻坂…高校……」


梨名)「たしか…ちゅけの中学の友達居るんだっけ…?」




首王総合高校女子バスケ部1年生、
『武元唯衣』、『井上梨名』…。




唯衣)「この3年間でいつかは試合するかと思ってたけど…まさかいきなりチャンス来るなんて…!」



梨名)「その櫻坂高校が1回戦突破したら…うちらとってことやね!…楽しみやねー!」



唯衣)「よーし、絶対負けないぞー!練習練習〜!」



梨名)「えぇ、今部活終わった所やーん!?」





はしゃぐ1年生コンビを
横目で眺める“小林由依”…。





由依)「あの子らなんであんなテンション高いの…?」



由依は3年生で副キャプテンの
“今泉佑唯”に聞く…。



佑唯)「初戦の相手がもしかしたら中学の時の同じチームメイトと当たるかもなんだって」



由依)「武元ってたしか…“中学全国制覇”してるでしょ?…」



佑唯)「そうなんだけど、なんかその高校今年創立で…部員も1年生だけとか…」



由依)「1年生だけ…!?、そこの初戦は?」



佑唯)「四ッ川総合…」



由依)「なんか“韓国の留学生”がいるとか噂の所か…、稀にあるけど…そんな出来たてチームが勝ち進める程インターハイは甘くない…





由依は昨年のインターハイを経験し、
そのレベルの高さも知っている。




厳しい戦いが待っている櫻坂高校、
インターハイ予選はもうすくだ…。






……To be continued.