
そう、当たり前だって、思ってた。
だって、居なくなるなんて、思わなかったんだよ
そんな日が来るなんて
あの頃の私は、これっぽっちも、思ってなかったの。
あなたは、いつだって
私を心配して
私を想っててくれた
だけど、私はそれが、疎ましくて
何度も、何度も、喧嘩した
そんな毎日も、私にとっては
当たり前の1日に過ぎなかったんだ
熱を出した私を、背中におぶって
病院に連れて行ってくれた
授業参観も、一丁裏の着物を着て、見に来てくれた
”スパゲッチィ 作ったよ。”
と言って、ケチャップたっぷりのナポリタンを作ってくれた
だけど私はいつも素直に
”ありがとう”って、言えなかった
・・・・・おばぁちゃん
生まれてすぐ、私は、母から置いていかれた
もうすでに、姉がいたから
経済的に育てられない。
と言う理由で。
そんな私を、おばぁちゃんは引き取って
育ててくれた
高齢になってからの子育てはきっと
凄く、凄く、大変だっただろう
今の私がこうしていられるのは
おばぁちゃんが、居てくれたから
一生懸命、育ててくれたから。
でも、もう、ありがとうも言えなくなってしまった
18になって、卒業が決まって
就職も決まった、冬の終わり
それは突然に、訪れた
救急車の音と、近所の人の飛び交う声
急性くも膜下出血
近所の家で突然頭を抱えたおばぁちゃんは
そのまま倒れてしまった
何が、起こったかわからなかった
目の前で起こっている出来事が
スローモーションに見えて
ただ、ただ、怖かった。
おばぁちゃんはそれでも1ヶ月生きて
そして、静かに、眠りに着いた
最後に、私が病室に着くと同時に
眠るように、息を引き取った
”起きてよ。嘘だよね?”
冷たくなっていくおばぁちゃんに私は何度も呼びかけた
ダメだよ。まだ私、何もしてあげてないよ
また、叱ってよ。怒ってよ。
逝かないで。
逝かないで。
・・・・あれからもう20年が経つ
この季節になると、胸がちくんと痛くなる
子供が出来てから初めてわかったよ
どれだけ愛してくれていたかって
だってね
私が子供に言ってること
おばぁちゃんが私に言ってた事と一緒なんだもん
もし、願いが叶うなら
もう一度会って、伝えたい
いっぱい、いっぱい、ありがとう。・・って
いっぱい、いっぱい、愛してくれて、ありがとうって
そして
おばぁちゃんと一緒に過ごせて
わたしは、幸せだったよ。
って・・・・
もう、随分帰ってないね
だけど今度
”家族”を連れて、そっちに帰るからね
14年ぶりの私
おばぁちゃんは喜んでくれるかな
おばぁちゃんの大好きだった
エコーのたばこと塩あんもち
捜して買っていくからね
少しだけ、大人になった私
おばぁちゃんは、褒めてくれるかな
フォト BY きゅん
※NIKON クールピクスで撮影
曲 さくら、さらり