【恋は突然始まった7 再会?】
あの女医は、いつもあの男と一緒にいる
何科の医師なんだ
あっ、どうして俺は見つけられないんだ
病院の庭のベンチに座って呟く
飛び級でハイスクールも
米国の大学も卒業してきた
日本の大学に短期留学もしてきた
年と共に弱って来た父親の会社に
どう関わっていったら良いか
考えなければならない
俺は何をしているんだろう
その日は朝も昼も落ち込んでいたウンス
おまけに午後は解剖学の講義
男性だった、30歳の交通事故死の献体
女学生の何人かが倒れていた
ここまで、一生懸命勉強してきて
男子になんて負けたくない
強がりの自分がそこにいた
※解剖学は4年生ではやらないそうで、
そこはスルーしてください
ウンス、帰り飲みにいくか?
アンジェウクが誘った来た
ん~どうしょうかな?
御馳走してくれるなら考えてもいいわ
帰りに、日本食のとんかつを食べた。
そして、カウンターバーに連れって行って貰った。
「最初はカシスオレンジからにするわ」
モスコミュール、モヒート、スクリュー・ドライバー と飲み続けた。
今日一日いやなことばかりで、酔いが早く回って来た。
店を出るころには、すっかり酔いが回り、おぼつかない足取りになっていた。
アンジェウクが厭らしい手つきで触れて来るのを感じていた。
記憶は曖昧、アンジェウクに抱き締められて、口を尖らせる顔が迫ってきた。
気持ちが悪くなった。おぇ~
木陰で吐いたら少し楽になり、
公園のベンチに座っていた
アンジェウクはコンビニに水を買いに行っていた
「ウンチュさん」
と近付いてくる男がいた。
頭がぐるぐる回り、はっきり見えない。
目を細めて、声がする方を見た。
「あのどちら様ですか?」
眩しそうに見た
「俺です、チェヨンです」
ドキドキ、その名前、今一番聞きたくない人
ウンスは座り込み、寝てしまったのだった。
「ウンチュさん、しっかりしてください。大丈夫ですか?ウンチュさん、あちゃ~」
ウンスを抱き抱え、タクシーを呼ぼうとしていた。
コンビニに水を買いに行ったアンジェウクが戻るとウンスは消えていた。
「あいつ、どこへ消えたのか?あれだけ酔っていたのによ。
明日明後日は休みだから、講義はないけど、あいつ大丈夫なのかよ?」
ひとり呟くアンジェウクだった。
この日は、留学先で一緒だったダンメビに遭遇し、ホテルのラウンジに呼ばれていたのだった。
俺が嫌いだった女。
でも、仕事繋がりでは立ち話もなんだから、仕方のないことであったが、不快な時間を過ごした。
ホテルを出てタクシーを拾おうとした時、ウンチュさんを見かけたのだった。
公園で酔ったウンチュさんを抱き寄せ、体に触れたり、強引なキスをしようとしている
アンジェウクが目に入ってしまったのだ。
「ちょ、ちょっと待った〜」
一目散に駆け付けたチェヨンであった。