娘が生まれて半年ほど経つと、ベビーカーに乗せて外へお散歩や買い物に行く機会が増えてきました。

昼間の住宅街には小さい子とお母さんがたくさん。

子どもを産むまであまり意識せず、目に入ってこなかった光景です。

東京郊外のベッドタウンのこの街には、若いファミリーが多く、公園も子どもも多いところ。

きっと子育てにも良いはず、と選んだ街でした。


娘が小学校にあがるまで住んでいた団地には、同じ年頃の子どもが大勢いました。

きっとそのうち、自然にお友達になれるだろうなと気軽に考えていました。

今まで学校や会社でも最初は内気で苦労したものの、いつのまにか友人ができていたように。

女の子同士のキャピキャピした付き合いは苦手だったものの、必ず気の合う友達に巡り合ってきたように。


団地の中で同じ年ごろの子を持つママに会うと、「かわいいね。お名前はなんていうの?」と勇気を出して話しかけてみたり、「今度遊びにきてね」と誘ってみたり。

みんな、一人一人話すと良い人だったように思います。

ある時、団地のママの中にグループがあることに気付きました。

そしてその中のリーダー格のママに、どうも無視されているような気がするのです。

エレベーターで会って挨拶しても、無視。最初は気のせい?と思っていましたが度重なるとさすがに気付きます。

嫌われるほど関わった覚えの無い人に、何故嫌われているのか、それは最後までわかりませんでした。


グループで輪になっているところに出会い、「こんにちは~」と言って話しかけても輪に入れない。

一瞬シーンとなり、「こんにちは」と返してくれるものの、また背を向けてワイワイ。

おそらくそのグループの他のママ達は、私に対してそんなに悪い感情を持っていなかったと思います。

でも、あえて輪の中に入れてあげようという気持ちも無かったのでしょう。

自分はグループの中でうまくいっているのに、リーダーママの機嫌をそこねてまで入れてあげるメリットも無いし。


最初のママ友デビューに失敗したことは、私にとってすごくショックなことでした。

団地でそのグループに会うことが怖くなり、みんなが一緒にお出かけするのをみはからって、

誰にも会わないようにそっとベビーカーを押して買い物やお散歩に出ていました。

避けていても偶然その中のママに会ってしまった時は、心臓がバクバクして以前のように話せず、挙動不審な態度をとってしまっていたと思います。

娘は可愛いさ全開の時期で、娘と2人で家にいるときはとても幸せでした。

その一方で家の外へ出ることが怖くて怖くて、こんな事で悩んでいる弱い自分が嫌で、辛い日々でもありました。