『とにかく 悲しいのだ』 | つながろう!放射能から避難したママネット

つながろう!放射能から避難したママネット

私たちは放射能から避難を余儀なくされたママ達です。
ココロとカラダの悩み、子どもさんの心配ごと、学校のこと、福島のこと、これからのこと、みんなで話して自分を解放しませんか。
つながりましょう。
活動拠点 ママネット@東京  ママネット@埼玉

郡山から避難している 

ペンネーム 星ひかりさん から、

素敵なメッセージが届きましたので、掲載します。





とにかく 悲しいのだ
どんなときも 悲しいのだ

窓を開けはなち
朝陽の射し込むデスクに腰かけて
深く息を吸いこむ。
新鮮な凛とした空気が体中をかけまわり
私は生きている喜びにつつまれる。
頭のてっぺんから 足のさきまで エネルギーが
体中を回る感覚。
白い光と、一杯の聖なる水。
鳥のさえずりと優しいピアノの旋律に身をゆだねて、
目を閉じながらこの美しい世界を感じた。
この感じは、あの窓辺でこそ 得ていた時間。
今日一日の、みなの祝福を祈り
たった一人で、感じながら、毎日がそこから始まった。

それが、あの日 突然なくなってしまったのだ。
あの家の、あの空間、あの窓辺での喜びは、
もう永久に帰ってこない。
なぜなら、原発によって その地の大気や水は汚されてしまったから。
窓を開ければ、身体をむしばむ放射能が入り込んでくる。
私たちは、光や青空を失い、静寂で神聖な朝は、もうやってこない。

とにかく 悲しいのだ。
自分の時代だけでなく、この放射能が消えるまで私たちの子孫は、何代にも渡って
悲しみと痛みと苦しみを背負って生きていかなければならないのだから。

とにかく悲しいのだ。
その地で 私が大事にしていた人との関係や、空間や、街や、人生の一瞬一瞬が
あっという間にくずれさり、もうこれまでと同じようには、営むことができないのだから。

その土地にいたからこそ、喜びをもって築けたり、育んできたものたちが、
原発という核兵器に匹敵するだけの破壊力をもったものに壊されてしまった。
もういまは、そこに居続けることが、苦しさを伴う。

「深呼吸がしたい」
「おいしい水が飲みたい」
「思いっきり太陽の下で光をあびて、かけまわりたい」
「その地で採れた新鮮な野菜をたべたい、」

この喪失感は、きっと福島にいた私たちでなければ、わからないだろう。

6月28日の東京電力株主総会で、原発を今後も稼働していくことに賛成!と手を挙げた人が大半を占めた。
これだけの大惨事を味わっても、
これからの地球の危機を予測できても、
人類はなぜ、懲りないのだろう。
日本中が、この苦しみを味わうしか もはや原発は止められないのだろうか?

2011・8・7(日)

                           (ペンネーム  星 ひかり)


ペタしてね