忙しいゴールデンウイーク
以前働いていた病院での話
ゴールデンウイークというと患者さんが家に帰ったりして暇じゃないかと思われますが
病院によって違います
また、同じ病院でも病棟によっては半分の患者さんが帰宅するところもあれば、
ほぼ帰宅どころか外出もしない病棟に分かれます。
私が勤務していた病棟は、ほぼ寝たきり、認知症の療養型病棟
もちろん外出・外泊は0でした
が、休日扱いの為出勤者の数は通常より少ない
しかし、毎日の身体ケアは同じ。
少ない人数でやる事は増えるイメージでした
そんな中、いつもと違っていたのは「面会」が多かったこと
家族も休みを利用して久しぶりに大人数でやってきたりとします。
病棟は入口に鍵がかかっていたので、インターホンが鳴るたびに仕事を中断して出迎え
そして面会室へと案内
面会制限など無かった時期は、忙しかったように思います
そんな中、面会者が訪れました。
差し入れは最小限で・・・
出迎えると両手に大きな紙袋を下げたご家族が立っていました
紙袋は「マクドナルド」と「ケンタッキー」
「いつも、父がお世話になってます。差し入れしてもいいですか?」
と、にこやかに笑う娘さんとお孫さん
差し入れって、まさかその袋に入っているもの?
いや~な予感はしましたが、面会室へお通ししました
椅子に腰かける娘さん。
父親である患者さんを連れていくと
「お父さん、元気にしてた?お父さんの好きな物買ってきたよ」
そういうと袋からいっぱいのハンバーガーやポテト、フライドチキンが続々登場
患者さんは糖尿病もあり、合併症から目が不自由な状態。
しかし、目の前に置かれた食べ物に気が付いたようにいきなり奪い取るように取り上げ食べ始めました
あまりの勢いに、とまどう私・・・
病気の事もあるし、こんなにたくさん一気に食べるのはと思い
「あの、せめて・・・ふたつくらいにしては・・・」
恐怖のアマチュアボクサー
少し食べる量を控えてはと言った瞬間。
鼻先に風がシュッと吹いたような・・・
そうです、患者さんが私の鼻先にパンチを当てるそぶりをしたのです
あまりの速さに何が起こったかわからない私
その様子を見ていた娘さんは
「まあ、お父さんたら」
と笑いながら
「お父さん、邪魔されるとすぐに起こって殴る癖があったものね」
と昔を懐かしむように言いながら
「でも、ちゃんと当たらないように手加減できるなんて、優しくなったのね」
嬉しそうに言いながら、父親を微笑ましく見守っている
いやいや・・・
手加減って・・・
もし当たってたら、ヤバいですよ・・・
だって、彼
元アマチュアボクサーですよ
歳はとってもまだその威力は衰えを見せてませんって・・・
あやうく鼻の骨折を免れたと安堵する私
結局、ほとんど食べつくした彼・・・
家族も満足げで帰っていったが、後は想像どおりお腹をこわして大変な状態でした・・・
差し入れも愛情表現のひとつだとは思いますが、ほどほどが一番かと・・・
■今週の家計簿
食品 26982円
ペット用品他 6379円
ガソリン代 3195円
合計36556円