以前私が精神科病院で働いていたときの話です。
当時私は学生指導係を任されていました。
学生指導とは看護学校の生徒の実習指導の事です。
昔、自分自身が指導されている時を思い出すと身震いしますが
当時の私は19歳
とにかく看護学校の先生も厳しく褒められるより怒られるほうが多かった。
それよりも、もっと怖かったのが実習先の看護師さん。
もう、その姿を見るだけで身震いがしました
挨拶はもちろんの事、廊下は隅を歩く
カルテを見ている途中で看護師さんがくればすぐさま譲りサッと壁に張り付く。
朝、看護計画書を読み上げるだけで声が震え
「その看護の目的は?」
と、看護師さんに言われ即答できず冷や汗ものの毎日
別名ダイエット実習と呼ばれるほど昔の実習生は痩せられました。
で、最近
まず看護学校の先生と実習指導者がミーティングするのですが
その時まずお願いされたのが
「生徒に質問しないでください」
「?」不思議に思う私
理由を聞くと
「今の生徒たちは大変ナイーブで傷つきやすく打たれ弱い子たちが増えてます」
「質問に答えられなくて失神してしまったケースもありました」
「学校でも少しの注意で辞めてしまった子もいます」
等々の理由で実習中は楽しく居心地のいい環境をお願いしたいとの要望
時代は変わったな~
確かに今は「ほめて伸ばす」時代
少しでも看護離れがないようにしていくのも時代の流れかもしれない。
こうして卒業した子たちが過酷な現場でギャップを感じなければいいがと思う。
そう思って歩いていると廊下のど真ん中を大声で話しながら歩く生徒の姿。
それを避ける現役看護師。
「ナイーブか・・・」
ちょっと疑問に思いながらも居心地よい指導を行った私。
現場に入っても頑張って辞めないでね、と心の中で思いました。