そんな時、父が帯状疱疹になりました。皮膚科で強い抗生剤が処方され、その頃少し弱っていた腎臓が悪くなり、検査入院になりました。これが認知症の症状をかなり進行させてしまったと思います。環境の変化は父には耐えがたいもので、スタッフの方も大変だったと思います。育休中だった私は緊急連絡先になっていたのですが、「迎えにきてくれ。」と電話が何度もかかってきました。検査入院をしていることを説明するとその時は納得するし、電話の後も少し落ち着くらしいのですがすぐに忘れてウロウロ。入院していることが理解できなくて、「ここ(病院)の家賃払ってないのにお世話になってる。家に帰りたい。」と言う。もちろん面会にも行きました。面会に行くと普通なんです。家族に会うと落ち着くのでしょうね。2週間ほどで退院しました。それからはすごく年老いたというか、家のこともしなくなり常に受け身の姿勢。これお願いと頼むとやってくれるけど、自分からはやらない。すっかり病人になってしまいました。そしてこの頃、精神科(物忘れ外来)を受診し、検査を受けてアルツハイマー型認知症と診断されました。退院後すぐだったので受診することや検査も承諾してくれて、検査も混乱などなく受けることができました。ただ、診察中はまるで他人事のようで、家族(私か母)と先生が話すという感じでした。医師からはテレビを1日中観て過ごすのが一番良くない、適度な運動をすること、家電製品はだんだん使い方が分からなくなってくる、と言われました。

 でも本当にその通り、だんだん家電製品の扱い方が分からなくなってきたようでした。テレビも録画機能とかBS放送とか色々楽しんでいたのに地上派しか観なくなったり。電子レンジや炊飯器の使い方で悩んでいたり。もちろんパソコンもスマホも一切触らなくなり・・・。

 

 81歳の今は観たいテレビ番組を選ぶこともなく、ついている番組を観てるというか眺めているという感じでしょうか。言葉もこちらから話しかけないと話さなくなりました。だからか耳もかなり遠くなりました。人間の身体も使わなければ機能が落ちていくということが父を見ていてよく分かります。考えることをしなくなったということは残念ですがそれが年を取るということなのか・・・色々考えさせられます。

それでも頼んだことは引き受けてくれるので、雨戸を閉めたり洗濯物をたたんだり、ちょっとしたことはやってもらうようにしています。母はできる限り、買い物に一緒に連れて行ったり、散歩に出かけたりと少しでも歩くように努力しています。そのおかげでADLは保てているし、身の回りのことは自分でできている父です。

孫が全員で5人いて、一番下は3歳ですがその子が絵本を持って行って「おじいちゃん読んで~。」というと読んでくれるので、発声練習にいいなと思い、それを家族で微笑ましく見ています。高齢者と子どもっていいんですよね。お互いに刺激し合えるので。よく老人施設と幼稚園や保育園を同じ法人が運営していて、交流があるのも互いに良い刺激があるからなんだなぁって思います。もともとの性格が内向的なので、家から出て行って徘徊などがないことも助かっていますし、認知症の症状が進んでいるのは明らかですが、父はどんどん穏やかになっていっています。本当はもっと刺激を与えた方がいいのでしょうが、一緒に住む家族がいかに楽に過ごせるか?も大切なポイントだと思うので、今の状態がベストかなと思っています。