ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」。

国語や歴史の教科書に出てきましたよね。

日本で刊行されたのはおよそ70年前。

これはヘッセの自叙伝的小説です。

 

 

 

親の指示通り受験させられてボロボロになる少年の話。

少年の闇の果ての物語。

 

 

 

 

70年前にこんな生々しい受験戦争の思春期小説があったなんて!

 

 

 

なぜ人間は学ばないのだろう。

 

 

 

厳格な父から英才教育を受けさせられ、

何も疑わずに神学校(今でいうと中学期)に入学したハンス。

同じような環境で育てられた少年たちの集団の中で、

少年たちは次々に壊れていきます。

 

 

 

今でいう行動障害や

身体表現性障害や

抑うつや自殺企図。

70年前にもこんな小説があったなんて。

 

 

 

ただただ勉強して成績トップを維持してきた少年が

新しい学校でさまざまな刺激に触れて

壊れていくお話です。

先に壊れていくルームメートや

入ってきた時から風変りだった生徒を目にして、

聞いたこともない思想を耳にして

ハンスはどんどん混沌の世界に入っていきます。

 

 

 

なんの迷いもない幼少時代から

親の価値観や教育を押しつけられることの弊害。

なんの疑いも持たぬまま成功する子もいるだろうけれど、

壊れてしまう子のなんと多いことか。

 

 

 

ハンスはきっと今の世の中で生きていたら

「ひきこもり」に分類されるでしょう。

 

 

 

ひきこもりになる経緯は

人それぞれ、たくさんの要因があると思います。

教育ママ・パパだからとは限らない。

でも、どんな理由でひきこもったとしても、

「君の意見はどうなんだい?」

「なるほど!」「そうなんだー」

「君はおかしくないよ」

と言ってくれる人がいたとしたら

人生はずいぶん変わっていくだろうなと思います。

 

 

 

ハンスの行く末は・・・

ネタバレになるので書きません。

現代の日本文学はストーリー展開が早すぎて、

昔の小説を読むのには骨が折れますが

(昔の小説は情景描写がものすごく多い!)

ハンスが不幸せになって終わることは間違いありません。

不幸せどころの騒ぎではなくなります。

 

 

 

人間は懲りないよなあ・・・

 

 

 

 

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