今日は久しぶりにサバの味噌煮を

作った。

当地は海に面していない県なので、

新鮮な魚がなかなか手に入りにくい。

しかも少々鮮度が落ちているわりに

高い。

なので必然的に肉料理が多くなる。

今日は、夕方サバが安くなっていたので

味噌煮を作ることにした。

サバの味噌煮は、私が大学に入学して

下宿し、入学式に出席している間に、
 
母が下宿に作り置きして

くれた料理だ。入学式から帰ると母は

すでに帰っていて、

赤い小さなホーロー鍋に2切れのサバが

入っていた。炊飯器なんてなかった

ので、一人用土鍋で自分で

ご飯を炊き上げ、

一人、白いご飯とサバの味噌煮を

小さなこたつの上で食べた。

甘い八丁味噌が、母の味だった。

寂しくはなかった。やっと自由を手に

入れた解放感で幸せだった。

ちょうど今頃の桜冷えするころだった。

まだだれも友達のいない未知な大学生活

がどうなっていくのか、

それが心細かったのを思い出す。

サバの味噌煮で18才の春を思い出す。