夫の誕生日を盛大に祝おうと

あれこれ想いは巡って

 

寡黙なわりにはセレモニー

好きな人なのよね

 

着席を待って

クラッカーがはじけたら

大きなホールケーキを

切り分けたりして

86歳を祝うのです・・

 

なんてことがこのホームの

部屋でできるはづも

ありません

 

老舗のケーキ屋さんの

ショーケースの前で

固まるように見つめていた

(…と思う)

 

ワタシを見守ってくれている

店員さんに気づいて

我に返りました

 

慌てて「これを二つ・・」

注文したのは薄いスポンジに

たっぷりの生クリーム

 

苺やキウイ、名前が分からない

ベリーが美しく飾られた

ショートケーキでした

 

“きっとお婆さんは財布と相談を

しているのね・・”と優しく

 

見守ってくれた笑顔の素敵な

お嬢さんでした

(お値段高めだったし)

 

※ ※ ※

車イスから自分で移乗できない

夫とベッドサイドに掛けた

ワタシが麦茶で乾杯

 

きれいなショートケーキが

おどけた誕生日を演出して

くれました

 

口の周りやシャツにも着いた

クリームはチョット切ない

ご愛敬としましょうか

※ ※ ※

さあ、今夜は日ハムの

応援しましょう!

 

「6チャンネルで映るのよ」

念を押しての帰りは

お日様はもう傾いていました