太安万侶についてはかつては「架空の人物説」や「古事記偽書説」、さらには戦後の「記紀神話後世創作説」など、太安万侶も古事記も信用できない、という論調がありました。
しかしながら、1979年に太安万侶の墓と墓誌が発見され、非実在説は消え去りました。ところが、今度は墓誌の「従四位」が中級貴族レベルの位で、皇族(舎人親王)が関わった正式な史書『日本書紀』と較べてレベルが低いというような見方がでてきています。身分によって、中身に違いがある、というのです。
要するにどうも古事記は「不都合な書」となるようなのです。
私の性格からすると、こういう気の毒な扱いを受けている太安万侶や古事記を応援したくなります。
太安万侶は「レベルの低い歴史家」、「天皇家の権威を高めるために歴史を捻じ曲げて書いた歴史家」という評価に対して、私は「太安万侶は天皇家のための歴史書を書きながら、密かに真実を後世に残した偉大な歴史家」と考えています。天皇家のための「表の歴史書」を書きながら、スサノオ・大国主建国の「裏の歴史」「真実の歴史」を伝え残した歴史家、というのが私の評価です。
その仕事は、「怪しい犯人候補」を描きながら、真実の手掛かりを巧妙に書き、鋭い読者が真犯人にたどり着けるようにした、本物のミステリ―ライター、推理小説家の仕事に似ているように思えます。
「太安万侶は日本初のミステリーライター」であり、その太安万侶の暗号を解く読み物として連載したいと考えます。
なお、私は終活の一環として、これまで書いてきたものをブログなどで公表する作業を行っていますので、連載は飛び飛びになることをご了承下さい。 ヒナフキン(雛元昌弘)