「本心」平野啓一郎 著 | ひな69の昭和マインド

ひな69の昭和マインド

・昭和45年生まれ
・ファーストガンダムど真ん中世代


本屋さんに積んであったのを、テキトーに手にした一冊。

主人公の石川朔也は、唯一の家族である母を亡くし悲嘆にくれる。

時は近未来で、バーチャルフィギュア(VF)なる技術で、仮想現実内で故人の面影や人格をリアルに再現できるとのこと。

主人公は、寂しさから母のVFを作成することを思い立ち、生前「十分に生きた」と自由死を選択することを願った母の本心に触れることを願う。

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うーん、近未来モノは少し苦手…
そのため手にとってから読み進めるまで、
少し時間が空いてしまった。。。

物語の舞台は「2040年代の入り口」と言っているので、現代と地続きのホンの近未来。
超超高齢化社会で社会福祉のシステムも破綻して、自由死という現代の姥捨山的な制度が確立されています。

ますます広がる貧富の格差に、ブラック企業、仮想現実の累進と、過度に飛躍し過ぎない設定が、まぁ有るかも?と問題意識を繋ぎ止めてくれます。

話しが進むなか、主人公と母を取り囲む登場人物が増えるにつれ〈母〉のVFも成長したり、没入型の仮想現実プログラムの体験など、現実と仮想の境目が酷く曖昧になるなか、でもコレは本物じゃない!とか葛藤する感じまでは良かったんだけどなぁ。

なんか後半は主題そっちのけの群像劇が展開されて、少し注意力が削がれた感じがしましたネ。

まぁ、主人公はその群像劇なかで、リアルに厚生していく訳ですが…

主人公以外の重要な登場人物の扱いも、最後にウッチャられた気がして…

なんか読後もモヤモヤした感じが抜けますせぬニヤリ