保育園という世界 | シキの育児記録

シキの育児記録

●育児
10月生まれ3歳児を育成中。

●パパ/2020年大腸がん発覚。
大腸全摘出、人工肛門増設術。イレウス数回。のち人工肛門閉鎖術。現在自宅療養中。専業主夫。


※3/26 アメトピに掲載されたようですが、そのタイトルがあまりにも悪意のある煽りタイトルで不本意かつ衝撃的でした。

私が保育園に対して抱いている思いは『感謝』であって『不満』ではないです。

このことを念頭にお読みいただけると幸いです。


ワンクッション画像



娘が保育園に入園したのが昨年の4月。
慣らし保育期間中に緊急事態宣言のため登園自粛へ。
登園再開が7月からでした。

よく、慣らし保育期間中は毎朝泣かれて…なんてエピソードを目にしますが、

うちの娘は慣らし保育期間どころかまるまる3カ月間登園とお迎えのたびに泣き叫んでおりました。

先生に抱かれて「ママぁ〜!ママぁ〜!!」と遠ざかっていく泣き声。

後ろ髪を引かれる思いと罪悪感を引きずっていたものです。

4月入園当初から保育園でも衣類の取り違えがあったり、他の子のものを入れられて代わりに洗濯させられることも続いていたし、

持ち物リストに指定されていなかったのに

「薄着保育をしているので裏起毛素材の服はだめです」
「ヒートテックの肌着もだめです」
「名前は取れてしまうのでフェルトで付けるのはやめてください。マジックで大きく書いて」
「腰がズリ落ちてしまうのでもうワンサイズ小さいズボンにしてください」
「このブランケットは厚手なのでだめです」

と後出しで次々準備したものについて突き返されるなど、保育園への不信感も積み重なる時期でした。

何ヶ月経ってもうちの娘は保育園の窓から私を見つけるといつも泣きだすので、本当に悲しかったです。

でも、ある日、いつものように鼻水を垂らして泣いてる娘の涙をティッシュで拭いてくれてるクラスメイトの姿を見かけました。

娘も拭かれなれているようで、素直に鼻水まで拭いてもらっていました。

その光景を見たときに、はじめて保育園に対する思いが変わりました。

保育園に入ってしまったあとは、子どもの世界なんですね。
頑張るのも子ども。楽しむのも子ども。子ども自身の力に委ねるしかないんですよね。
そして子どもはお友だちをつくるのがとても上手で(遊ぶことが子どもの仕事なので、当然仕事仲間が必要なのです。)

そのうち、友だちの輪が広がり、
自宅でもおともだちの名前を教えてくれるようになったり、先生の名前らしき言葉を発するようになりました。

9月いっぱい、泣いていました。

でもある日の朝、保育園の前につくと、腹をくくったような顔になって、泣かずに教室へ入っていきました。

私は涙がポロポロ頬を伝うのを自制できませんでした。

いまは共働きが主流になってきているおかげで、
私は子どもを幼いうちから保育園に預けることに、迷いはありません。

だって働かなくちゃいけないからね。

子どもにも頑張ってもらわなきゃいけない理由が我が家にはあるのです。

それでも、あの瞬間の娘は立派だったなと、もう私とは別個の人生を歩み始めた娘を誇らしく、少し寂しく、ほんのすこし、いえ、本当はめいっぱい、申し訳なく思いました。

とはいえ、それから何度も娘は保育園を登園拒否(笑)しています。

特に濃厚接触者になり自宅待機を2週間も過ごして、美味しいおやつを食べられるし、いつも両親に甘えたりワガママを言えるし、DVDもたくさん観て(←)、二度とないだろう長期休暇をとった娘は、

いま完全に5月病状態です笑い泣き

保育園に行くよ、というと目を瞑って現実逃避します。
↑嫌なことからは目をそらします。

毎晩「あしたは保育園おやすみ?」と聞いてきます。(明日とはどういうことかもまだ分かってないと思うのですが…)

保育園に到着すると
「いやぁ〜!!パパ〜!!」とパパに追いすがるそうです。

パパはそのたび「連れて帰ります」って喉まで出かかると言ってました。

泣くのは慣らし保育期間だけではありません。
子どもによります!!!

4月から子どもが新入園するお母さんは、
長い目で見て心構えをすることと、

子どもが泣くからといっていちいち自分を責める余地が果たしてあるのか?と考え方を切り替えて、がんばって乗り越えてください。

『専業主婦の子よりも、母親が外でバリバリ働く姿を見て育った子どものほうが、大人になってから仕事を辞めずに続ける』という意見もありますから。

働いて生きていく、という気概を母親の背中から学ぶのかもしれませんね。

ちなみに、最近娘は保育園で「ママはおしごと」と先生に言うらしいです。
先生が「パパは?」と聞くと

「トイレ」

って言うらしいです笑い泣き
(大腸全摘でしょっちゅうトイレにいるのでねw)

その話を聞いて、みんなで大笑い。
こんな話題で先生と大笑いできるようになったことも、信頼関係の証です。

最初不信感があるのは当たり前です。
時間がかかりますよね。

保育園での生活をつくるのは子ども自身です。
それを支えて見守って、必要なときに働きかけてくださるのが保育士さんです。
(保育士さんや保育園看護師さんはサービス業じゃありません。その最大の務めは『子どもの安全を守る』ことだと思います。だから、衣類の取り違えなんて些細なことだと私は思っています。)

子どもが泣いたり行くのを嫌がったりするのも、ひとつの物語だと思ってまるごと受け止めればいいんだなと私は個人的にはそう考えています。

娘が水やりして育ててくれているチューリップ。

咲き始めました。

春はもうすぐです。

新生活を迎える皆様のご健闘をお祈り申し上げます。