去年、心疾患での死亡が被災県で増えていることについて

「被曝の影響だ」という話が出まわりました

また、一部の人達は

「関東でも心疾患による死亡が急増している、原発事故の影響だ」

と騒いでいます

本当でしょうか??

一応平成24年度まで、統計が出ております

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23年度は、岩手、福島、宮城で大幅に増加しています

これは、複数の医師が指摘しているように「震災のショックにや避難生活、避難による若者の減少」によるものだと考えられます

なぜかというと、津波や原発事故で避難を余儀なくされた3県で大幅に増加しています

逆に、栃木や群馬の様な、放射性物質の汚染レベルで言えば宮城、岩手より放射性セシウムの降下や沈着は多いですが、心疾患による死亡率はごく普通の推移です

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放射性物質、例えば放射性セシウムが心疾患による死亡に関係しているなら、むしろ群馬県や栃木県で増えてもいいはずですが、この2県の推移は事故前からの推移と変わらない

さらに「心疾患による死亡率」の値は「人口10万人あたり」です

なので表を見ていただくと解ると思いますが、高齢化している県では当然高くなっています

岩手や福島では、より高齢化が促進されています、これが「心疾患による10万人あたり死亡率」を押し上げる要因にもなっています

福島県では平成22年に65歳以上人口が25%でしたが、平成24年末には26.2%に増加しています

心疾患を「原発事故による被曝のせい」とするにはもう一つ問題があって、普通被曝量に比例して、また経年で「増加」するはずなのですが

平成23年度に比べ、平成24年度は岩手は横ばい、福島や宮城では御幅に減少しています、今までの増加推移と変わらない数値に平成24年度はなっていると見えます

これは平成23年度の増加を「原発事故による被曝のせい」とするなら無理のある話だと解ります

逆に「震災のショックや避難生活」が原因だと考えると辻褄が合います

「影響が単年度で緩和されている」のですから、要因は「単年度しか効かないもの」だと考えるのが妥当です

「被曝は累積…」

「放射性物質が体内に蓄積して…」

という話と、実際の心疾患での死亡率推移は辻褄が合いません

さて、「原発事故後関東で心疾患による死亡が急増している」というような話を

「病院で医師が言っていたのを聞いた」

とか

「私の知り合いも心疾患で…」

とか伝聞や体験談を根拠に流布している人も居ますが

グラフを見れば解るように全国の推移と変りなく推移しており、とても「急増している」という話にはなりません。また平成23年以前と比べても、推移は変わりません、東京、神奈川と栃木、茨城を比べるなら震災前から差が広がってきています、これは高齢化が効いてきているのではないかと考えます。

以上、見てきたように

原発事故による放射性物質の降下と心疾患には関連性がなく、23年度の異常値は「震災自体によるもの」の可能性が高い

また関東で心疾患による死亡は急増しては居ない、特に東京や神奈川などは、全国に比べても「増加が緩やか」なほうである

いま見られいている心疾患については、「原発事故による被曝とは直接関係ない」ことが県別の推移や、放射性物質の降下量の比較から言えると考えます

おまけ

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関東の推移が異常値で、原発事故の影響なら

「震災後の和歌山県や高知県の、心疾患による死亡率の急増も、原発事故の影響だ」

あれ?