既にその辺でも売ってるEM菌ですが

・放射性物質の除去

・土壌改良

・水質改善

などの効果を標榜しています

本当でしょうか?

EM菌の除染効果

農用地等における「民間等提案型放射性物質除去・低減技術実証試験事業」
試験結果について(第2報)

http://www.pref.fukushima.jp/keieishien/kenkyuukaihatu/gijyutsufukyuu/minkan/240517zenntai2data.pdf

$ベレッタのナナメ45度視点!出張所


EM菌の投入による移行係数の低減は、そもそも「含まれているカリウムが原因」(対象データの塩化カリウム添加の実に4倍近くのカリウム当量となる)である。

下図がその部分

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カリウム添加自体がセシウムの移行係数を減らすことは今までの実験で判明しているので、これは「EM菌の効果ではなくカリウムの効果だ」ともいえる

カリウム当量が、EM菌の含有当量と同等で対照実験をしないと、何の効果だかわからなくなる。

カリウム散布よりEMを選ぶ方がいますが、EMにもカリウムはたっぷりなので、どっちにしても同じことになります。

そもそもの話、土壌の放射性セシウムが減っているわけではないので「除染」ではない。

で、EM菌の教祖とも言うべき、比嘉教授の講演会での発言

http://newsoul.blog25.fc2.com/blog-entry-398.html

http://tamaky.com/kibou/2012/04/13/%E6%AF%94%E5%98%89%E7%85%A7%E5%A4%AB%E6%95%99%E6%8E%88%E8%AC%9B%E6%BC%94%E4%BC%9A%E3%81%AE%E5%A0%B1%E5%91%8A/


「放射能さえもコントロールするという重力波が関与していることが分かったんです」

「EMを総合的に使えば、ダイオキシンはもとより環境ホルモン、重金属、有害化学物質などは、すべて無害化できる」

「最近は、EM菌が放射線を消去する事が証明されている」

「内部被爆を確実に減らすにはEMXゴールドを飲むという方法がある。野菜をEMで洗うと効果あり。」

「野呂さんとのつながりで内部被爆した子どもたちに飲ませ、成果を得た。」

「放射能と言えどもEMにかかったら最後、土の中の太陽に変わってしまうのです」


万能すぎワロタwwwwwwwwww

というかメカニズムが全く不明

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という話

そもそも細菌が放射性物質に作用することは出来ませんので、汚染が減るハズがない

飲んで効くハズがない

・EM菌の土壌改良

土壌中には、数では表せないような多量の細菌が存在しています

それらは自然環境に応じた、細菌群で、生存競争を勝ち抜いて、その土壌に適した層しか残っていません

そこに有用微生物群とかいって、少量の(土壌の細菌群に比べれば本当に少量です)細菌を撒いても、元々いる細菌にまず駆逐されてしまします。

こんなの撒いたぐらいで土壌中の細菌群の層が変わるのなら、きのこ栽培も楽なんですが、もちろんそんなことはない。

で、そういう批判が出ると

「普通、土の1グラム中には約1~10億 もの有用な微生物がいるのに対し、EMは数で圧倒する訳ではなく、EMに含まれる微生物が、最初からいる微生物(日和見菌)を連係させて働かせる事ができ、投入した量以上の効果が出る」

いや~そりゃ無理ですよ…

但し、EM菌の液自体は有機物や栄養(窒素やカリウム)に富んでおり、「肥料として」は効果があるとは考えます。

「有用微生物群が作用して云々」の話を除けば

たい肥を撒いているのと変わりません。そういった意味での効果は否定できません。


・EM菌で水質改善

これは、効果がない、もしくは逆効果だと考えます。

先述したように、EM団子は栄養に富んでおり、池などでは逆に富栄養化に作用する

川などでは投与量に相対する水量が多いので、効果がない

ヘドロは生物が死んで沈殿した有機物などを多く含む泥なので

EM菌団子もその一部


そもそもヘドロを浄化する効果は無い、清涼な川はそもそも微生物群が少ないのだから理屈に合わない。

河川の水質改善は、流入する生活排水等の管理が一番重要

こういうものに自治体が頼るのは、そもそも自分たちの仕事を放棄してるんじゃないかと思います。


・まとめ

EM菌には、放射性物質や有害物質をどうにかする効果は無い

そのメカニズムすら明らかに出来ず、実験自体も外部の追試では結果が出ない

結果が出ないことにつて「外部の実験が手法がおかしい」

これではインチキ詐欺師と同様である。

EM液が肥料として有用なのは成分的にOKな主張ですが

有害物質の除去や消失、水質改善には

限りなく大きな疑問符が付きます。

放射性物質に関しては、完全にクロです。


・報道側の問題

報道でも一部

EM菌の推進者だけの言い分を取り上げ、記事にしている

記事だけでこんなにある↓

http://www.ecopure.info/book/paper.html

週一でどっかの新聞が記事にしている様な状況

誤報問題で情報の精査が問われる中

「EM菌推進者の言い分だけ」を載せた報道はいかがなものか?

新聞やテレビは「EM菌の宣伝広告紙」なのか?と

最近やっと批判的な報道が増えてきたが、そういう意味でも

企業ジャーナリスムは既に死んでいる

現に、こういう話でも実際に新聞社に問い合わせた経験があるが(EM菌では無かったが)

「その団体がそう言っているので記事にした」

「それは事実なのでそのまま報道した」

「科学的根拠が無いという言い分もあるが、報道自体は事実無根ではない」


そういう回答です。

「専門的な話の精査は出来ません」とも言ってました

これ、先日私が福島民友の誤報について問い合わせしたときに、言われた内容とほとんど一緒なんです。

新聞社は「報道内容の正しさ」を目指しているわけではなく、勉強する気もない

EM菌だけの問題ではないが

科学報道は本当にいい加減で、物珍しい研究があれば取り上げて、後に否定されていても、それは報道しない。

そういうのは「ニュース価値が無い」んだそうだ

かくして「間違った内容だけが、皆様の頭に残ったまま」になってしまう。