母の願いはできるだけ叶えてあげる様にしたかった。
まず行きたかった温泉へ
実家かは30分程のところにある老舗旅館に
兄と長女と私の4人で行った。
テンション高めの母と旅館についてすぐに温泉に浸かりに行った。
長女は独身で介護士をしている。
長女が一緒に来てくれたので、安心して温泉に入ることが出来た。
なるほど手際が良い。
助かった。
母も岩だらけの温泉であったが、安心して入れた様だった。
次女も来るはずだったが、子供達が体調不良で急遽兄と交替した。
兄は仕事帰りに合流で入浴後に戻ると到着した。
兄もまずは温泉に浸かりに行った。
日本庭園を眺めながらまったりし、写真を撮ったり賑やかに過ごして兄が戻ってすぐ夕食になった。
夕食はそれぞれ好きなメニューを予約していて、
母は大好きなすき焼きを頼んでいた。
サシの入った柔らかそうなお肉で母は上下とも入れ歯だったが、困らすに食べれる柔らかさであった。
『美味しいわぁ。こんなに美味しいすき焼き久しぶりやぁ。まだまだ元気出さなあかんなぁ。』そんなことを繰り返し口にしながらデザートまでしっかり食べてくれた。
ステロイドって本当に凄い。
まやかしでもいいから、これだけ味わって満足出来て良かったと心から思った。
良かったね!と口に出すだけで泣きそうで
言えなかった。
食後は庭園を少しぶらっとしたが、寒過ぎて部屋に戻った。
布団を敷いてくれていたが、隙間風が凄くて長女がアンカを借りてくれた。
母は早寝早起きなので合わせるべく私たちも早めに寝ることにした。
寒くて布団から手も出せない様な室温だ。
風邪をひかないように布団を直したらして
なかなか寝付けなかった。
母は夜中2度トイレに行き、その度に介助した。
寝たか寝てないか自分でもわからない状態。
しかし母は朝の5時からウロウロし出した。
やっぱり旅行中でも5時かぁ。
『あんたーもう起きて温泉行こうなぁ。』出た。
母の容赦ないわがまま。。
まだまだ眠っていたかったが、もうちょっと寝かせてと頼んだが再び眠れなかったので、一緒に温泉に向かった。
身体をサッと洗い、温泉に浸かった。
『あ〜気持ちいい。あんたとこうやって朝から温泉入れて嬉しいわぁ。ほんまに嬉しい。』母は言い出すと
何回も同じことを繰り返す。
喜んでくれているから良かった。
部屋に戻ると兄も起きて温泉に行ってる様だった。
大広間に移動し、朝ご飯会席をいただいた。
夕食も朝食もほんとに美味しい。
皆満足し、玄関で写真を撮ってもらい。
旅館をあとにした。