昨年9月から、ご遺体を死化粧&処理する担当になりました。
『処置』と言うのは、いわゆる体液など出ない様に詰め物をしたり、口や目が開いていたら生前に近い様に閉じたりする事です。
死化粧は主に女性にする事が多いですが、男性に関しては病院からの死化粧を落とすと自然に近い血色が見えたりするので、あえて化粧を落としたりします。まれに、顔色が変わっている時は、隠しメイクはしますけど、だいたい病院でしてくるメイクを落とすと、無難なピンク系のファンデーションを使っている事が多いので、
ちょっと男性には不自然かな・・・と思う事が多々ありです。
ただ、この『処置』というのが、自分には大変苦戦している部分でして、単純に開いている口を閉じればいい、
開いてる眼を閉じればいい、なんで、難しいところでもあります。
主に綿花を使って、それらを閉じるわけですが、歯が無いのと有るのでは、有るほうがやりにくいのです。
なぜなら、約22~4センチの長いピンセットを使用しても、前歯に当たってしまい、うまく気道にいかないからです。これは、プロの方からすれば、言い訳に過ぎない話からしれませんが、歯を折らない様に慎重になる余りに、これ以上先に進めないヘタレな自分がいます。尚且つ、まばらに歯が有る時には、一見閉じている様に見えてよ~くみるとちょっと隙間から綿花が見えてんじゃね?と言うときがあります、
もう、完全に実力不足です。完璧なんてない。自己満足なんて到底できない。クレーム来ないことをいいことに、毎回毎回本番で勉強させてもらっている大バカ者です。物は有っても使いこなせない職人と同じです。
みんな、何も言わないけど、閉じれた口も後で開いてんのだろうなあ~。