◇ 黒鉄38 別れ 場面別感想「黒鉄の魚影」 ◇
魚雷で破壊されたパシフィックブイは
修復を断念され、新たな施設が
別の国に作られることになりました。
そこへ向かう直美を見送りに、
空港まで来た灰原さん。
直美は、赴任先は言えない、と
灰原さんを抱きしめて謝り、お礼を言います。
灰原さんに背を向け、カートを引く直美。
立ち止まって振り返り、戸惑う灰原さんに
『また会えて嬉しかった』
と、心の中で話しかけました。
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新たなパシフィックブイでも、
技術者として必要とされている直美さん。
彼女は今回の事件で
あまりに大きなものを失った。
気が合わないながらも
切磋琢磨した同僚・レオンハルトは殺され
信頼する親しい同僚であったグレースは
犯罪グループの一員で、自分を陥れ、
レオンハルトを殺害した。
世界平和に役立つとの思いで
自分が開発したシステムは、悪用され
大切な人達を危険に晒し、
自分を支え守ってくれる父親は
自分への脅迫のために殺害されかけた。
自分が今までやってきたことは何だったのか。
これから自分はどうしたら良いのか、
何を信じ、何を目指せば良いのか。
判らない状態でしょう。
でも、直美さんは、
技術者であり続けることを選んだんですね。
そして、それはおそらく、
灰原哀との出会いがあったから。
潜水艦から脱出する、と言う
直接的に助けられたこと以上に
灰原さんが直美さんに言った言葉が
直美さんを引き戻したんだと、思います。
「今のあなたのお蔭で、これからの私がある」
（過去のあなたのお蔭で、今の私がある）
気付いて、でもそれは言えなくて、
そのまま、会えて嬉しかった、と
心の中だけでそっと思って旅立つ直美さん。
この人も、強い人だと思いました。
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＜ この場面のお気に入り ＞
☆ すっかり友達 
灰原さんの気安い口調が、
もうすっかり「年の離れた友達」なんだな、
て思いました。
コナンを介さない友達って、灰原さん。
もしかして初めてなんじゃないかな。
いつかまた会えたらいいね。
今度は事件なしで 
☆ 「ごめんなさい！」直美
私があなたに会いたいと思ったばかりに、
巻き込んでごめんなさい、志保。
あなたが志保だと気付いているのに
それを伝えられなくてごめんなさい。
色んな意味があるでしょうが、
相手に真意が伝わってはいけない謝罪、
ですね。寂しいね 
☆ 「良いわよ」灰原さん
珍しく鈍い灰原さん。
☆ 「子供の言葉や行動で・・・」直美
幼い直美は、志保に助けられ、
差別のない世の中を目指した。
今の直美は、灰原哀に助けられ、
新たなスタートを切る。
システムを開発した当時、
おそらく10代だった直美さん。
ベテランの大人達から、年齢を理由に、
悔しい想いをさせられたこともあったでしょう。
だから、人種の壁も年齢の差も超えて
認証できるシステムを、と。
そんな直美さんにとって、目の前の少女は
年齢による差別をなくしたいと言いながら
自分が見失いかけていた思いを、
自分に気付かせてくれた存在、
なんだろうなと思います。
登場時の直美さんは、
理想を追うのは良いけど
現実のリスクに対しては考えが甘い、
ちょっと危なっかしい印象がありましたが
今の直美さんなら、
大丈夫なんだろうな、て思います。
沢山のものを失って、得て、自分を見つめ直して
彼女もまた大きく成長したんじゃないかな。
行ってらっしゃい。元気でね。
ED ／ 39 組織の内情
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