マツダのクリーンディーゼル技術はすごい | 世話焼き爺のブログ

マツダのクリーンディーゼル技術はすごい

フォルクスワーゲンがディーゼルエンジンを搭載した乗用車の排気ガス検査を不正な方法で誤魔化して来たことが世界中で大騒ぎになっていますが、日本でも数少ないディーゼルエンジン搭載乗用車を販売しているマツダの技術は際立っているとしか言えません。
http://www.nedo.go.jp/hyoukabu/articles/201301mazda/index.html
ディーゼルエンジンの利点は、ガソリンより安価で走行距離当たりのコストが安いことです。フランスやドイツなど高速道路網が発達している国では燃料コストに敏感にならざるを得ませんのでディーゼル乗用車がガソリン車より多く使われます。日本では既に過去のものになったのですが、トラックなどが汚い破棄ガスを出すイメージから乗用車は圧倒的にガソリン車が多いのです。

ディーゼルエンジンはガソリンエンジンより高温高圧で働きますから熱効率が良いのです。しかし高温では空気中の78%を占める窒素まで燃やしてしまうのが困るのです。窒素が燃焼しますと窒素酸化物になります。NOxと称されるものでノックスと呼ばれます。ノックスが水に溶けますと硝酸の類を生じます。これは呼吸器官にとってトンデモナイ作用を及ぼします。

ベンツなど価格の高い車には、白金を使った触媒を付けてノックスを窒素に変えて排気できますが、大衆車にはそんな高い触媒を付けられません。また、触媒にとっては硫黄酸化物が大敵で、日本では燃料である軽油の硫黄含有量が10ppm以下ですがアメリカは15ppm以下になっています。ここまで硫黄が減れば触媒に悪影響を及ぼすことは少なくなっているとは思いますが、白金触媒はお嬢様なので弱いのかも知れません。

マツダは、圧縮圧力を下げて燃焼温度を下げる方向で対処しました。しかし、これは燃費を悪化させるはずです。しかし温度が低くなると当然シリンダー内の圧力も減少します。その分機械系の材質を軽くできます。しかも温度が下がることにより燃焼速度もゆっくりになり、燃料が無駄なく燃え、煤煙も少なくなるご褒美も得られ実にエレガントな対処の仕方です。
ドイツは日本に学ばなければなりません。